夢と現実いったりきたり

東北3県どたばた旅行記

 

1泊2日で秋田・青森・宮城の3県をまたぐ旅行をしてきたので記録する。どんな旅程? って感じだけど、2日間で移動時間が6時間以上あったし、それ以外もほとんどずっと歩き通しのかなりタフな旅だった。なお、旅費を安くすますTIPSや東北のお役立ち情報はこのエントリの中にはない。学べるとしたら、ノリと勢いで進めるとこれだけ大変なことになってしまいますよという教訓だけなのであしからず。

 

 

 

経緯

M-1ツアー

過去に何度か「宝塚の全国ツアーにかこつけて地方を観光する」という催しを一緒にやっている友人2人と、今年はM-1ツアーを観に秋田に行こう、ということになった。友人のひとりはもともとお笑いにハマっていたが、今年からわたしも急にハマりだしたためお笑い勢力が過半数を超え、残りの友人も「M-1ツアーは新トップコンビのお披露目みたいなもの」という誘い文句により、ふたつ返事で秋田行きが決定した。それでなくともノリと勢いだけはある我々である。M-1ツアーが土曜日開催だったので、せっかくだから1泊2日で観光しようということになった。

 

問題発生、ねぶたとの出会い

ここで問題が発生する。秋田のホテルが全然とれない。ようやく空きが見つかってもとんでもない値段の部屋しかない。絶対数が少ないのか、ないしは昨今のホテル代高騰の波がここまで……? と思っていたが、M-1ツアーの日程が秋田の竿燈まつりの開催時期に被っているということが判明。それならせっかくだし隣県に足をのばしてみてもいいかも、ということで向かうべき東北の県を吟味しているところに、我々は出会ってしまう。そう、ねぶた祭に。ねぶた祭は言わずと知れた青森のお祭りだが、我々が東北に滞在する期間こそまさにねぶた期間だったのである。

ねぶたの魅力に取り憑かれた我々は「絶対にねぶたが見たい」という気持ちを第一に、青森に宿を取ることを決めた。が、やはり宿は軒並み埋まっている。一縷の望みをかけたあおもり健康ランドの宿泊予約にも惨敗。そうこうしているうちにキャンセルが出たのか、なんとかホテルを見つけて事なきを得た。

青森からの飛行機代も高騰していたので(決めたのが直前だったのもある)どうせだから仙台で牛タンも食べて帰るか、ということで、秋田→青森→宮城の3県またぎどたばたツアーと相成った。無計画に建てて増築を繰り返した家みたいな感じです。

 

移動手段と宿

東北間の移動や東京発着の新幹線は計画的にとれば「えきねっとトクだ値」でもっと安く買えるが、今回は無計画に決めた&お祭り需要で席が埋まっており、ほぼ割引が使えなかったのであまり安くなっていない。ここには書かないけど、街を移動するときはタクシーを利用することも多かったので、それもかかっている……。改めて交通費を振り返ると高くて涙が出る。

 

東京(羽田)→秋田:10,000円

ANAのスーパーバリュー75Kで。秋田行きは早いうちに決まっていたので、すぐに安い航空券を押さえておいた(復路も押さえていたがキャンセルした)。ただし朝早い便だったので不安になり、羽田に近いところで前泊したので宿代が余分にかかっている。そうすると新幹線を割引でとった方が安いが、所要時間を考えれば飛行機の方が良かった……はず。45分くらいで着く。

 

秋田空港秋田駅:950円

秋田空港秋田駅はかなり離れていて、リムジンバス(予約不要)で40分くらい。秋田空港のまわりにはあまりなにもないので、ささっとリムジンバスに乗るのが吉。

 

秋田→青森:4,700円

えきねっとトクだ値」でちょっとだけ割引入っているはず。特急つがるで3時間弱。コンセントがなくて充電できないので要注意。

 

新青森→仙台:11,500円

東北新幹線で2時間弱くらい。いろいろあって寝るのが遅くなったのと朝イチだったのとで、ここではさすがにうとうと。

 

宿(青森):15,000円

朝食つき。駅近でもなんでもないビジネスホテルなのにこの値段は割高だが、この期間は東北三大祭りが一斉に開催されていて、かなり計画的に宿をとらないと空きがない&お祭り価格で高騰しているらしく、これくらい出さないと泊まれないらしい……。ついでにaikoも東北でライブをしていた。そりゃとれないわけだ。

 

仙台→東京:11,000円

東北新幹線で2時間くらい。

 

 

旅行記

1日目

秋田

9:00

秋田空港着。この時点でかなり暑くて嫌な予感がしていたが、見事に的中。とにかく暑かった。

10:00

秋田駅着。M-1ツアーまで少し時間があったので朝食を兼ねて駅前の「ナガハマコーヒー」へ。秋田発のローカルコーヒーチェーンで、秋田と盛岡にしか店舗がないらしい。おいしかったしメニューも豊富なので、近場にあったら通っちゃうと思う。

11:00

ミルハスに向かう途中、にぎわい広場で昼竿燈をちらっと見る。妙技大会といって、チーム戦で点数を競い合う大会らしい。おでこに竿燈を乗せる技すごい! と思ってたけど「腰」と呼ばれる技がいちばん難しいらしい。

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ババヘラソフトを食べる。よそってくれたおばあちゃんが「こういうのは上から撮らないと」と言っていたので上から撮った。黄色い部分はなんの味なんだろうと思ったらバナナ味! けっこうやわらかくて溶けやすいので急いで食べながらミルハスへ。

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11:30

M-1ツアーを観る。ミルハスは新しくて立派な劇場でした。ダイヤモンドが雑誌の発売日を教えてくれるネタの宝塚バージョンを友人と勝手に作って遊んでいたので(「『歌劇』は?」「毎月5日」)ダイヤモンドのネタの入りを聞いて顔を見合わせて喜んでしまった。

ぴろの俺様クレイジーマンが見れたのもうれしいよネ……! とか「笑クラ」みたいなことを思ったけど、自分がまたハマって半年くらいなことを思い出して不思議な気持ちになる。宝塚にはハマって半年くらいの気持ちなのにお笑いは2年くらい見てるような気がする。現場数と入ってくる情報量が多いんだよね。

 

13:30

お昼に入ろうとするも行く先々で行列していたので、いったん千秋公園の秋田犬ふれあいコーナーへ。暑すぎたのではちみつソフトを食べる。氷菓ばかり食べすぎ。肝心の秋田犬は体調管理のために見学のみだったけど、秋田犬たちもぐったりしていてかわいそうになってしまった。休ませてあげたい……。わたしも休みたいし……。秋田犬は想像以上にでっかくてかっこいいいぬだ。

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14:30

行列していたのもあるけれど、チェーンじゃないお店だとランチとディナーの間の休憩に入ってしまってそもそも営業していないところも多く、食いっぱぐれるかも? と焦りはじめたところに、ようやく入れた「弥助そば」。秋田なのにうどんじゃなくてそばなのかよ、という感じなんだけど、ここも江戸時代から続く秋田のお店なので……。あとからSNS見たら芸人もここで食べてたし。郷土料理もいろいろあったけど、シンプルに天ぷらそばにした。

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15:30

秋田土産としてトンツカタン櫻田(秋田出身)がおすすめしていた銘菓・金萬を買った。革命!みたいな美味しさではないんだけどあったかいお茶とかコーヒーには合いそう。そして青森へ移動。3時間もなにを? と思われるかもしれないけど、我々は宝塚版『鎌倉殿の13人』のキャスティング会議を開いていたので問題ありません。参考資料の『おとめ』を見ていたら朝水さんの髪型が独自路線で笑顔になった。大好きすぎる。朝水さんには全成を任せたいよ。

 

青森

19:00

青森駅着。いったん荷物を置きにホテルに向かおうとタクシーに乗り込むも、道が混みすぎていたので引き返してそのままねぶた祭へ。荷物はロッカーに預けた。空いててよかった……。ハネト(山車のまわりで盛り上がるひとたち)が4年ぶりに復活するというのもあったのかかなりの盛況&熱量で最初は圧倒されたけれど、場所によってはのんびり見られる場所もあった。小さめのスポンサーねぶたはなんでもありでそれも楽しかったし(『呪術廻戦』のねぶたもあった)、メインのねぶたは生で見たときの迫力が段違いだった。歌舞伎の場面や神仏といったパワーや動きのある題材が描かれていたのだけど、曲がり角で進行方向を変えるときの猛々しい動きが、まるでねぶたが生きているようで見ものだった。単純に和製エレクトリカルパレード(という表現が正しいのかはわからないが)的な楽しさもある。途中からは「宝塚ねぶた」の構想で盛り上がった。エリザベートねぶた(「最後のダンス」の場面)のハネトにはトートダンサーの格好をしてもらうんや。

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20:30

屋台であんまり食べられなかったので、海鮮が食べられるお店を探して、ようやく入れたところが大当たりだった。この旅のハイライトかもしれない。とにかく美味しいのに安い! わたしは生ものが得意ではないんだけど、ここの生うにはまったく臭みがなくて本当に美味しい。美味しすぎてみんなで咽び泣きながらおかわりした。近くに住んでたら絶対通ってる。満足いくまで飲み食いしたのにひとり3,000円ちょいしかしなかった。青森に住もうかな?と思いはじめる。

 

23:00

青森駅前からタクシーでホテルに向かおうとするも、タクシー乗り場の行列となかなか来ないタクシーに、このまま待っていたら夜が明けるのでは? と心がぽっきりと折れて泣きそうになり、青森に住もうかなという気持ちをキャンセルする。途中で流しのタクシーが捕まえられるかもしれないし……と途切れそうな一縷の望みを胸に、とりあえずホテルまで歩きはじめる。なお、歩きだと1時間かかる距離である。翌朝が早いこともあいまってとにかくこのときの絶望感が強く、歩きはじめて数分でタクシーの行灯が見えたときは、砂漠でオアシスを見つけたときってこんな感じなんだ……!と感動した。ハイローで鬼邪高校のトラック来たときとかもこんな感じなのかな。とにかく感動した。本当に……感動した。

 

23:30

ホテルに到着。翌朝も駅までタクシーで向かう予定だったのでフロントで手配を頼めるか聞いたところ、ねぶた関連で埋まってしまっていて5時台から10時台までタクシーの予約はできない、と告げられて再度絶望の底に突き落とされる。砂漠でオアシスを見つけたと思ったら蜃気楼だったときの気持ちってこんな感じなのかな……って。見果てぬ夢届かぬ恋すべては蜃気楼……って♪ENDLESS DREAMを歌いそうになった。蜃気楼と書いてタクシーと読む。バスに乗れば間に合いそう、ということで一段落したけど、自分の情緒の振れ幅がひどくて、そのたびに楽しかった記憶が遠くなっていく。あんなに美味しかったうにが遠い。どっと疲れて即就寝。

 

2日目

青森

6:00

朝食会場でかかっていたNHKの時代劇に矢崎広早乙女太一が出ていて、ふたりとも雪組だよねみたいな話になる。朝食をささっと済ませてバス停へ。

 

7:30

青森から仙台へ移動。さすがにちょっと寝た。仙台城に行くことになっていたので付近の情報を調べていたら『伊達ロマネスク』という謎のショーを発見する。即見に行くことに決まる。こういうのはスピードが大事だってライラックで言ってたから。

 

宮城

9:30

仙台駅でお土産を買ったりずんだシェイクを飲んだりする。なんだかんだで初めて飲んだけどすごい不思議な味だ……。えだまめの食感はあるけどほぼミルクの味のような気もする。バスで仙台城に向かおうとするも、バス乗り場の行列を見て、諦めてタクシーに乗る。タクシーの運転手がいろいろ教えてくれるおじいちゃんだったが、なかなか聞き取るのが難儀で困った。小田和正東北大学出身、という話を聞いて開いた小田和正Wikipediaの来歴の記述がなかなか興味深かった。

 

11:00

仙台城伊達政宗の像と写真を撮る。地域おこし隊的な武将がいたんだけど、ツーショットを撮るときのかけ声が「ずんだもち」で、そういうのもありなんだ……と思った。

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仙台緑彩館で『伊達ロマネスク』を見る。ショーが始まる前にやっていた剣術指南の先生がピアノ刀侍っぽくて勝手に盛り上がる。ショーの内容はまあ予想通りな感じだったけど、伊達政宗役の人がちゃんと真ん中の演技をしていたので「伊達政宗のお披露目公演だな」と思った。

 

13:00

目当ての牛タン屋が定休日で、急遽向かった別の店舗も行列で、帰りの時間に間に合わなさそうだったので泣く泣く諦める。地下鉄で駅に向かい、適当な牛タン屋でお弁当をこしらえてもらう。振り返ってみると、この旅で電車に乗ったのはここが最初で最後だった。地方を好きに動くとなると車がないと厳しいな……。かわりに入れる飲食店を探したものの軒並み並んでいて、最終的にささかまのお店「鐘崎屋」のバーカウンターに落ち着く。あら汁が沁みる。

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なんでこんなに混んでたんだろう。やっぱり仙台も七夕まつりをやっていたからなんだろうか……。奇しくも東北三大祭りを全制覇してしまった。

 

15:00

仙台から東京へ。家に着いたころには疲れすぎて、そのままお風呂に入ってすぐに寝た。

 

 

振り返ってみて改めて、行き当たりばったりすぎたなと思った……。あと、単純に体力が足りない。特に暑い日だったのもあるけど、2日目の途中からは完全にエネルギーが切れてしまってたし。体力つけなきゃなと思うと同時に、今後どんどん体力がなくなっていくんだからいまのうちにいろいろ行っとかないとなと思った。とにかく疲れすぎたけど、東北は楽しいところだった。次はお祭りをやっていない平熱の東北にも行きたいものです。