夢と現実いったりきたり

NCT STADIUM LIVE 'NCT NATION:To The World-in Japan'

@味の素スタジアム

 

 

超・私的感情総括

 NCTに対する熱量はおだやかにゆるやかに続いているという感じだったし、イリチルの単独じゃないし、屋根のない会場での長時間ライブに耐えられる自信がないし、という理由で今回はひと公演のみの参加。終わってみると本当に楽しくて、もっとちゃんと行っておけばよかったかな? と一瞬思ったのだけど、複数公演入っていたらどこかで体調を崩していただろうなというハードさだったのでいい判断だったと思う。東京公演1日目は個人的な事情で立ってられない座ってられない歩行も不可能! みたいな状況だったので(この話も同じ状況に陥った人のためにいつか残しておきたいんだけど……病気ではあるけど重病とかではないのであしからず)チケットをとったのが2日目でよかった……と心から思った。

 

 とにかく楽しかった! という話はいくらしてもし尽くせないから詳しい感想は割愛するとして(わたしが入った公演はU-NEXTで配信されているし!)、Misfitの盛り上がりを現場で体感できたこと、PADOのテヨンのパフォーマンスをちゃんと見られたことが自分の生涯にわたる財産になったと思う。これからの人生何度もふいに思い出してまた抱きしめることになるであろう宝物みたいな記憶がまた増えたことがうれしい。こういうことの蓄積で人間は豊かになるんだと信じているのです。

 席がステージ構成的に不安しかないアリーナ後方で、ステージが全く見えない可能性も覚悟していたので、近い方のサイドステージ(上手)でテヨンがPADOをパフォーマンスしてくれたのが本当にうれしかった。メンバーも言っていたようにPADOのコレオはすごくテヨンに合っていて、絶対にしっかり見たいと思っていたパフォーマンスだったから、その一曲がいちばんストレスなく見られる状況だったのは不幸中の幸いだった。噛み締めながら、見逃しのないように見た。

 

 誰かと比較して、という話ではなく、自分の中ではいちばんかっこよくてかわいくてやさしくて輝いているのがテヨンだなという思いをあらたにした。現場のたびに思ってるし、この数年のあいだその気持ちが色褪せることがないから、やっぱりここがアイドルを推す自我の「終の住処」なんだろうか……と不思議な気持ちになる。ECでトロッコに乗って、ときおりファンサービスをしながらもしみじみと客席を眺めていたテヨンの表情が焼きついている。この人はこうやって愛にあふれた目でわたしたちを見てくれるんだから(もちろんわたしの主観でしかないのだが)わたしも愛で返さないと仁義が廃るなと思うのだった。人間が最後まで諦めてはならないものは愛とやさしさなんですねえ。

 

 初めてテヨンを生で見た2019年のファンミーティングのときに、《眠っている小さな王子さまを見て、こんなに胸がいっぱいになるのは、王子さまに、一輪の花への誠実さがあるからだ。王子さまのなかで、眠っていてもなおランプの炎のように光を放っているのは、そのバラの花の面影なんだ》という『星の王子さま』の一節が自分ごととして入ってきて、それ以来わたしの中でテヨンをあらわす一節だと思っている。あのときから4年の月日が流れて、多かれ少なかれ変わったところもあるだろうに、やっぱり思い浮かんでくるのはこの一節だった。ただ、「胸がいっぱいに」なった結果、「傷つくことがないように真綿にくるまれてほしい」と庇護欲という名の傲慢な願いを爆発させていた2019年から、「もらった愛とやさしさをわたしも返していきたい」というところに行き着いたのは目に見えた(自分自身の)成長なんじゃないかと思う。テヨンに……というだけでなくて、もっとひろい意味で愛とやさしさを還元していきたいよね、という。行動の指針にまで影響を及ぼす(しかもはたちをとうに越えた大人が、である)って相当なパワーで、「わたしの人生を変えた人」リストがあったら確実にリストインしてくるね。イリチル単コンを切実に待っています。

 

 他メンバーについて、これだけは書いておきたいので書いておく。テンさんのパフォーマンスが最高で、ダンスの神の化身が舞い降りたのかと思った。テテンが好きなのわかりやすいよね本当に……。全然ちがうスタイルで踊るのに似たオーラがあるふたりだと思う。

 

 

記録

準備したもの

 夏のスタジアム公演ということで、念には念をといろいろ準備していったので備忘録。前述の通り個人的な事情で公演の少し前までバタバタしていて、前日〜当日朝くらいに急遽準備したものも多かったので、もうちょっとなんとかなったかなあと思う。

 

鑑賞編

防振双眼鏡

普段づかい(劇場でお芝居を観るとき用)の双眼鏡はビクセンのアリーナM6×21という6倍の低倍率の双眼鏡。京セラドームのビスタからでもこの双眼鏡でまあまあ満足できたような人間とはいえ、今回はさすがに厳しいだろうということで、初めて防振を持っていくことにした。といってもなかなか使う機会のないものなので購入せず、レンタルを利用。今回レンタルした防振双眼鏡はケンコー 防振双眼鏡 VC スマート 14×30。「ゲオあれこれレンタル」の3泊4日レンタルで5,380円。

正直、アリーナ後方からだとそもそもステージがうまく見えない可能性もあるし……と少し迷ったけど、持っていって大正解だった。これがなかったら満足度は天地の差だったと思う。Hブロックという後方も後方のブロックだったけど、ピントが合いさえすれば綺麗に見えた。ただものすごく重いので、全編双眼鏡で見るのは絶対に無理だし、とにかく首がこるのが難点。

 

スポーツサンダル

普通の靴じゃ耐えられなさそうだな、と思って当日朝に駆けずり回って探し出した。この時期になるともうほとんどサンダルを売っていなかったのでデザイン性などは妥協せざるをえなかったけど、そのかわりに半額以下で買えた。適当に買ったやつだったけどあってよかった。足の裏がだいぶ楽。

 

かばん

当日朝に偶然寄ったスタンダードプロダクツの肩掛けサイズのやつ。普段づかいの鞄だと万が一雨が降ったときに困るので、濡れても大丈夫そうで上部がファスナーで閉まるものを選んだ。一応保冷バッグらしいけど、保冷機能がどうなのかは不明。備えすぎて荷物が多くなったのでちょうどいいサイズだった。安いし汚れてもいいやと思えたのもよい点。

 

水分補給編

保冷バッグ

ペットボトルと保冷剤を入れておく用のを100均で。保冷機能がどうなのかは不明。水のペットボトルは現地まわりでは買えない/買うのに時間がかかることを見越して3本持って行った。100均のワンタッチ開閉式のストローキャップに付け替えておいたので、ライブ中の水分補給がしやすかった。本来凍らせておくべきところだけど、当日に買ったから全部液体の状態で持っていった。保冷剤と一緒に入れておいたけど、そこまで冷たさは保てなかったかな。結局消費したのは2本だけだったけど(1本は友達にあげた)、飛田給〜味スタ間を歩くことなくスムーズに行き帰りできたのもあると思うから、たぶん3本くらい持っておく方が安心。水を2本分飲んで5〜6時間はお手洗いに行ってないのに全く尿意を感じなかったことにあとから気づいてぞっとした。油断大敵。

 

男梅キャンディ

塩分を補給できるように。塩タブレットが売ってなかったので、かろうじてあったこれを。

 

暑さ対策編

汗拭きシート

冷感系のやつ。VCRのときとか、あいまあいまにサッと拭いてた。正直汗をかいてる感覚はあんまりなかったんだけど、身体がびっくりするくらいべとついていたので、汗拭きシートがなかったらけっこうしんどかったかも。

 

ハンディファン

これもあいまあいまに使うことがあった。夜になってからはわりと風も吹いてたけど、やっぱり前後左右に人がいるから、ハンディファンで風を作ってあてるだけでもかなり快適度があがった。

 

日傘

普段づかいのWpc.IZAの折りたたみ傘を持っていった。平べったいからマチのないかばんにも入って普段から重宝しています。使ったのはバス待ちのときとバス停〜会場入り口までぐらいだけど、スタンドの一部は開演までずっと日が照っていたので、日傘がないと暑かろう……と思いながら眺めていた。

 

雨対策編

雨ガッパ

予報的にも降りはしないだろうと思っていたものの、天候に絶対はないし、万一降ったときにアリーナだとひとたまりもないので持っていきたい、でもかさばるのも……と悩んでいたところに見つけたのがセリアの携帯用コンパクトレインポンチョ。手のひらサイズなのでかさばらない。ただしふつうの雨ガッパと比べて薄くて小さいので、絶対に降る日には持っていけない感じ。使う機会がなくてよかった。普段づかいのかばんに入れても邪魔にならないから入れておこうと思う。

 

会場までの行き帰り

 飛田給駅〜味スタを徒歩で行くとなると時間がかかりそう、という懸念があったので、調布駅で降りて臨時の直通バスに乗ることに。バス停は想像以上に並んでいたので、飛田給から歩きの方がよかったか……?と迷ったけど、無事に間に合ったし、バスの窓から見えた歩きの人たちの混雑具合は見てるだけで具合が悪くなったので正解だったと思う。

 体感では行列のわりにさくさく進んだ印象だったけど、15:45くらいから並びはじめて16:05くらいに乗れたから、だいたい20分くらいは並んでいたらしい。友人としゃべりながらだったから気にならなかったけど、ひとりだとちょっと長く感じるかも。バスで会場まで20分弱くらいで着いて、余裕でオープニングアクトを待つことができるくらいの時間だった。わたしたちはグッズを買わない・会場ではお手洗いにも行かない・フラッグを探して写真を撮ったりもしない、という最低限のことしかしないスタイルだったから余裕だったけど、会場でいろいろやりたい人は+1〜2時間はみて動かないと難しそう。

 

 帰りは規制退場に捕まると遅くまで出られないブロックというのもあり、泣く泣くメント前で退場してバスで調布駅に向かった。ほぼ待ちなしくらいのスムーズさで乗れたので、ご飯を食べてコーヒーを飲んで終電より前に帰るほどの余裕があった。ただ、これはU-NEXTでのディレイ配信が見られるという前提があったからこそ下せた苦渋の選択なので、本来なら最後までいたかったよ! とは思う。というわけで、ここから先は会場やステージ構成やさまざまなことに文句を言います。

 

文句のパート

 これまでのイリチル単コンやSMTOWNでも思ったことだけど、コンサートのステージ構成がプロの仕事とは思えない。これまではとにかく死角が多すぎるという感じだったけど、今回はそれ以前の問題で、ステージはメインステージとサブステージ(中腹くらいにあって上下に分かれている)のみ、トロッコはEC以外はメイン〜サブの間を移動するのみ、って、スタジアム規模で一律同額を取っておいてやることではないと思った。

 アリーナ後方だと人の頭が被ってメインステージもほぼ見えないのでは……というのが不安だったのだけど、人の頭の隙間から防振で除くことでことなきをえた。もちろん人の合間から見ることになるので、背の低い人だったり前列の人の鑑賞スタイルによっては厳しい場合もあったかもしれないけど、163cmくらいの平均〜少し高めくらいの身長ならある程度は、という感じ。

 これはその人の鑑賞スタイルによるかもしれないけど、わたしはアイドルの無編集のパフォーマンスを自分の目で見るためにコンサートに行っているから、会場に来てまでモニターを見る意味ってなに?と思ってしまうタイプで、今回みたいな複数グループの合同コンサートは許容できるけど、単コンだったら耐えられないかも。

 

 とはいえ、ステージ構成への不満はいったんコンサートが始まってしまえばアイドルたち本人のエネルギーの大きさやセットリストの楽しさで吹き飛んでしまうのでまあいいとして(よくはないが)、最大の問題は音響なわけですよ。最初から最後まで音響が最悪で、歌を聴かせるべきバラードナンバーなんかはこんなの敬意がないじゃんか、と思って悲しくなった。Misfitもすごく楽しかったけどラップは全然聞こえなかったし。メントが全然聞き取れなかったのもつらかった。最後まで残ってたとしても聞き取れなかった可能性があるな……。

 

 メントといえば、イリチルの中MCのときにテヨンが少し間違った日本語を使ったら(おそらく「かわいい」という意味で)笑う観客がいて、それに対してテヨンがなぜ笑うのか、と問い返してきたところで本当に悲しくて申し訳なくてつらくなってしまったのだった。メンバーの日本語がなかなか出てこないときや、伝わりづらい間違いをしたときにだけすっと助け舟を出していたゆうたの姿を思い出して、相手への尊重や思いやりとはそういうことではないのだろうか……と思った。これだけ人がいれば仕方ないんだけど、他のファンと思想やノリが合わない場合、SNSなら対策のしようがあるけど、現地だと目や耳に入ってきてしまうのがつらいところ。アンコール待ちなどで客席のうちわやカンペを映す時間がそもそも苦手なんだけど、そんな言葉をアイドル本人にぶつけないでほしい、と思うような(作った本人はたぶん「面白い」大喜利の回答だと思っていると思うけど)ものが映ったりして、こういうのを強制的に見せられるのは負担だなあ。

 

 文句で終わるんかい、という感じなので、最後にご機嫌な話をして終わりましょう。連番していた友人がジェヒョンのフリスビーを獲得しました。縁起物として、逆さ福のように飾っておくように言っておきました。現場からは以上です。