夢と現実いったりきたり

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見たものの感想 思ったことなど

ナショナル・シアター・ライヴ『リーマン・トリロジー』

 

原題:THE LEHMAN TRILOGY

作:ステファノ・マッシーニ

翻案:ベン・パワー

演出:サム・メンデス

主演:アダム・ゴドリー、サイモン・ラッセル・ビール、ベン・マイルズ

上演劇場:ピカデリー劇場(ロンドン)

上映時間:221 分(休憩含む)

 

STORY

 世界的な投資家リーマン一家が米国に移住した1844 年から2008年のリーマン・ショックが起こるまでの3世代にわたる栄光と衰退を描く舞台で、ナショナル・シアター上演時にはチケット完売を記録した注目作。主演の3人が約3時間にわたり、150 年以上にわたるリーマン家の歴史を演じ切る。

2020 年3月7日からはブロードウェイ公演も予定されている。

 

感想

 NTLをどこかで観てみたいなと思っていた+舞台美術が好きな感じだった+ちょうど日曜の上映回に空席があった、ということで観てきました。サム・メンデスの監督作は1本も観たことないし、映像で著名だからって舞台の演出がいいとも限らないし……って思ってたけど、そもそもサム・メンデスって舞台の演出家としてキャリアをはじめたんですね。いま調べた。

 

 正直、上演開始してしばらくは「失敗したかな」と思った。『リーマン・トリロジー』はすべて三人称の〈語り〉で進んでいく。圧倒的に会話劇が好きなわたしはもしかしたら合わないかもしれないし、合わないもののために4時間弱座っているのは、劇場ならいざ知らず、スクリーンだとかなりつらいものがある。しかも前日ソワレで舞台を観てからの早起きのせいでそもそも眠い。実際何度か怪しいところはあった……けれど、「これはリーマン・ブラザーズをめぐる叙事詩なんだ」と理解してからは、ぐいぐい引き込まれてしまった。

 

 わたしは「台詞のリフレイン」が大好きで、本作もそれがとても楽しい演目。だからどうしても字幕で観ていることが惜しまれた。リフレイン、音で入ってくるからこそ心地よい、ということにここで気がついた。演劇を観るときは言葉を文字に変換せず、音として捉えていることにも。英語ができないなりにヒアリングで観るように努めてみたけど、字幕があるとやっぱり頼ってしまう。

 

 3名の役者が語りと劇中のすべての登場人物をくるくる演じ分けるのも見どころ。アダム・ゴドリー55歳、サイモン・ラッセル・ビール59歳、ベン・マイルズ*153歳と、若くない男性なのだけど、彼らの演じる赤子も女性もとってもキュートだ!と思って観ていたので、笑い声(恐らく現地)が起こるのが結構謎だった。他の観客と笑うポイントが合わない問題・国際版が発生……。

 

 ストーリーは脚色は入ってるとはいえ歴史だからなんとも……リーマン・ショック以外の知識のないわたしにとっては「芝居でわかるアメリカの歴史」って感じ。カードの話とか綱渡り師の話とかバベルの塔とかの比喩表現は大好物。でも全部語りで解説されてしまうから、想像や解釈の入る余地はない。いわゆる「エモーショナル」を持ち込むことは許されないんだろうな、という印象を受けた。すべて演出のコントロール下に置かれてて折り目正しくて、それが逆にセクシー、みたいな。人間の感情の昂りを観たいがために演劇を観に行っているところがあるから、圧倒的熱量!エモーショナル!の力に捻じ伏せられるのも大好き(だからこそミュージカルを観る)だけど、こういうのも観てて心地よくて好きだなと改めて思いました。

 

 

 

 

*1:とてもキュート

『ねじまき鳥クロニクル』

2/15(土)ソワレ@東京芸術劇場プレイハウス

 

STORY

岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていたが、猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれ、思いもよらない戦いの当事者となっていく――。

トオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き地で、女子高生の笠原メイと出会う。トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。
そんな最中、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。
だが自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会いによって、クミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。そしてトオルは、もっと大きな何かに巻き込まれていることにも気づきはじめる。
何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。暴力とエロスの予感が世界をつつみ、探索の年代記が始まる。

“ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか? トオルはクミコをとり戻すことができるのか―――。

 

CAST

演じる・歌う・踊る

成河/渡辺大知:岡田トオル
門脇麦:笠原メイ役
大貫勇輔:綿谷ノボル役 
徳永えり:加納クレタ/マルタ役
松岡広大:赤坂シナモン役 
成田亜佑美:岡田クミコ役 
さとうこうじ:牛河役
吹越満間宮中尉役 
銀粉蝶:赤坂ナツメグ

特に踊る

大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史
東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむ 

演奏

大友良英、イトケン、江川良子

 

感想

 前提として、村上春樹が好きじゃない。とはいっても短編集を1冊読んだきりなのだけれど、女の描き方にえもいわれぬ気持ち悪さを感じてどうしても合わなかった。じゃあなんで観に行ったのかというと、「成河の芝居が観たい」とふと思ったからです。村上春樹という理由で一旦立ち止まったものの、あらゆるユース割(今回はU25があります)は使えるうちにガンガン使っていこうと思ったのと、メルマガで成河本人からのメッセージを受け取った*1のがダメ押しになって観にいくことに。

 

 結論、村上春樹やっぱり無理……という気持ちは変わらないけれど、舞台として面白い!という気持ちも反発せず共存するという不思議な体験になった。

 なにがいいって、演出がめちゃくちゃいい。演出はインバル・ピントと、マームとジプシー主宰の藤田さんのふたりが手がけているとのこと。逐一解説しろと言われたら言語化するのは(少なくともわたしには)難しいけれど、感覚としてはすとんと落ちてくる、そんな演出。

 

 まず〈踊り〉。劇中、登場人物たちは少しの移動の際も踊っていて、「普通に歩く」ということをほぼしない。エーッ人間ってそんな動きできるの!?と単純に興奮できる。身体性のオタクは本当に楽しく観られると思う。プールの場面でふと「超豪華な仮装大賞か?」と思ったり思わなかったりしたけどこれはわたしの問題。逆に考えると仮装大賞ってすごいのでは。

 

 そして〈歌〉。詳細を確認しないまま劇場に向かってしまったせいで歌が入ることすら知らず、そもそもオケがいることにびっくりしてしまったのだけれど、観てみて「そりゃ生オケになるわ」と納得した。音がこの芝居を成立させるうえでとても大事な要素だということがわかる。ただし、ミュージカルか?と言われたら首を捻る。これはミュージカルではない。渡辺大知の歌、特に初デート回想後の、全て受け入れよう、と歌うシーンが震えるくらい素晴らしかった(そういやこのひとって黒猫チェルシーでした)けど、ミュージカルだったら渡辺大知のこの歌にはならないと思う。じゃあなんなんですか?って言われたら答えられない謎ジャンル……ジャンルで括ること自体がナンセンスか。謎の手触りを謎のままに触り続けていく感覚。

 

 個人的には吹越満が自分の体験を語るところの演出が一番好き。灯りを操ることで場面が鮮やかに展開していくのが、記憶の中の話なのに臨場感と緊張感がビンビン伝わってきて最高。というか吹越満かっこよすぎるぜ……

 

 

 ストーリーに関しては、読み解こう!と思って臨んでいなかったから細かな読解はできない。Wキャストで演じられる岡田トオルは、渡辺大知=肉体のトオル、成河=意識のトオルであると言い切っていいかなとは思う。大して背格好似てないよねと思ってたら「大きい人と小さい人」って言われてたから敢えてなのか。1幕は肉体のトオルが見る世界が中心だから渡辺大知がメインで、2幕は意識の世界の話だから成河がメインに切り替わる。行方不明になった妻を取り戻しにゆくのは日本神話やギリシャ神話の黄泉の国の話を思い起こさせる。すごいどうでもいいけどこのふたつが似たような話になってるのは偶然って元型まわりの話を調べてたときに読みました。トオルが妻の姿を見ようとしない(妻も灯りを向けられたがらない)のもそれっぽい。

 

 それに加えて、遠藤周作が言う「死を志向する/下降する力」の話を思い出した。この世には罪と悪とがあって、罪っていうのは実は「X(=キリスト教徒の遠藤周作にとっては神)」を志向してるから救えるんだけど悪の方はひたすら下降してくから救えない、みたいなそういう……うろ覚えすぎるけど、そういうことを生涯考えてたらしい。悪の方もなんとか救えるんじゃないか?って試行錯誤してた形跡が面白いので、遠藤周作の小説以外も読んでください。話がそれた。笠原メイがトオルに語って聞かせた制御できない衝動の話が、遠藤周作の尊先*2、フランソワ・モーリヤックの『テレーズ・デスケル*3』の主人公テレーズが語る衝動の話とかぶるのも含めて、エッセンスだけ取り出したときに肌馴染みがいいテーマだった。ねじまき鳥とか占い師とかそのへんのことは知らん。ストーリー度外視しても演出のおかげでずっと楽しく観られるから大丈夫です。演出が合わなかったら終わりだけど。当日券出てるよ!

 

 最後に、下書きに「カテコで誰より早く捌ける成河がキュート」って書いてあったので共有しておきます。真ん中にいたのにサササササーッて消えていったから謎。

 

 

*1:どんなオタクのブログよりも面白い成河のブログとメルマガ、購読無料です

*2:尊敬する先輩

*3:マジで面白いから読んでください

劇団4ドル50セント×柿喰う客『学芸会レーベル』/『アセリ教育』

2/7(金)19:00、2/9(日)17:00@DDD青山クロスシアター

2/7アフタートーク:小松、加藤、仲、田代、多和田任益

 

STORY

『学芸会レーベル』

西暦20XX年─

完璧すぎる育児環境が整う最果ての幼稚園、

イタズラ三昧の日々を過ごす幼稚園児たち!

保育士たちは特殊能力で秩序と規律を守っていた!

そんな中、伝説の女が「学芸会」を求め帰ってくる…!?

 

『アセリ教育』

西暦20XX年─

個人主義の暴走は教育機関を完全にマヒさせた!

政府は新学習指導要領「アセリ教育」を断行!

人権無視のスパルタ教育を子どもたちに施していた!

そんな中、最強の落ちこぼれが、政府に反旗を翻す…!?

 

CAST

学芸会レーベル

客演

まことちゃん:小松準弥

かんざきせんせい:広川碧

おさむせんせい:平田裕一郎

柿喰う客

りゅうのすけくん:加藤ひろた

おみそ:永田紗茅

えんちょうせんせい:淺場万矢

まことちゃんのパパ:牧田哲也

けんたろう:村松洸希

だにえるくん:とよだ恭兵

劇団4ドル50セント

えまちゃん:岡田帆乃佳

みゆきせんせい:福島雪菜

しょうこせんせい:前田悠雅

あゆみせんせい:仲美海

ふくえんちょうせんせい:田代明

 

アセリ教育

客演

神童甲之介:小松準也

平目キヨシ:平田裕一郎

生徒ほか:広川碧

柿喰う客

反面狂四郎:加藤ひろた

神童丙左衛門:牧田哲也

知恵野イズミ:永田紗茅

生徒ほか:齋藤明里

劇団4ドル50セント

神童ウメ:立野沙紀

白眉毛ヨシコ:福島雪菜

零:前田悠雅

生徒ほか:湯川玲菜

生徒ほか:岡田帆乃佳

生徒ほか:隅田杏花

 

感想

 違う話なのにまとめるのはどうなんだと思いつつ……柿喰う客と劇団4ドル50セント(ドルセンと略すらしい)のコラボ公演、2公演を観ました。正直「コラボとは???」という気持ちで観に行ったけれど、しっかり柿でありつつも新鮮な芝居になっていたと思います。

 

 『学芸会レーベル』と『アセリ教育』、あらすじや評判を見ている段階では『アセリ教育』の方が好みなんだろうなと予想していたものの、蓋を開けてみると、意外にも『学芸会レーベル』の方が好きでした。いや、全体の雰囲気としては『アセリ教育』の方が好きなんだけど、なんというか、『学芸会レーベル』を観ていて「中屋敷さんって本当に演劇の力を信じてるんだな」というのを強く感じたのが大きいです。現実に存在する単語や概念に別の意味合いを持たせることでおかしみを出しているから笑えるのは笑えるんだけど、その中で〈学芸会〉っていう、大きい括りでいえば演劇に当てはまるものを誰かの人生に大きく作用する魔法として描いていたのが中屋敷さんひいては柿喰う客の芝居だなあ、と思いました。このごろ色々な役者のインタビューを見聞きする中で気づいたのだけれど、わたしは、演劇に携わるひとたちには演劇の力を信じていてほしいようです。

 

 こういうテーマ面に加えて、みゆきせんせいこと福島雪菜さんが、単純に、すごく、好きでした。福島雪菜さんを知れただけでもコラボ公演やってくれてよかった。柿喰う客って、柿喰う客を観たことがあるひとならわかってくれるであろう"柿っぽさ"というのがあって、結構アクが強い劇団だと思うんですけれど……牡蠣のえぐみみたいな*1……その"柿っぽさ"にドルセンや客演の役者の要素が入ってきてごたまぜになりそうなところに、福島雪菜ですよ!!! 柿の女優って言われても納得する"柿っぽい"芝居をしているのに、柿じゃないというか。柿×ドルセン(+客演)の中和点というかつなぎになってるというか、芝居のすごく綺麗なピースになっているのに福島さん個人が鮮烈に輝いてもいて、みゆきせんせいがサイキョー保育士さんなのも納得。みゆきせんせい大好き。そして立ち姿含めてめっちゃ美人。『アセリ教育』の福島さんもよかったけど、あれは平田くんが優勝なので……。ドルセンはアフトーの司会をつとめていた田代さんも好印象だったし、えまちゃん役の岡田さんもキュートでよかったのだけれど、個人的に秋元康を素直に受け入れることができないがゆえに、今後なかなかお目にかかる機会がないかもしれないのがめちゃくちゃ惜しい。今回のコラボのトータルプロデューサーが秋元康らしいけどなにをどうトータルプロデュースしたんだろう?

 

 あとはもうりゅうのすけくんがかわいすぎるのとまことちゃんのパパが気持ち悪すぎるんですよ。マッキーさんって顔がかっこいいのにあんな気持ち悪い役がガッチリはまるのはなぜ……。逆に顔がかっこいいからかな。

 

 『アセリ教育』については、台詞回しがより"柿っぽい"がゆえに惜しさを感じてしまったかなっていう印象。面白いんですよ! 面白いからこそ、か、柿で観たいよ〜……という気持ちがどうしても残ってしまいました。両作品観劇した多和田くんが「役者としては『アセリ』の方に出てみたい、端役でもいい」って言ってたのもわかる。わたしも役者だったらそっちに出たい。ちなみに多和田くんは中屋敷さんの分身(中屋敷さんがアフトーで持ってるカービィ)を持って登場していました。多和田くんは(今度の熱海で中屋敷さんと一緒にやるけど)柿の公演に出たそうにしてたから使ってあげてください、多和田くんのファンでもなんでもないわたしが言うのもなんなんだって話だけど。

 

 

 

*1:駄洒落じゃないよ

かきこにってなんだ?:ミュージカル『フランケンシュタイン』

1/30 マチネ 東京楽

 

 昨晩「小西アンリのすべてを解き明かしたいと考えている*1」と言ったがあれは嘘だ。いや正確には嘘ではない。解き明かせるものなら解き明かしたい。だけどいまは、とりあえずかきこに(柿澤・小西ペア)に殴られつかれた余韻にただ浸りたい。というか観てるだけのこちらまでぐったりしてなにもまとまる気がしないので、だらだらと感想を書く。

 

柿澤勇人という役者

 柿澤勇人というひとの演技を初めて観て、このひとは危険だと思った。歌も芝居もできて、役者として魅力的なのはもちろん、人間としての魅力に溢れたひとだということが、舞台上からでも伝わってくるのが怖かった。

 

 ビクターは街のひとびとから唾を吐かれる呪われたこどもだったけれど、同時に近くのひとたちから過剰なくらいの愛情を向けられていた。夢と才能があり、一心不乱に歩みつづけるビクターの姿は(たとえ彼の「生命創造」という夢を理解できなくても)輝いて見える。皆が「天才」「特別」「太陽」と熱っぽく見つめてしまうのも致し方ない、と思わせてしまう、カリスマ性とはまたすこし違うビクターの魅力。それがほとんど柿澤さん本人の魅力とイコールなんじゃないかと思わされてしまう。こういうタイプの男は危険だと本能が警報を鳴らしている。用法用量を守らないと、ハマったらこっちの人生が終わる。でも近づきたくなってしまう。役者になってくれてよかった。

 

 そんなキラキラしたビクターが、2幕では一転して愚かでどうしようもなくかわいそうな男になる。柿澤ビクターが愛しいのはこの2幕があるからだ。きらめきの根源にあった信念がぐらついて見えてきたビクターはまるでこどもで、どうしようもないな愚かだなと思いつつも憎みきれない。かわいそうなこども。好きすぎる。この先別キャストでフランケン再演が決定したとして、柿澤ビクターの影を追って切なくなる予感しかない。すべての解釈が好きで困る。

 

 柿澤ビクターの解釈といえば、ジュリアとの結婚に対して、「アンリが生きてたら確実に結婚してないだろ」って突っ込みたくなってしまう。「お父様の犬が!」って入ってくる召使いが(いい雰囲気のところ邪魔してもーた……)って動揺する家政婦は見た!的なシーンも、中川ビクターと違ってわりとすぐジュリアから離れちゃってるからそんなに動揺しなくてよくない?ってなっちゃう。信念もアンリもうしなってガタガタの身体を支えてくれるジュリアに甘えて結婚しただろって怒りそうになる。〈あなたなしでは〉で階段の中腹で身を乗り出して歌ってる表情とか見てるとジュリアのこと好きではあると思う、思うけど、やっぱり腑に落ちない。というかあのひと再会のシーンでジュリアに対して笑顔つくってるんですよ。そういうとこだよ!!!

 

 もちろん柿澤ジャックもとんでもなくて、いたぶりの引き出しが多すぎて逆に引くくらい。どんなもの食べてどんな生活送ってたら次々そんなひどいことばっかり思いつくんですか? 怪物を杖で殴ったり焼鏝を押しつけたり、は両ジャック共通だから台本だと思うけれど、そこにプラスで前から後ろから犯したり、額を舐めたりキスしたり、痰をかき集めて口移ししたり、あらゆる手段で怪物の人権を蹂躙しまくる柿澤ジャックが本当に怖くて怖くて、でも好き。道化を演じてるけど目が全く笑ってないから一切笑えない。フェルナンドに対しても内心ムカついてるからフェルナンドがエヴァに絡んでる間にゴルフの素振りのふりをしつつフェルナンドの頭をかち割って(るように見える)たりとかいちいち動きが全部怖い。なんなん……。他のひとにできるのか?みたいな気持ちになる。

 

 柿澤ビクターってなんだ? 柿澤ジャックってなんだ? 柿澤勇人ってなんなんだ?その謎を解き明かすために、わたしはゆかいな仲間*2になった。

 

小西アンリ

 やっぱり小西アンリは本当に顔がかわいい(声も大好き!)。神経質そうだし潔癖そうだし。ビクターからウォルターへの「ドイツの女性は見た目より太ってるから気をつけろ」という下世話なアドバイス(おそらく市長や街のひとびとへの当てつけ)に加藤アンリは思わず吹き出してるのに小西アンリは全然笑ってなくてやっぱり潔癖でしょ?って聞きたくなった。

 

 アンリについては昨日ざっくりとまとめたところから大きく解釈が変わったわけじゃないけれど、アンリの生きる意味について見落としてたところがある。〈孤独な少年の物語〉でビクターの亡霊*3を知ったあとに、「まだ生きる意味を見つけられていない」と言っていたり、〈1杯の酒に人生を込めて〉で「一体生きるって何なの?」と問いかけていたりするのを見るに、この時点ではまだアンリの中で生きる意味が見つかってはいなかった。ただ、ワーテルローでは「死のうと思っていた」、「孤独こそが人間の運命ならば静かに受け入れようと思っていた」、「人間への絶望」を抱えていたアンリが、ビクターと出会ったことで「彼を信じてみたい」と希望を見出しはじめていた。アンリは確実にビクターとともに研究を進める未来を見つめていたはず。そこに自分の生きる意味があるかもしれないという予感とともに。そんなアンリが死を選択せざるをえなかったのは、やっぱりビクターなしではそこに辿り着けないと感じていたから。太陽の光がなければ探し物は見つからない。

 

 ‪「孤独こそが人間の運命ならば静かにそれを受け入れようと思っていた」(諦念)→「ただ一つの未来を僕らが変えてやる」(挑戦)→「運命だと思って」(諦念とは微妙に違うけど抵抗しない)という変化を見ていくと、〈君の夢の中で〉でアンリが口にする「運命」という言葉の味わいががらっと変わってくる。なんだこのロマンティック野郎は……とか笑ってられない。アンリは結局「運命」に抗えなかった。だから無念なんだけど、本当はビクターとともに生きたいけれど、それでも「孤独」に終わらなかった、わずかでも希望を持つことができたのだから、ビクターと出会えて本当に嬉しかったんだろうなと。

 

 ちなみに「運命」に関してはビクター的にも重要なテーマだと思っていて、1幕の間はずっと「ただ一つの未来を僕らが変えてやる」(挑戦)だけど、愛があれば運命も変えられると思ってたけど傲慢だった(挫折、後悔)に移り変っていくさまが本当に哀れで哀れで哀れ。

 

 

小西怪物

 怪物はなにも憎しみを持って生まれてきたわけじゃない。生まれたての怪物は無垢だったはず。ビクターの首を締めるのもその前にビクターにバックハグされたからお返ししただけだし……力加減できなかっただけで……敵意を向けられたら返してしまうからルンゲのことは殺しちゃうけど、そこには悪意はなかった。

 

 でも、わけもわからないまま憎しみや敵意をぶつけられていくうちに自分はなんなんだ?なんのために生きているんだ?って疑問が芽生えはじめて、そこに闘技場で散々な扱いを受けて、初めて心の交流を持ったカトリーヌには「化け物」呼ばわりされて、憎しみに支配されて当然でしょうと。ビクターのことを研究日誌、しかもジャックによる悪意解釈で知ることになったのがつらい。道楽でつくられたおもちゃっていうのは本当に誤解だから……ジャックのバカ!!!

 

 彼が愛情さえ受けられていたら、と思わざるをえない。だって怪物が紡ぐメロディは、憎しみに塗れていなければきれいなメロディばっかりで、彼の根底はこんなにも美しく静かなんだとわかるから。〈俺は怪物〉のラスト、「昨日はじめて見た夢/誰かに抱きしめられてた/胸の丘に顔埋め笑ってた/夢の続きを生きてみたい」も本当にきれい。フランケンは楽曲が本当に良い……。

 

 ところでこの「誰か」が誰なんだ問題、胸の丘=女性=カトリーヌ、と考えることもできるけれど、わたしは願望込みでビクター派。カトリーヌのことだったら夢の中でも誰の顔かわからないってことはないと思うし、怪物がはじめて受けた愛情はビクターからのハグなので……。カトリーヌと交流して、愛情に準ずるものに触れたことで記憶が刺激されたのかなと思う。あとは最後までコートを着ている=最初に受けたビクターの愛情に(無意識かもしれないけど)すがってたのかなと。本当にビクターに憎しみしかないんだったらコートも捨てられたと思う。怪物も言ってるけど、ビクターは再開時にもっと違う言葉をかけてあげなよ。怪物は愛情が欲しかっただけじゃ?と疑っているので、勝手にずっと怪物を悪いもの扱いしてるビクターが悪い(極論)

 

 わたしは〈傷〉の解釈がいまだにできない(わたしvs訳詞)のでそれは置いておいて、その前に「俺の友達……あの星になりたがった友達の話」と、ビクターのことを「友達」と表現するときの怪物の表情の話だけしておく。無意識に「友達」と言ってしまったあと、本当につらそうな顔をするのに、あえてもう一度「友達」と言い直していてたまらなかった。怪物とビクターは究極にすれ違ってる。

 

 

 この2ショットを見てると、「ビクターと怪物のあったかもしれない未来」だなと思って。ビクターの弱さのせい。ビクターが悪い(2回目)

 

番外編:ルンゲ

 柿澤ビクターに関してはずっとルンゲ視点で見ているので、〈孤独な少年の物語〉のジュリアとビクターの握手をにこやかに見守る→市長に引き離されたところで目をみはってショックを受ける→ビクターに駆け寄って手を引く の流れでいつもありえないくらいに泣けてしまう。親をなくし、周囲から白い目で見られてる小さなこどもを、自分が守らなきゃいけない、そんな使命を感じたであろうルンゲ。このときはまだ「まわりよりすこし頭がいい」くらいに思っていただろうに、ジュリアの犬を生き返らせたことを嬉しそうに報告する*4姿を見て(自分はこの子の痛みも考えもわかってあげられないと気づいたからなのか)愕然とし、目にどんどん涙が溜まっていくルンゲを見ているとやるせない。幼いころのこんな姿を見ていたらそりゃ「坊ちゃん」呼びが抜けないし過保護にもなるでしょう。内容はどうであれ生き生き研究してる姿を見たら嬉しいし、はじめて親しくできる友人ができたら浮かれるでしょう。成功したら勲章をやる、と言われたときにあからさまにワキワキしてるルンゲはかわいい。

 

 そんなかわいいルンゲにほっこりしていたある日、衝撃の事実に気づいてしまったのですよ。アンリが「自分が罪を被るからビクターを連れて逃げろ」と言う回想シーンでルンゲは笑っている。ずっとアンリの方を見ていたので最初からそうだったのかわからないけれど、ある日ふとルンゲの方を見てみたら笑っていてオペラグラスを落としかけたし、そのあともしばらく心臓がバクバクして集中できなかった。いつもはすぐにビクターの表情に注目する姉弟喧嘩シーンも、ルンゲを見てみると、ずっと背を向けて耳を塞いで、エレンの批難の言葉(アンリが濡れ衣被っているのになぜ黙っているの)をわざとシャットダウンしている。このままではアンリが死刑になる、という不都合な真実から目を背けてでもビクターを守りたいんだなこのひとは、と、ルンゲの中にある歪みに触れて恐ろしくなった。

 

かきこにってなんだ?

 もともと、フランケンは軽い気持ちで当日券を買ったかきこに回だけで終わらせるつもりだった。のに。観終わって即「これは全組み合わせ見なければダメなやつじゃないの?」と本能的に他3組のチケットを準備して、他ペアを観つつも「わたしはかきこにに骨を埋めなければならないのでは?」とかきこに回をデザート的に追加した。そして今日、「かきこにが東京楽なのに観ない選択肢はあるのか?もう観られないかもしれないのに?」と思い詰めながらとった東京楽が終わった。中盤から参加したのにフランケンのことがものすごく好きなひとみたいになってしまっているのはなぜだ? ぜんぶかきこにのせいだ。

 

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 かきこにってなんだ?なんなんだ?なに? かきこにって……なんなの?なんなんだろう……? わからないけど、「かきこにに生きてかきこにに死ぬ」を体現できてよかった*5。まだ1月だけど確実に今年イチの感情と芝居を見せてくれたふたりに本当に感謝。

 

 ちなみに東京公演は終わったけれど、地方公演が控えているので迷ってるひとは絶対観に行って!かきこにを!かきこにで!頼む!

 

 

*1:

 

tsukko10.hatenadiary.jp

*2:

*3:いまだにあえて「亡霊」呼びする意図がわかってません

*4:リトビクの♪生命〜の歌はめちゃめちゃ怖い

*5:初見もラストもかきこにだった

小西アンリのすべてを解き明かしたいと考えている(だけ):ミュージカル『フランケンシュタイン』

1/17 マチネ、1/29 マチネ

 

 残すところ楽日のみとなったフランケン東京公演。楽日を観る前にかきこににおける小西アンリについて思いつくもろもろを整理しておきたい。気を抜くとすぐに「もう小西アンリの顔がかわいいことしかわからない」と言い出すので。

 

 柿澤ビクターと小西アンリはあまりにも人間同士の話すぎて、「つらいよう……悲しいよう……」と嘆くほかない。先日観たかきかずがとんでもなくて揺らぎかけたけれど、やっぱりわたしはかきこにに生きてかきこにに死す!と操をたてました。

 

 小西アンリは、最後の瞬間までビクターと共に生きたがっていた。共に夢を見たがっていた。だけどビクターをうしなって自分が生き残るくらいなら、罪を被ってビクターを生かす選択をする。だから〈君の夢の中で〉のラスト、「君の夢で/生きよう」のタメで苦しい表情もするし嗚咽も漏らす。彼はビクターのために殉教したかったわけではない。面会に来たのがビクターだとわかって、強張った表情から一転笑顔をつくってみせるのは、残されるビクターに余計な負荷をかけたくないという彼なりの気づかいだったのだろう。アンリがビクターにかける「笑ってよ」「泣いちゃだめだ」という言葉は呪いのように響くけれど、ぐずぐずに泣いているビクターを見ていたらアンリ自身が揺らいでしまうからこそ、こういう言葉をかけなければならなかったのだと思う。そういうところがどこまでも人間くさかった。

 出会ったその日を回想して、「夢見る君の瞳に恋をした/激しく」とおどけたように笑ってみせる小西アンリ。冗談めかしているけれど、本心だったのだと思う。挫折した生命の創造にもう一度取り組むという意味でも、見失った生きる意味を手にしたという意味でも、ビクターはアンリの道を照らすまばゆい太陽になっていた。

 

 アンリがどのような背景で研究をおこなっていたのかは語られることがないが、研究に心残りがあっただろうことは予想されるし、だからこそビクター・フランケンシュタインの名を聞いたときに跳ねるように反応したのだと思う。人間への絶望とはつまり、科学の進歩も結局は殺人に利用されてしまうことへの憂いであって、「死体を蘇らせて兵士にする」ビクターの研究所への配属を拒絶するのも理解できる。

 しかし実際、ビクターが見据えているのは死を駆逐することであり、それはアンリの信念とも重なるものだ、と判明してからは、神への畏れ=生命創造に対する倫理面での葛藤だけが残った。〈ただ一つの未来〉で描かれるのはこの葛藤だ。アンリはビクターの言い分に「詭弁だ」「野望だ」と反論しつつも大きく揺らぎ、最後には不遜にも神に挑むビクターの姿に希望を見たのだ。

 

 ビクターの故郷・ジュネーヴに戻ったときにはすでに戦争は終結し、ビクターは勲章をもらっている。つまり、アンリの最初で最後の仕事は既に終了(それも成功)している。「解放してやる」と言われたにもかかわらず、アンリはビクターから離れなかった。ビクターこそがアンリの人生の道標だったからだ。ビクターと共に夢を見ることがアンリの生きる意味なのだから、ビクターに連れ立つのは必然なのだが、ビクターにはそれがわからない=アンリの想いは伝わっていない。(柿澤ビクターは周囲からとてつもない愛情を受けているが失うまでそれに気づかない男なのでビクターのせいでもある)アンリからビクターへの重めの感情は〈君の夢の中で〉でようやく伝わる。酒場での立ち居振る舞いを見る限り、小西アンリはバランス感覚にすぐれた人間に見えるので、それまではビクターにあえて見せていなかったのかもしれない。

 

 あまり身辺を明らかにしないアンリが酒場で自身の生い立ち(といっても「親がいない」ことだけだが)を唐突に告白するのは、言うまでもなくその前にエレンからビクターの亡霊について聞いたからだ。亡霊を知った小西アンリは、柿澤ビクターをひとりにしてはいけないことをわかっていたように思う。だからこそ、〈君の夢の中で〉の苦しい表情があるんじゃないか。そう思うと、初見時に「あんなになってるビクターを置いて死ぬな!笑ってよ……とか言うな!」ってキレてごめん、小西アンリも言わざるをえなかったんだよな……

 

 

 ということをぐるぐるぐるぐる考えて、小西アンリに近づいたと思ってはまた遠ざかり、を繰り返して結局「神経質そうな顔がかわいいなあ」に落ちついてしまう。すべてを解き明かしたいのに。そんな小西アンリが好き。明日こそ小西アンリのことがわかりますように。

 

 某日に客席で鳴り響いた菅田将暉の『まちがいさがし』がめちゃくちゃアンリのイメソンにふさわしいとわたしの中で話題なので、共有して明日に備えて寝ます。

まちがいさがし

まちがいさがし

  • 菅田 将暉
  • J-Pop
  • ¥255

 

2019年現場まとめ

 

 2018年版は書くのが遅れたのもあって「2018年度」としていたようです。苦肉の策すぎる……というわけで(?)4月からの現場を振り返ります。複数回観たものも同月分は分けずに記載。

 

4月

映画『少年たち』実演(美 少年&宮近海斗

 誰が出てくるかわからない出演者ガチャ(実際は1部のと2部の出演者が同じだったので予想はついてましたが)は、こういう機会でもないと見られない美 少年と引率の宮近くんのコラボでした。美のキラキラっぷりは、いつ見てもいいなあ……と思います。宮近くんはやっぱり面白いしかっこいい。ソロハリ(「夢のHollywood」ソロバージョン)を見れてよかった。

 

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』@梅芸

 友達3人と同じ公演を観れたうえに、イメージカクテルバー*1でマーキューシオイメージのカクテルをつくってもらった思い出。

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▲ペンライトも用意されているのでやたらと神々しい写真が撮れる

 

 B5サイズのオーダーシートに書いた自分のキャラクター解釈をもとにバーテンさんがカクテルをつくってくれるのですが、提供時に自分の解釈を解説されるのが結構恥ずかしい……! 全員同じキャラクターでオーダーするのも楽しいんじゃないかなと思います。周囲は二次元のキャラクターでオーダーしているお客さんが多かったので我々は若干浮いていました(各々好きな舞台のキャラクターのカクテルをつくりました)が楽しかったのでよし。ちなみにカップリングでもオーダー可能なようです。

 

『Being at home with Claude クロードと一緒に』《Blanc》

 再演したら観たい作品に挙げていたクロードをようやく観れて本当に嬉しかった〜!

  

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 舞台のつくりが変わっていました。松田凌くんはこれからもふと「あ、見たいな……」と思う役者のひとりです。演技や容姿がものすごく好み、というわけではないのですが、なんでだろう……演劇バカっぽくて信頼できるからかな?

 

CHANGE THE ERA -201ix-@仙台 

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5月

CHANGE THE ERA -201ix-@城ホ

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COCOON』《星ひとつ》《月の翳り》

 ラファエロとアンジェリコのことが特に大好きなので、そもそも楽しみにしていたCOCOON。TRUMPシリーズで最も好きな作品になりました。荒木さんと安西くんという、これまた信頼している役者がふたりを演じてくれた時点でもう最高なんですが……ドナテルロとかいう男ーーー!!!に狂わされる結果に……許さん……好き……(細貝圭くんは結婚おめでとう)

 

 そろそろTRUMPシリーズも締めにかかってくるのかな〜〜と予想しているので、ここらへんでがっつり振り返りたい気分。でももうCOCOONでわたしの中のなにかが昇華されたような気もする……。

 

ジャニーズ Island Festival

 人に誘われて行きました。Travisなら宮近くんだと信じて疑わなかったのに、松倉くんが本当ーーーにかわいくて結局ずっと追っていました……。コンサートとしてはもうちょっとどうにかなったのでは!?と思うけど(そもそもどのグループも忙しいところに突如放り込まれた感があるので)、Travisのパフォーマンスが見れたのでよかった。Travisの「シンデレラガール 」と松倉くんの「雪白の月」を抱きしめて眠る。

 

イキウメ『獣の柱』

 わたしは見てる間にスッと理解できる演劇なんてつまんねえよ派閥としては(演劇に限らず全ての創作物に対してそう思いますが、特に演劇に対して強く思う)イキウメは毎回絶妙なバランスで「わからない」ところが好きです。ただ『獣の柱』はわからない度数がちょっと高かったかな……。

 

6月

月組夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』/『クルンテープ 天使の都』

 宝塚はときどき観に行く程度ですが、気になっていた月城かなとさんはエリザに引き続きわたしが観るときは休演されていました。縁がないのかもしれない……。お芝居の内容は……ちょっと……記憶がありません……

 

『黒白珠』

 ロミジュリで楽しみを与えてくれた平間壮一くんの、ミュージカル以外のお芝居を観たいな、と思って。コントラストのある兄弟もの大好き。松下優也さんもとても顔が好きで……好きや……と言いながら観ました。不純かよ。

 

ミュージカル『エリザベート

 ようやく観れた東宝エリザ。開幕前は3公演くらいしか押さえていなかったけれど、マイ初日で芳雄トートを浴び、なんだこれわ!!!なんだこれわ!!!全トート・ルドルフの組合せを観ないと!!!と騒ぎながら急遽チケットを増やしました。この頃の口癖:「芳雄トートの乙女ゲームがほしい」

 

 宝塚版では重要な場面が軒並みカットされていることが判明。エリザのストーリーへのもやつきがかなり解消され、フランツのことが大好きになりました。「悪夢」で必死にシシィを救おうとするフランツは本当にいたたまれない。「シシィがトートを愛していた」というのはルキーニの二次創作では?といまだに疑ってますが……

 

 マイ・ベスキャスは芳雄トート/愛希シシィ/達成ルドルフ/万里生フランツ/成河ルキーニ(ゾフィーは香寿さんを観れていないのでなんとも言えない)なのに、達成ルドも成河ルキも2020年にいなくて悲しい……し芳雄トートも東京に降臨しないという……東宝からも嫌われてるのでしょうか。

 

7月

『骨と十字架』

 同時期に中劇場で福田雄一演出舞台が上演されていて周辺の客層がカオスだった記憶。チケットをとったきっかけが思い出せない……Z席の情報を見て、小川絵梨子の名前と「《信仰の揺らぎ》系っぽいな*2」っていうのでとったのかな? めちゃくちゃ面白かったしめちゃくちゃ萌えを感じました。なんだあのメガネ!!!好きだ!!!*3

 

 新国立の演目とは水が合う気がしているものの、なんとなくいつもチケットを取り忘れてしまってます。反省……

 

ミュージカル『エリザベート

 

8月

ミュージカル『エリザベート

 

朗読劇『朝彦と夜彦』おまけ公演

 朝彦夜彦も再演があれば観たい!と思っていたのにチケット確保を完全に忘れていて萎えていたところ(いや自分のせいなんですが)、稽古場代役をつとめていた柿喰う客の加藤さん守谷さんによるおまけ公演の情報が入ってきて、迷わず押さえました。むしろいちばん観たい組合せで観れた。加藤さんの夜彦の魅力はすごい。加藤さんもご結婚おめでとうございます……リアコなのに……(もちろん冗談ですが、ショックは普通に受けました)

 

 お芝居は面白かったのですが、まだ朗読劇の楽しみ方はわからないわたしです。朗読劇ってなんだ。

 

Travis Japan Summer Paradise2019

 これも人に誘われて行きました。思いがけずめちゃくちゃ良いお席を引き当ててしまって挙動不審に……松倉くんは本当にかわいいな、と改めて思いました。Travisには海外の大きな会場でパフォーマンスさせてあげてほしいなあと切に願っています。

 

9月

柿喰う客『御披楽喜』

 わたしはなによりもひばりちゃん(『美少年』)に会いたくなってしまった!!! 加藤さんの女性役(ちょっとだけですが)がめちゃくちゃセクシー。

 

 のちのち中屋敷さんからメルマガで「これで解散する予定だったけどやめた」って告白されてゾ〜〜……としつつも納得の演目。

 

メサイア -黎明乃刻-』

 頼む、メサイアシリーズ、死ぬな!!!

 祝い花が多すぎる&リキが入りすぎている(シリーズの区切りかつ、脚本の毛利さん・演出の西森さんが卒業だったので)こともあってロビーが卒業制作展みたいだったんですよ。

 

 

12th KMF2019

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 X1を見れるのがこれで最初で最後になるなんて。アイドルに罪ない。

 

NCTzen 127-JAPAN 1st Meeting 2019 “Welcome To Our Playground”

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10月

なし(唯一予定していた星組は台風で流れました。初星組の予定だったのに!)

 

11月

世田谷パブリックシアター+エッチビイ『終わりのない』

 イキウメ(正確にはイキウメではない)なのに「わかる」度数が高めだった。浜田さんほど人外役が似合う役者はいません。断言。

 

SixTONESホールツアー『Rough "xxxxxx"』

 デビュー前最後のコンサートに1公演だけ入りました。おめでとう。

 

12月

なし

 

 

総括・2019年

 個人的に少し体調面でいろいろあり、夏以降は特に活動的じゃなくなってしまった1年でした。チケット確保の気力もなかなか湧いてこず、観劇もこのまましなくなるのかなーという予感があったのですが、2020年早々にフランケンシュタインに出会ってしまったのでどうなるかわかりません!

 

 現場に足を運ぶのが制限された一方で、K-POPと出会ったりRAMPAGEにはまりかけたり、ミーハーに磨きをかけていくのが楽しいんじゃないか?と思い直した年でもありました。やっていないことがたくさんあるので意識的にいろいろやっていきたい……富士登山とかしたいマインドになってます(山は怖いのでまずは高尾山から攻めますが)オタクは全く関係ないですけど……

 

 あとは普通に観劇の感想を全く書いてなかったので今年はちゃんと書きます……とか言うと書かなくなるんですけど。最近ブログを頻繁に更新してるのもリハビリです。ブログ筋。

 

 

 

 

 

*1:Bar Kirinの姉妹店Bar Bluewood

*2:遠藤周作が好きなので(?)こういうテーマが好き

*3:メガネ自体は別に好きではない

この夢を終わらせたりなんかしない:『NCT DREAM TOUR "THE DREAM SHOW" - in JAPAN』

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1/26(日)18:00@東京国際フォーラムホールA

 

 NCT DREAMってすごい。NCT DREAMって楽しい。THE DREAM SHOWは、そんな感情でいっぱいになるコンサートだった。

 

SET LIST

  1. GO
  2. Drippin'
  3. 119
  4. 1,2,3
  5. We Go Up
  6. STRONGER
  7. Dunk Shot
  8. Chewing Gum
  9. Dream Run
  10. Best Friend
  11. Walk You Home
  12. Candle Light
  13. We Young
  14. My First and Last
  15. My Page
  16. Bye My First...
  17. Don't Need Your Love
  18. Fireflies
  19. Trigger the Fever
  20. BOOM
  21. La La Love
  22. Beautiful Time

 

感想

 NCT DREAM初の日本単独コンサート、THE DREAM SHOW。シズニーの夢の中に僕らDREAMが入り込むというのがテーマなのだ、とヘチャンは語っていた。その言葉の通り、夢のようなコンサートだった。楽しくない瞬間がないって、本当にすごいことです*1

 

 2時間半は飛ぶように過ぎた。イントロ〜GOのように、透過型スクリーンをうまく使った凝った演出は見ているだけで楽しい。メンバーひとりひとりがワイヤーに吊られて「夢の中に入り込む」ことを示すのは、自然とコンサートに集中できるうまい導入だな……と思う。どうしてもわたしはジャニアイのタイタニックのシーンを思い出してしまうのだけどそれは個人の問題です。

 

 緩急が心地よかったセトリの中でも、特にDon't Need Your Love〜Fireflies〜Trigger the Feverの流れが良すぎた。Trigger the Feverについては、サッカーの応援ソング然としてるなあ*2以上の感想を持っていなかったのに、DREAM SHOWを経たいま歌詞を読むとNCT DREAMとわたしたちのことを歌っているようにしか思えないから不思議。ライティングの妙もあって盛り上がるしかないというか、勝手に身体が踊りだすというか、あの瞬間はフェスだったし*3、DREAM SHOWを思い出すときは、いつもあの光景──真っ白なライトに照らされながら跳ねるNCT DREAMの笑顔になると思う。わたしにとってはTrigger the FeverがDREAM SHOWの総括だ。

 

 

 正直に言うと、わたしはNCT DREAMについて語る言葉をほとんど持っていない。曲もパフォーマンスもメンバーも好きだけれど、深いところまで知っているとは言えないからだ。そもそもアイドルについてファンがなにかを知っていることなんてあるのか、という話もあるけれど、とにかく、わたしは「あのときの表情は……」みたいな解釈を加えることができないという意味で、NCT DREAMのことをわかっていない。だけど、NCT DREAMを一過性の夢で終わらせてはいけないことだけはわかる。

 

 NCT DREAMもDREAM SHOWも、夢なんです、ただしく。楽しくて、やさしくて、キラキラした夢の空間。それはそうなんだけど、夢なんだからいつかは醒めるんだよ、なんて誰が決めたんだ。刹那のきらめきをエモーショナルなものとして消費するの、反対!永遠に枯れない花をつくろう*4。みんなで永遠に醒めない夢を見よう。

 

 

ぼくたちのはじめての日本でのライブ!!たのしんでくれましたか? - ジェノ

もちろん。

 

ぼくたちはみなさんとの夢のような時間がさいこうにたのしかったです!! - ヘチャン

わたしも楽しかったよ。

 

たくさんの愛でしあわせな時間をつくってくれて、ありがとうございます! - チソン

こちらこそありがとう。

 

今日、みなさんとつくることができた想い出をずっとずっと宝ものにします。 - チョンロ

わたしもずっと宝物にします。

 

みなさんにとっても、いつまでもキラキラかがやく想い出になってほしいです。 - ジェミン

当たり前だよ!

 

これからもみなさんと同じ夢をみて、宝箱をたくさんうめていきたいです! - ロンジュン

宝箱に収まりきらないくらい、いっぱいいっぱい夢を見よう。

 

 

 

追記:ヘチャンの歌声は国宝だから早急に声帯に保険をかけたほうがいい。

 

さらに追記:いちばん好きなチョンロくんが思った以上に少年然としていて戸惑ってしまったので、ジェノくんを応援します。と思ったけど様子のおかしいナジェミンおじいちゃんのことが頭から離れません。

*1:Best Friendのときに謎に音割れが酷かったのだけはなんとかしてくれ……

*2:FIFA U20の公式ソング

*3:ちゃんとしたフェスに行ったことはないので概念上のフェスの話をしています

*4:LILIUM?