夢と現実いったりきたり

2020年現場まとめ

 

 気がついたらもう3月も終わりです。12月末に書きさしのまま放置していたまとめエントリをようやく完成させたのであげておきます。

 

 

 今年もあっというまに年末がやってきてしまいました。ということで恒例の現場まとめです……が、その前に。みなさまご存知のとおり、2020年はコロナの流行により現場が次から次へと潰れていった1年でした。わたしもご多分に漏れず、例年以上に現場に足を運ぶ機会が少なくなってしまい、他の趣味を楽しみつつも、やっぱり現場だけで得られるあの奇妙な高揚感を浴びられないことに対しては一抹の寂しさがありました。各社、コロナ以前にはなかっただろう配信を準備してくれたりしたけれど、演劇作品を映像、しかも自宅で見るのが個人的に向いていないのか、なかなか集中できなかったり、結局見れなかったり……というありさまだったので、本当にはやく状況が好転するように願っております。

 

 

1~2月

こちらでまとめています。

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 「フランケンシュタイン」は、脚本や演出に言いたいことは山ほどあるけれど、それでも見れてよかった、もっと見たかった、と思う不思議な作品でした。DVDを貸した友人からはもろもろつっこみが入って、問題のある彼氏を親に紹介している気分になりました(でもこの人、いいところもあるんだよ……!)。

 

3月

改竄・熱海殺人事件‐ザ・ロンゲストスプリング‐@紀伊國屋ホール

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 荒井伝兵衛に夢中になった春。 よかったよね「熱海」!わたしはこれが初「熱海」だった(し、初つか作品だったのかな?)けれど、中屋敷さんがつかこうへいリスペクトなの、なんかわかる気がしました。

 ところで「つか」といえば、絶賛連載中の漫画『ダブル』ですね。実写ドラマ化するそうですが、わたしは常々「実写化するなら友仁は玉置玲央さんがいい」と言っており、キャスティング発表までは気が抜けない日々を過ごしています。実写キャストで「初級」上演(演出:中屋敷法仁)を諦めない。玲央さんも中屋敷さんも読んでるし、てか中屋敷さんに至っては宣伝ツイートしてるし。頼むで……!

 

4~7月

 ないんですよ!1本も!

 もともとWSSが入ったりしてたのかな。なくなった公演のことを考えるのはやめました。たぶん配信なんかはちょこちょこ見てたはず……。(紙のチケットがないと振り返るのが面倒なので)そのへんの詳細は割愛しますが。

ドラマを見たり、 

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Beyond LIVEを見たり*1

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あとはこのへんでNCT127のカムバ(NEO ZONE)があったので音楽番組を追ったり、在宅ではあるもののボリューム的にはいつも以上な毎日でした。

 

8月

THE MUSICAL BOX~Welcome to my home~@日生劇場

 

horipro-stage.jp

曲目
  1. I'm Alive/Next to Normal
  2. 僕の願い/ノートルダムの鐘
  3. メドレー(ガス-劇場猫/CATS、ヘロデ王の歌/JCS)
  4. トータリー・ファック/春のめざめ
  5. みんなのうたサザンオールスターズ

 

 3月ぶりの現場は我らが日生劇場。日比谷界隈だと一番縁がある劇場な気がしてきました。

 柿澤さんソロコン……といいつつ曲数はめちゃくちゃ少なかったのだけど、久々にこうして現場にこれたうれしさとか元基くんとのやりとりのかわいさとかで誤魔化されてます。Welcome to my homeという副題にちなんで、舞台上は部屋のようなセットになっていたのだけど、実際に部屋に置いているソファと色ちがい(だったかな?)だったそうです。

〈I'm Alive〉のオリジナルキャストであるアーロントヴェイトが好きで参考にしている、という素直に面白い話が聞けたと思ったら、〈ガス-劇場猫〉の歌詞について、自分も歳をとったら今の若いやつは……とか言ってそう、みたい話まで(なんとなくわかる気もしなくもない……)、曲にまつわる話が聞けたのも楽しかったです。ヘロデ王はめちゃくちゃ似合っていたので本役で見てみたいかも。

 しかしミュージカル曲ではなくサザンで締めるところが柿澤さんだなあと思いました。♪いつの日かこの場所で逢えるならやり直そう~

 

9月

 現場はありませんでした……が、そのかわり『炎の蜃気楼』シリーズに出会ってしまってうなされる毎日を過ごしていました。ミラステ視聴からの昭和編読了からの、絶賛本編読み進め中です。桑原水菜荒牧慶彦富田翔も平牧仁も小野川晶もみんなすげーよという感情でいっぱいです。2021年は炎の蜃気楼が流行りますよみなさん!

 

10月

STAGE GATE VRシアター『Equal-イコール』鈴木・辻本回@青山クロスシアター

 

stagegate-vr.jp

 

 「Equal」はDステ版と赤×坂版をDVDで見たことがあったので、朗読劇だとどうなるのかなと思って。ラストのドタバタがカットされたことで、良くも悪くもおしゃれな仕上がりになってました。あの泥臭さこそEqualでは!?という気持ちもなくもないけれど、どちらが生き残るのか、というのが明示されないことでより一層「どっちがどっちだったのか」というのが曖昧になっていていい改変だなと思います。

 染谷細貝回とかいう劇薬を見てハラハラしたい気持ちもあったけど、久々のチケ取りで申し込み忘れるという失態をやらかしてしまったので、結局ロマンを求めて鈴木辻本回にした結果、案の定ズッキーさんにメロメロになって帰ってきました。別になにも詳しくないけどズキアラのふたりには妙にときめいてしまうんや!

 

11月

ミュージカル『RENT』@シアタークリエ

 平間/甲斐/八木/上口/加藤/フランク/吉田

 序盤のチケットを取っていたのでギリギリ見れました。来日版が中止になり、東宝版も途中で中止になってしまったり、その他でもいろいろあって、なにかと不運だったなあ……。

 序盤だからなのか、キャスト同士の相性なのか、はたまたわたしとの相性なのか、1幕だといまいちピースがハマりきってない感があったんですが、2幕では結局泣いちゃうんですよね。泣いてしまうのはいつもエンジェルとの思い出を語る場面と、コリンズの魂の叫びのような〈I'll cover you〉リプライズ。

 なにより、上口さんのエンジェルがものすごくよかったのが大きい。「みんなから愛されていた」というのを文句なしに納得できる反面、狙った獲物(コリンズ)を逃さないしたたかさや、エビータを突き落として稼いだことを無邪気に語って聞かせてくる怖さも持ち合わせている上口エンジェル。個人的にRENTで好きなキャラはマークだけど、エンジェルを愛せるかどうか、がひとつの鍵な気がします。

 

ハルシオン・デイズ2020』@紀伊國屋ホール

 上演前からいろいろあったし、そのせいで心象が悪かったのも作用しているかもしれないけれど、それにしたって……。炎上したのは役者のコメントだったけど、そもそも作品におけるゲイの描き方がひどかったです。見目のいい若い男に対してゲイが迫る、という表現、そしてそれを「笑いどころ」として描くあたりが厳しすぎたし、そういうのいい加減やめなよと思いました。ため息。

 あとはそもそも全体のテーマが自分に合わないのもあって、ひたすら空虚な気分になってしまったのでした。鴻上さんとはあらゆることが合わないっぽいことがよくわかったのでこれからは積極的には見に行かないかなあ。歌って踊る柿澤さんがかわいかったのと、OPでわたしの永遠のアイドル・小山田壮平の曲が流れていたくらいしか……。

 

小山田壮平「OH MY GOD」が流れていました

 

劇団柿喰う客『夜盲症』@ザ・スズナリ

 やっぱり柿の女性陣ってサイコー。女性陣に限らずですけど。完全に長尾さん……♡になって帰ってきてしまいました。

 

 女女/男女をBLと呼称するのはいまいちだと思っている派だけど(その逆も然り)、言わんとすることはわかる。中屋敷さん自身がBLの文脈にどっぷり浸かってる人っぽいし……。

 

12月

ホリプロミュージカル・コンサート@新国立劇場中劇場

 人によって持ち時間が偏るのは仕方ないのかなあと思いつつ、やっぱり歌がうまいのはよいことだなと再確認したコンサートでした。笹本玲奈さん・小南満佑子さん・唯月ふうかさんの発光具合におののきました。メリポピ見たいよ〜

 柿澤さんは1曲(フランケンシュタイン〈後悔〉)と全体曲だけの登場で少しさびしかったけれど、それ以上に、全体曲のときなぜかあたたかい家庭に迎え入れられて困惑している捨て犬のような挙動をしていて、「ホームなのに……?」と不思議な気持ちになりました。

 

両国花錦闘士@明治座

 原ちゃんが主演になったということで気になっていたんですが、あまりに周囲での評判がよくて急遽観劇することにしました。いやー、行ってよかった……。

 要素が多い作品だけど、純粋に単純に、髷にまわし姿で明治座のゼロ番でスポットライトを浴びる原嘉孝くんはあまりに美しく、そしてそれがこの作品の真髄なのだなあとしみじみ思いました。原嘉孝くんはもう、演劇の神様に愛されていると言っても過言ではないでしょう……。

 相撲と美しさ、といえば映画「シコふんじゃった。」とそこで引用されているジャン・コクトーの言葉ですが、そこで「シクスティン礼拝堂の天井画から抜け出して来た類稀れな人種」って言われていて。2幕前に出てくるもろに宗教画なセットもそれを意識しているのかも。

 3/26〜48時間限定でアーカイブ配信をおこなうということなのでお時間のある方はぜひ。WOWOWオンデマンドなら無料!

 

 

 以上、2020現場まとめでした。もうブログを書かないことが当たり前になってしまっていて、ブログ筋の衰えを感じる今日このごろですが、2021年こそはちゃんと……って毎年言ってるし、今年はもう3ヶ月経ちましたけど。

 

 

*1:エントリはSuperMと威神VだけだけどNCT関連は全部見ました!あとスキズも

SuperM、Mステに出るって本当ですか?/正規1集『Super One』リリースに向けて

SuperMがMUSIC STATIONに出ます

 

 というわけで、出るらしいです、Mステ。今の時期はどうしても「日本に来て大丈夫か?」っていうのが第一声(というか最初は当たり前のようにリモート出演だと思ったんだけど)になってしまうな……。本当に来日するのであれば、まずは健康を第一に考えてあげてほしいものです。

 

 なによりもSexy Zoneとの共演が楽しみすぎるんですよね。ジャニーズが生み出した愛の怪物・中島健人師匠と推しが同じ画面に収まる(のか?)だなんて……。あとTXTも出演するということでBighitとSMの微妙な緊張関係を勝手に(本当に勝手に)感じつつ、2時間SPとはいえ、日本で最も有名な地上波音楽番組にK-POPアイドルが2組出演することに時流を感じます。こういうのってどっち側からオファーを出すんだろう?

 

 「SuperMとして」の出演に複雑な感情を抱えてる人もいるだろうけど、個人的には「祭りだ!」の思いの方が強め。スポーツバーで観戦したいくらい。そもそもわたしはSuperM自体を祭りだと思っていて、SuperMが発表された当初も楽しみにしていた派なんですよね。こんなブログ 書いてたし。

 

 ただ正直な話、〈Jopping〉のことはあんまりよくわからなくてですね。いまだに「で、結局〈Jopping〉ってなんだったの?」と思ってる節はあります。マークのラップは500回くらい聞いたけど……。今回ひさびさにEPを聴き直してみて、やっぱり〈Super Car〉が一番かっこいいなと思いました。

 

▲〈Jopping〉MV

 

▲〈Super Car〉音源

 

 正規1集『Super One』の発売に先駆けて公開されたタイトル曲〈100〉も、これまたあんまりよくわかりませんでした。〈Jopping〉と同じ種類のわからなさだったから逆に安心感がある……といえばある。

 

 この場合の「わからない」は単純に自分の好みではない、という意味で使ってます。おそらくSuperM陣営がゴリゴリに意識しているであろうアベンジャーズでたとえて言うなら、アベンジャーズは面白くて好きだけど、世界観とか美術面で好きかと問われたら別にそうでもない、というのと同じ感じのわからなさ。

 

 〈Jopping〉も〈100〉も近未来へのこだわりは感じるし、We're the futureの体現としては正しいのかもしれない。その「近未来」表現がわたしに刺さらないだけの話……だと思います。

 

▲〈100〉MV

 

 ちなみに〈With You〉がめちゃくちゃ好きなので配信されるのはうれしいです。

 

▲ウイルス(不可視)をバット(物理)で倒そうとするテヨンがかわいい〈With You〉

 

 

その他『Super One』関連のこと

 

 ちょこちょこコンテンツが公開されてきているのでそのへんの話も。

 

▲〈TAEYONG Says〉

 

 公開されたときに携帯を投げたやつ。テヨンはかっこいい。それは間違いないんですけど、このシリーズは全体的に「こちら側のまなざし」が内包されている感じがしていたたまれなくて……アイドルのコンテンツなんて多寡はあれど「まなざし」が内包されてるのは当たり前だし考えすぎるなよと言われれば何も言えないけど、わたしにはちょっとダメージが大きかった。でもテヨンはかっこいいのは間違いない。

 

 テヨンがかっこいいといえば、忘れてはならないこのビジュアル。

 

 カラフルな髪色とかオッドアイとか、には言うほど心を動かされないけど(よくそれでK-POPのオタクに……)、なんといっても1枚めの睫毛の影の気合いの入れ方にときめきました。右目には全く光が当たってないところ含めていい。「この"顔"を撮る」という気概が感じられていい。

 でも、本当にこれだけは言わせてほしいんだけど、SMって今車にハマってるんですか? 右見ても左見てもカーレイサー的なビジュアルとか車の出てくるMVとか、どこかに車萌えの人が潜り込んだとしか思えないんですけど……車が悪いとは言わないからもう少しバレないように小出しにしてはどうでしょうか。以上、SMには一生届かないであろう提案でした。

 

 Beyond LIVEで披露された虎がめちゃくちゃ駆け抜けてくる曲がかなり好みだったので、まだ公開されていない収録曲群に期待しつつリリースを待とうと思います。

 

 

ミュージカル『生きる』市村正親ver.

 

STORY

役所の市民課の課長・渡辺勘治(市村正親)は、早くに妻を亡くし、息子の光男(市原隼人)とその妻・一枝(唯月ふうか)と同居して生活していた。そんなある日、渡辺は自身に胃がんが見つかり、余命半年であることを知る。自らの人生を振り返り、意味あることを何一つ成し遂げていないことに気が付いた渡辺は、現実逃避するため大金を手に夜の街へと繰り出す。居酒屋で出会った売れない小説家(小西遼生)から誘われ、2人は盛り場をはしごするが、渡辺の心は晴れずむなしさが募るだけだった。
翌日、役所の同僚である小田切とよ(May’n)が渡辺のもとを訪ねてくる。渡辺はとよの明るさ、生命力に惹かれ、自分の人生になかったものを見いだす。そしてついに、渡辺は市民が求めていた公園の建設を成し遂げようと思い立つ。

 

感想

小説家役の小西くんが見れればいいか、とそこまで期待せずに見たら存外いいミュージカルでした。タイトルやあらすじでしんみりした感じなのかな……という先入観があって、あんまり食指動かないな〜とか言っててすみません。

 

描かれるテーマについては真新しいものではない(そもそも原作が70年くらい前の作品だから当たり前なんですが)けれど、それを彩る楽曲群がすごくいいです。生きていく希望を見つける、という全体のテーマに合わせているのか、前向きな印象を受ける曲が多くて、聴いてて気持ちがいい。

 

ミュージカルってその他に多少粗があったとしても「これさえ聴けたらもう満足できる」って思えるナンバーがあると強い=リピートしたくなる作品だな、と個人的に思っています*1。渡辺が公園をつくることを決意するソロ(曲目がわからないけどCDのクレジット見る限り〈2度目の誕生日〉かな?)はそれにあたるナンバー。曲もいいし、なにより市村正親がうまい。技術面はもちろんのこと、感情の乗せ方がとにかくすごすぎる。ミュージカルで見るのは初めてだったけど、彼がこれだけ長く愛されてる理由がわかる。完全に劇場で見たいやつです。うさぎもかわいいし……

 

小西くん演じる小説家は最初こそ狂言回しの役回りを担ってて渡辺をガイドしてるけど、途中からは逆に(それこそ「人生の主人にな」った)渡辺に突き動かされて巻き込まれる立場になっていくんですよね。たぶん渡辺の息子・光男と同じくらいの年齢設定なのかな? なんとなく光男に対して敵対心を持ってそうなさまがちょっとかわいい。真面目に生きてきて正攻法しか知らない渡辺を、正攻法じゃどうにもならない世の中を知ってるからこそ裏で手を回して、でもそれを渡辺には言わない小説家〜〜! 渡辺との出会いが小説家の生き方も変えてしまったのかもしれないと思うとドキドキします。これぞボーイ・ミーツ・ボーイの醍醐味……(どちらもボーイではないですが)

 

ミュージカルおたくの中でやたら好感度の高い印象のある唯月ふうかちゃんは出番こそ少ないんですがそのちょこっとの出番でもめちゃくちゃかわいくて、うっかり好きになってしまいました。恋……?濃ゆいピンクの衣装がかわいくてかわいくて……VSホリプロ戦、常に負けています。

 

日本オリジナルミュージカルを作ろうと頑張っている印象が強いホリプロ、『生きる』を見たらうまくいってほしいな〜という気持ちがより一層強くなりました。海外ミュージカルはもちろん好きですけど、やっぱりオリジナルキャストになれる機会の有無って大きいだろうし。観客としては文化的背景をインストールしなくても直感で「わかる」ミュージカルがあるともっと楽しいのかな〜と思うし。今ちょうどミュージカルクリエイタープロジェクトの募集中なので、今後の動向もちょっと気にしてます。

 

10月の再演、市原隼人*2の役柄を村井くんが演じるのが気になっているので見にいくかも。村井くんが演じるの、わかるけどわからない……そう思わせる村井くんは不思議な役者です。昨今の状況を鑑みるとどうなるのかというところではありますが、無事開催されることを祈って。

 

 

*1:エリザベートは〈私だけに〉〈最後のダンス〉で2曲あるからその点めっちゃ強い

*2:市原隼人は今も昔もかわいいと思います

『NCT #127 Neo Zone:The Final Round - The 2nd Album Repackage』活動アーカイブ

 DREAMとイリチルのBeyond LIVE感想を書かないまま日が過ぎてしまっているのですが、イリチルのリパケが無事*1リリースされて活動期間に入ったので、細々と(しかし大いにわたしの感想を挟みつつ)映像アーカイブを残していきます。ちなみに絶賛活動中なので随時追加していきます!

 視覚的にも聴覚的にも前回の〈Kick It〉の方がインパクトはあったかな、とは思いますが、個人的には曲としてめちゃくちゃ好きです、〈Punch〉。

 

【KBS】Music Bank

0522

  • 編集版

  • K-Choreo

  • Interview

 

 記念すべき初披露! 個人的にはこのテヨンの裸ハーネスがどうも受け入れ難くて見るたびに泣いてしまうけど、レーザーでボクシングのリングを表現するのが2.5次元舞台を彷彿とさせて懐かしい気持ちになりました。ドヨンがアカペラで歌う〈Make Your Day〉を聴いているときのテヨンがかわいいインタビューも一緒にどうぞ。ていうかインタビューのときはインナー着てるじゃん……

 

MBC】Show! Music Core

0523

  • 編集版

  • 全体Cam

 

 うまちゅんで着てるのはMVやティザーで着ていたホグワーツジャケット*2とは逆の配色のジャケットなのかな?沈む世界を救うために立ち上がってそうなのは断然ドヨンとテヨン。正確に言えばドヨンは父親への反発心が、テヨンは母親の愛情の欠乏が強く出るタイプのルドルフって感じ。

 

 〈Punch〉のヘアメイクは、キラキラがポイントづかいされててとってもカワイイ。テイルさんのもみあげに沿わされるラインストーン(かな?)を見たときは思わず膝を打ちました。その手があったか〜、と。

 

 ところでこの日のテヨンの自撮り4枚セットがかわいかったので見てください。キヨキヨギャルじゃん。

 

【SBS】Inkigayo

0524

  • 編集版

  • Full Cam

 

 ジェヒョンの顔の力に圧倒的信頼を寄せているインガのことを信頼しています。〈The Final Round〉自体、コンセプトを全うしているイントロですごく好きなのだけど、この日のインガは格別に好きです。ゲームを起動したときのようなわくわく感がある。王者の椅子から立ち上がるジェヒョン……。

 

 これは余談ですが、「KPOPのアイドルたちってアニメや漫画のキャラクターのようにまなざされてるんじゃないか?」というところをこの頃うっすらと考えていたので、そんな彼らがゲームのキャラクターを演じているのは偶然の一致というかなんというか。

 

 衣装もこのカーレイサー衣装が一番好き。ちょっとオーバーシルエットになることで〈Punch〉の振りが映える気がする。個人的には、前回の〈Kick It〉に引き続き、マークのダンスがお気に入りでついつい見てしまうんですよね……。マークって圧倒的に少年漫画の主人公(相手の力を無効化してしまうタイプの)だと思っていて、そういう彼の性質とこの2作のコンセプトとの調和が心地よいのかもしれません。テヨンは一旦捌けるところまでの振りが好きだな〜と思って見てたけど、ここにきて振りを少し変更してきたり、どんどん〈Punch〉にハマってきてるような気がしています。

 

 フェイスカムを考案した人へ:お歳暮で高級ハム贈るからDMで住所教えてください。

 

 この日はパフォーマンス以外のところでもメンバーみんながめちゃくちゃかわいかった……

 

Dingo

0523

  • 100sec choreography

 

 〈Regular〉冒頭のテヨンと悠太くんがかわいくて、起床即視聴即、泣きました。ユキテキフォーエバー……しかしこのスタイリングだとめちゃくちゃ門真*3のヤンキーだな悠太くん……そんな悠太くんのことが好きです。

 

 

Love Music

0525

 公式の映像がないので、公式Twitterの動画でお茶を濁します。MVの未公開映像(だと思う)にせよ、日本の地上波でイリチルのパフォーマンスを見られることが嬉しい。この頃は日本公式Twitterもよく稼働してるし、何かあったんでしょうか?

 本当に個人的な話ですが、この日早めに寝たら25時半くらいに目覚めてしまい、目も冴えてしまったことだしLove Music見るか……と再生したらにこにこコメントしてるテヨンの姿を見てお餅もびっくりなくらい顔が溶けてしまいました。この頃テヨン見ると笑顔が止まらなくなっている自覚があり、もしやわたしも自粛生活で精神がおかしくなっているのか???

 

 

*1:まあいろいろありましたけど、わたしは件の報道に関して当人へは「気をつけな〜」以外に言うことがないと思っています

*2:ハリーポッター関連のピンバッヂがついていたので

*3:発音は「か→ど↑ま↓」

Beyond LIVE『WayV - Beyond the Vision』

5/3(日)@(任意の場所)

 

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SET LIST

  1. Take Off
  2. Love Talk(Eng ver.)
  3. Regular
  4. Yeah Yeah Yeah
  5. Lovely(Dance cover/Ten,Winwin)
  6. Red Bean(cover/Kun,Xiaojun)
  7. Face to Face(Kun,Ten,Xiaojun)
  8. King of Hearts(Winwin,Lucas,Hendery,Yangyang)
  9. Say It
  10. Come Back
  11. Moonwalk
  12. Dream Launch
  13. [New Song]
  14. Let Me Love You

 

感想

 威神Vをちゃんと知ろうと思ったのはつい最近のことだから*1、メンバーの顔と名前が一致して、曲もひと通り聴いた、くらいの状態だ。そんな、浅瀬どころか「高速バスの窓から遠くの方に海が見えてきた」程度の人間から見ても、彼らの確かな実力と魅力が十分すぎるほど伝わってきた。そしてなにより、彼らを愛おしく思わざるをえない2時間半だった。

 

 客席にネギが植えられてたり、冒頭の空から降る1億のネギだったり……はちょっと笑ってしまったけど、パフォーマンスは文句なしにかっこよかった。威神の子たちを見ていると、宇宙法則をねじ曲げらるような不思議なパワーを持ってそうだな、と思う。重力とか操れそうだし宙に浮いてそうなのに、その5秒後には和気あいあいとじゃれあっている。幼いうちに超能力が覚醒した、しかるべき機関に集められて育った旧知の仲間……みたいな、小説でよくある設定がしっくりくるグループ、それが威神V(という認識)。

 

 いくら「ヤンヤンサンカワイイ」の気持ちで臨んでも、やっぱり見てしまうテンさんのダンス。BDS信者だから贔屓目も多少あるだろうけど、それを抜きにしたってすごい。〈Lovely〉がきたときには流石に叫んだ。

 

 

 〈Lovely〉に限らず、〜〈King of Hearts〉のユニットタイムはメンバーそれぞれの持ち味を堪能できて、よかった。〈King of Hearts〉の楽屋からはじまる感じは普通のコンサートだとやらない演出だろうな……とか、#Honey Butterfly*2を思い出して懐かしくなったりとか、SuperMに引き続き今回も絶妙に映り込んでくるコカコーラで笑ってしまったりとか。やっぱり協賛:コカコーラなの???

 

 ところで、〈Red Bean〉と〈Face to Face〉を歌うクン哥を見ていたら、自然と「結納」のふた文字が浮かんできた。「ヤンヤンサンカワイイ」とか「テンさんのダンスは最高」とか言っときながら、最終的にクン哥のことを好きになってしまうのかもしれない。そんな予感で胸がいっぱいになった。珍しく妄言を吐きました。

 

▲「ヤンヤンサンカワイイ」と「結納」を同時に感じられる動画

 

 わたしは威神のかっこいい曲も好きだけど、「威神、いい!」と思ったきっかけは〈Let Me Love You〉のSelf-Filmed MVだった。個人的にアイドルに求めてるものが全て詰まっているから、問答無用で見てほしい。

 

 

 この曲がラストに披露されるのを見て、胸がぎゅっとなってしまった。コンサートの本編ラストとかECで披露される曲がとにかく大好きなのだ……ここに骨を埋めたいって思える瞬間だから……

 

 今回はビデオ通話でのQ&Aもかなりスムーズに進行していたし*3、先週のフィードバックがかなり活かされているんだなという印象を受けた。ビデオトーク参加者にはライブ終了後にかなりしっかりめのフィードバックを求められたようだし、そのへんの仕事はめちゃくちゃ速くてすごい。

 

 Q&A参加者がメンバーにとても素敵な言葉をかけていて*4、それを受けて思わず泣いてしまったルーカス*5を見たら、外様なりに威神とそのファンひっくるめてみんな愛おしくなった。あのオタク、めちゃくちゃいいオタクだから大往生できると思う。仏教じゃなかったらごめん。

 

 周辺事情に疎いから、なぜ彼らがまともに舞台でパフォーマンスする機会を持てなかったのかはよく知らないけれど、こんなのめちゃくちゃもったいないし、今後しっかり活動させてあげてほしい。ルーカスの涙もそもそもの原因はそこなんだろうし。威神になかなか手を出さなかった一因に「どう活動してるのかよくわからんな……」というのもあったからこそ余計に思う。

 

 とりあえずは新曲がかなり好きな感じだったからカムバを心待ちにすることにします。来週はDREAMだ〜〜

 

 

 

*1:ヤンヤンは高価な靴を集めるのが好き」という情報で急に気になってしまった

*2:中島健人の名作ソロコンサート

*3:叫び厨みたいなのはいたけど……

*4:中国語さっぱりなので誰かの日本語訳を見ただけだけど

*5:「ルーカスは全世界の甥っ子」と言い続けることにしています

Beyond LIVE『SuperM - Beyond The Future』

 

4/26(日)@(任意の場所)

 

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 COVID-19の影響でアイドル(だけではないけれども)のオフライン活動が制限される中、SMエンタが打ち出したのは無観客のコンサート配信、Beyond LIVE。他の無観客コンサートと何が違うんだ……とプレスリリースを読んでみたところ、

 

‘Beyond LIVE’とは無観客の中、今までにない技術を使った演出やデジタルペンライト、そしてオンライン上でアーティストとリアルタイムでコミュニケーションを取ることが出来る等、同時に全世界をつなぐ今までのライブ配信とは一味違ったものとなっています。

ユニバーサルミュージック公式サイト

 

 だそうです。AR演出と観客とのコミュニケーションあたりがBeyond要素なんだろうな、ととりあえず理解はした。

 そんなBeyond LIVEはSuperMを皮切りに、WayV、NCT127、NCT DREAMと、4週連続SM春のネオシティまつりの様相を帯びている。SuperM以外NCTやないか!って言いつつも毎週見る予定。なぜなら僕は民草だから。

 

 色々なエンタメが無料配信されることが多くてありがたいと思う反面、若干もやもやしてるところがあったから、課金制でよかった。無料配信が悪だとは言わないけど、エンタメだって労働だし、労働には対価を払うべきでしょう。あまりにもお金が欲しすぎてしっかりきっちり1分単位で残業代申請してる身だから余計にそう思うのかもしれない。KANEKURE!!!*1

 

SET LIST

  1. I Can't Stand The Rain
  2. GTA(Taeyong)
  3. Dream In A Dream(Ten)
  4. New Heroes(Ten)
  5. Move(Taemin)
  6. Want(Taemin)
  7. Super Car
  8. Bass Go Boom(Lucas)
  9. Betcha(Baekhyun)
  10. UN.village(Baekhyun)
  11. Highlight Medley
  12. Tiger
  13. 2 Fast
  14. Baby Don't Stop(Taeyong,Ten)
  15. Talk About(Mark)
  16. Confession(Kai)
  17. Spoiler(Kai)
  18. No Manners
  19. Jopping

 

感想

 SuperMの活動を全然追ってなかったからかもしれないけど、新鮮に楽しめた。特にソロステージにはとてつもないパワーがあって、それぞれパフォーマンス力がある人たちが集まったのがSuperMなんだな、というのをしみじみと感じた。七者七様の求心力があって面白いし、いろんなことを傍にのけておけばSuperMのコンサートは楽しいものなのだと思う。

 わたしはテヨンペンだから、ぬいぐるみを抱えたテヨンがショッピングカートに入って登場した*2時点で「あ、ここまででチケット代の元取れたな」とすら思った。まだ2曲目なのに。というか今のビジュアルが本当に好きで好きでたまらない。ピンク髪自体もヘアスタイルも本当にかわいいし、金髪テンさんとのビジュアルの相性もすこぶるよくて、このビジュアルのBDSは神の采配かと思った。見た目もダンスも全然似てないのに双子に見える不思議なコンビ、テテン。もっとこのコンビで活動させてほしい。

 

▲テンさんの髪の跳ね具合からして最高

 

 テヨン以外で最も目を引いたのはカイくん。あんまり長い間見ているとうっかり好きになってしまうかもしれない、と思ってちょっと目を伏せた。そもそも見た目が好きなのに、あんな風に踊られたら困る。好きになったらやばいタイプな気がするし、せめてスーツだけは規制してほしかった。 

▲わたしはダンス担なんだよ!!!って泣きながら見たDance Practice

 

 ちなみにデジタル連番*3をしていた友人はマークペンで、マークソロが始まった途端返答が途絶え、かわりにスクリーンショットを連写する音だけが聞こえてきた。もはやそっちにウケてしまってマークソロを冷静に見られなかった。愛は人を狂わせるのかもしれない。

 

 コンサートも舞台もやっぱり現場に出向かないことにはなあ、と考えている今日このごろだったから期待半分・不安半分の心持ちで臨んだけれど、「配信」という形態だからこその演出が映える、よいライブ体験になったと思う。新しい試みで手探りな面は確かにあったものの、そのあたりは今後ブラッシュアップされていくんじゃないかな(幸か不幸か無観客形式のライブは今後まだまだ続く気がするし)。ファンとのオンライン交流タイムに関して特に賛否両論あるんだろうけど、個人的にはテミンさんの日本語能力にいちいち「かっこいい!!!」ってわいわいやってるSuperMの面々、みたいなほっこりタイムに癒されたからまあナシではないかな……。背景に大量のファンが写し出される光景は多少怖いけど。少年倶楽部の番協と張れる。

 というかSuperMって、もしかしなくてもぽや〜んとしてる子が多くてツッコミ不在の集団ですか? ずっと平和でかわいいけど。その中で話を回してたベッキョンさんは本当にお疲れさまでした。

 

 新曲のハイライトメドレーやTigerを見る限り、次のカムバはデビューEPよりも好みな感じがするし期待を寄せつつ、やっぱりはやく無観客じゃないコンサートが出来るといいな、と願っております。

 

 

 

*1:

*2:自分の願望が見せた幻じゃないことを祈る

*3:通話をつないでいただけです

ドラマ『화이트 크리스마스 /ホワイトクリスマス』

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STORY

上位 0.1%だけが入れる入試名門私立スシン高校。1年間で唯一の休憩時間、8日間の冬休みが始まる。
皆騒ぎながら学校を出るが発信者の分からない疑問の手紙が届き7名の学生たちが残る。一方、交通事故に遭った精神科医師キム・ヨハンはスシン高にたどり着き助けを求める。数十年ぶりの大雪で学校は外部から完全に遮断され生徒たちは手紙の主人公を探しに出るのだが…

 

CAST

  • キム・サンギョン:キム・ヨハン
  • ペク・ソンヒョン :パク・ムヨル
  • キム・ヨングァン:チョ・ヨンジェ
  • イ・スヒョク:ユンス
  • ソンジュン:チェ・チフン
  • キム・ウビン:カン・ミル
  • ホン・ジョンヒョン :イ・ジェギュ
  • クァク・ジョンウク:ヤン・ガンモ
  • イ・ソム:イ・ウンソン

 

感想

 前回のエントリでも少し触れたドラマ『ホワイトクリスマス』(全8話)を完走した。キャラクター萌え・俳優萌え視点*1でも存分に楽しめるうえに、題材的にも楽しんで見られる、よくできたドラマ。もとはもう少し長い作品の予定だったのを無理に8話におさめたということで、若干の駆け足感には目を瞑りたい。

 

主題

 連続殺人犯・ヨハンがスシン高校でおこなう“実験“、「〈怪物〉は、〈悪〉は生まれつきのものなのか、それとも後天的につくられるものなのか?」──これがそのまま主題になる。“実験”の結果は、最終話で高校生らが選んだ行動で示される。皆から〈天使〉と呼ばれていたユンスは〈悪〉の卵が孵ることを拒否して自死するが、残り7人はヨハンを殺す=彼らの〈悪〉の卵は孵ってしまった。つまり、〈悪〉はつくられるものである。でQ.E.D.だ。

 人間は環境によってつくられる、と信じているから、この結末に納得はする。しかし、彼らに対してかなりの愛情を持ってしまった身としては、やはりショックだったことは間違いない。*2

 彼らの〈悪〉の卵は彼らの置かれる環境下でもともと育っていたもので、彼らは(意識的かどうかは置いておくにしても)それを孵さないように踏みとどまっていたはずなのに、刺激を与えて孵るように仕向けた(しかも自分が赦されたいがために)ヨハンの罪は重い。悪いのはヨハン。高校生たちは悪くない。憤怒。

 

 『ホワイトクリスマス』を見て映画『ファイ』*3を思い出したのだけど、ログを遡っていたらそもそも『ファイ』を見てひとりで盛り上がっていたところに「絶対見てほしい」って言われたのがこの『ホワイトクリスマス』だった。わたしは悪だの罪だので揺れてる人間を見るのが本当に好きなんだと思う。

 

 

音楽

 挿入歌もとてもよい。音楽のセンス(曲そのものと挿入のタイミング)が好みの作品はいい作品*4なのだ。DVDを貸してくれたAOさんに共有してもらったプレイリスト(いたれりつくせりすぎる)を聴く感じ、韓ドラでよくある「ドラマのためにいろんなアーティストを集めて曲をつくりました」なOSTではなく、既存曲、しかも少し古い洋楽が多く採用されているらしい。これがまた違和感なくマッチする。

 残念ながら、個人的に一番印象的だった曲はサブスク配信されていない*5のだけれど、KBSの公式アカウントがYouTubeでドラマ全編を配信している*6ので、該当シーンを貼っておく。

 

 5:23〜流れているのが、흐른の「그렇습니까」という曲。DVDで字幕がついていた歌詞を書き出しておく。

目を合わせたいし手もつなぎたい

君の肩と唇に触れたい

話をしたいしいろんな事を聞きたい

散歩は好きか 映画を観るのは好きか

昨日どんな夢を見たのかも知りたい

一晩中踊って 一緒にビールを飲みながら話がしたいのに

 ウンソンを想うガンモの心情と重なってグッとくる。「ムヨルといるウンソンの姿が一番好きだったから自分の気持ちを伝えなかった」と語るドルオタの鑑みたいなガンモ。盗撮自体は気持ち悪い行為ではあるけど、ガンモがウンソンに対して抱いていた気持ちはとても美しいものだったと思う。なんなら劇中で一番美しい気持ちだった。他の子たちの感情はだいたい歪だから。

 

キャラクター

ムヨル

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▲日本でいえば高橋一生的なイメージ

 

 親子関係、障害、学生生活……と、要因はそれぞれにせよ、皆がどこか歪なものを抱えている中で、いちばん歪さを感じたのが主人公のムヨル。正確に言えば、自らの歪みを悟っていながらも、それを徹底的に真っ直ぐに矯正しようとしていたように見えた。その根っこには「母親を犠牲にして生き残った」という罪の意識があり、彼の生き方はいわゆる贖罪のようなものだったのだろう。「正しくあらねば」という強迫観念は彼の人格にあまりにも根を張ってしまっていたから、それが取り払われたら危ういのだ。

 ヨハンはそれをわかっていたからこそ、ムヨルの〈悪〉の露出にいちばん期待していたし、実際、あの悪夢のような結末はムヨル先導で引き起こされたものだ。「どんなことをしても生き残れ」という父親からの言葉がトリガーになってしまったのだろうか。個人的にはムヨルにそこまで思い入れはない*7のだけど、彼が主人公に据えられるのは納得がいく。

 

ヨンジェ

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 ヨンジェの歪み方が好き。全編通していらないことしかしない・うるさい・嫌なやつ・愚かで、「いくら見た目がキム・ヨングァンでもちょっと無理」とは思うけれど、彼の本質は弱さにあり、本当は皆から愛されたいのに傷つくのが怖くて暴れてしまう子(しかもそれが母親から受けた虐待のせい)、というベタな設定によって愛しさに転化してしまうからずるい。

 面談時にじっとヨハンを見つめる表情を見ていると、この子はこういう顔で母親の機嫌を窺っていたのかもしれないな、とたまらない気持ちになる。チフンが殺されるきっかけを作ったのは自分なんだ、という罪の意識に苛まれる表情や、ウンソンへの歪んだ感情の吐露といった、彼の本質が垣間見える瞬間にどうしようもなく愛おしくなる。チフン死亡*8に関しては、罪の意識をどうしたらいいかわからなくて暴れてしまうヨンジェと、ひとり静かに抱え込むガンモの対比もよかった。

 ヨハンは全てを壊してしまったけれど、その一方で、強制的に自分の弱さを皆に見せることになって、もしかしたらヨンジェは少し救われたのかもしれない。心からの笑顔で皆の輪の中に入っていけたのはあれが初めてなんじゃないかと思うし。

 

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▲ビハインドだと思うのだけど、めっちゃくちゃかわいいので共有です。

 

チフン

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▲わたしはチフンがいちばん好きです。

 

 クラスメイトの顔や名前すら覚えず、常に理性で動く孤高の天才かと思いきや、実は「前頭葉に障害があって感情の伝達が苦手」という事実が明かされるチフン。彼にはそれ以外に闇は見当たらない(そもそも前頭葉の障害を彼の闇と呼んでいいのかすらわからない)のだから、巻き込まれ事故としか言いようがない。彼の存在自体が周囲にとってはプレッシャーで、無意識に劣等感製造マシーンになっていたとはいえ、彼自身に罪はないはずなのに何度も死にかけていて不憫。チフンがヨハンに面談されないのも彼に大した闇がないからだと思う。

 どんなことが起きても基本的に冷静なチフンが唯一心を乱したのが、ジェギュの「ごめん」という言葉に対してだったというのが個人的に胸熱だった。ジェギュは(周囲を歯牙にもかけないいけすかない人間だと思っていたチフンがそんなに悪いやつではなかったということに気づいているので余計に)自分が手紙を送ったせいでこんな状況に巻き込んでしまったことに関して謝罪の言葉を口にしたのだけど、たぶんチフンは「なぜジェギュが謝るのか」というのが理解できなくて困惑したのだと思う。チフンは感情が理解できないけれど、人間の行動についてはある程度予測をたてられるはずなのに。

 惨劇脱出後、ちょっと仲良くなったチフンとジェギュのほのぼ日常二次創作読みたいなとか思ってたわけですこの時点では。お昼ごはん一緒に食べない?っておずおず声かけるジェギュと別に断る理由もないから一緒に食べるチフンとか見たかったじゃん。そんなほのぼのな感じにはもうなれないじゃん。学校脱出後に皆からギプスに寄せ書きされたり、ムヨルのたんこぶを触ろうとしたりする姿を本当に微笑ましく見てたんだこっちは。やっぱりヨハンのことを許さない。

 

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 チフンが好きなだけでソンジュンに興味があるわけではないなと思ってたけど、モデル仕事を見てたら好きな気がしてきた。片方の口角を上げて笑う仕草、オールウェイズマイフェイバリットビヘイバー。

 

ミル

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 ミルにはそもそも手紙が届いていない。ユンスがミルに着せた濡れ衣のせいで退学になるかもしれないことに怒って学校に忍び込んでいただけだったのに巻き込まれてしまった、いや、巻き込まれにいった。そういう星のもとに生まれた男がミルなのかもしれない。

 異分子であるはずのミルが、まるでヒーローかのようにピンチの場面にあらわれる。人が成し得ないことをやってしまえるという点でも、作中で最もヒロイックなのはミルだった。本当にそれを望んでいたのはムヨルだったけれど。「狂ってる」と揶揄されはするけれど、ミルの存在は基本的に太陽だと思う。そんな彼までが〈悪〉に絡めとられてしまうのが悲しい。ミルの場合はストーカー女がトリガーだったのかなと思うと謎の悔しさがある。

 

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▲これ本当にかわいい

 

ユンス

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 本当に〈天使〉になってしまったのね。

 

 

 

余談

 キリスト教的世界観を意識してつくっているのかなと思わせる設定が多々見受けられた。目についたものを挙げてみる。

 

  • 舞台設定:クリスマス
  • それぞれに罪を背負った7人の子供たち(※)=七つの大罪っぽい
  • 精神科医の名前が「ヨハン」=ヨハネ
  • ヨハンの支配下での食事風景:『最後の晩餐』の絵面っぽい

 

 「罪を背負うのが7人の子供」というのは、本当は先生も手紙を受け取っているから微妙かなとも思うし、なんならミルが(予想外に)あらわれてしまうけれども。でもまあほら、結局のところヨハンは自分の罪を赦されたかったわけだから、子供たちは生贄の子羊だったと言えなくもないし。ストーカー女(ストーカー女と呼んでたらついに名前を覚えられなかった……)もマグダラのマリアっぽいような気もするし。キリスト教のことなんにも知らないから思いつきでしゃべってるけど。

 

 

*1:つまりわたしのことです

*2:特にユンスは薬でラリってただけ、チフンはただ存在してただけで、大した罪を犯したわけでもないのにね……

*3:ヨ・ジングが本当にかわいい

*4:主に豊田利晃の話をしています

*5:どころかデジタル配信すらされてなさそう

*6:たぶん公式……字幕はないです

*7:キャラ萌え的なものがない

*8:勘違い