夢と現実いったりきたり

真田くんが好きです(告白)/ミュージカル『テニスの王子様』青学vs立海公演を観た

8月3日 @メルパルク大阪

www.tennimu.com

 

まえがき

ようやく観れたーーーー!!!!!

 

立海公演、控えめに言ってめちゃくちゃ楽しみにしていました。まわりに既に東京で観た人たちが結構いて、超いいよ~~というのを聞いていたので、本当に待ち遠しかったです。大阪初日、かつ、マキちゃんバースデー。サイドシートだけどいつものことだから楽しむぞ~~と意気込んで新大阪におりたちました。

 

 

友人Rちゃんと、まずは腹ごしらえ……ということでうどんを頬張り(またうどん*1)(私はうどんではなく舞茸の天ぷらを食べました)、マイディア・メルパルク大阪に移動。あー、駅近って素晴らしい。これはリリイベ会場への愚痴です。

 

 

パンフ欲しさに物販列に並んだんですけど、本当に尋常じゃない人で、結局買えたのが開演10分前くらい。大阪初日だからかな。めちゃくちゃ長い間並んでた上に地雷オタクが近場にいてずっと彼女らの話が耳に入ってきてたので、ここが地獄か!と思った。

 

席が2階の1列目で、初めて座る位置だったからちょっと楽しみにしてました。思った以上に近くて見やすい~~。下手に1階とかより見やすい気がする。上から見るの、演出が見やすくて好きなんですけど、1列目だと見やすさも加わって最強かもしれない。あんまりチケット相場詳しくないけど確か宝塚とかって2階の前方列S席とかだもんな。

 

ただし、ここで問題が発生しました。手すりのところに「ものをかけないでください」という張り紙がしてありまして、もちろん注意喚起は大切なんですけど……その……そこに貼られると舞台隠れるんですけど……という位置に貼ってあって困った。物販に並んでて開演前はほぼ時間がなかったのと、隠れても幕前のちょっとのスペースかな?と甘く見ていたので、1幕はそのまま観ました。そしたら思った以上に見えなくて!クレームつけるみたいで嫌だな……とは思いつつ、お金払ってるわけだし、防ごうと思えば防げる障害は取り除いてもらいたいな……と思って、幕間、スタッフさんにできれば下に貼り換えてもらえないか頼みにいきました。対応していただけたので、2幕からはちゃんと見えました。たぶん次公演からは最初から見えるようになってると思うんですけど、私の犠牲のおかげということにしておいてください。ちょっと泣いたよ。

 

感想

どうしても

立海に勝ってほしくて仕方がない。青学が勝つことに疑問があるわけではないし、赤也の試合とか正直「なんやねん」って怒ってしまうというかドン引き(でも赤也の動きがかわいいからゆるしちゃう)だけど、あの文脈でいくと立海勝たなきゃダメじゃない!?って思った。完全に立海というか真田くんを好きになってしまったし、もう無理です。え……真田くんやばくないですか。観劇後ほとんど真田くんの話しかしてない。深夜2時まで真田くんのことを考えてたのでめちゃくちゃ眠い。

 

真田くんについて

※ 原作未読・これまで関東立海戦を見たことがない・歌詞や台詞のヒアリングあきらめた人間というのを前提に聞いてほしい

 

真田くんって、皇帝なんてあだ名されるめちゃくちゃ強いテニスプレーヤーだけど、実はすごく迷いとか弱さを抱えてるんじゃないか……と思いました。幸村の病気が発覚してから、立海が更に勝ちにこだわるのは、たぶん、「幸村が帰ってくるまで負けられない」とか、「勝利こそが土産」みたいな考えだと思う。だから絶対負けられないんだけど、立海の曲で「勝たなきゃだめだ……」みたいなことを歌いながら自分の手首をつかむ振りを見て「手枷じゃないか」と思ったし、それ以降パワーリストが手枷にしか見えなくなってキツかった。負けてはならないという掟=パワーリストは、彼らを強くする道具であると同時に、縛ってしまう枷でもある、ということだと思うけど、私には「枷」の面が強調されて見えて怖かった。特に真田くんが……。真田くんと幸村の間には単なるチームメイト以上の関係があるんだろうな~というのをなんとなく感じたからかもしれない。デュエットとかやばかった。幸村が腰かけてたベッドに真田くんが近づいて、幸村が置いているラケットに触れる、という一連の動作だけで彼らの関係性がわかるじゃないですか。真田くんってすごい強いし大きな背中!というイメージがあったんだけど、実際幸村の存在で支えられてるみたいな……。たまらなくなってしまう。一番重くて大きな枷をはめてるのは真田くんだ!と感じてから、止まらない真田くんへの庇護欲……。

 

ということを考えながら観ると、真田vsリョーマの試合前、リョーマのコートには青学のメンバーがみんな揃っていて明るい、対する真田くんのコートには真田くん1人で暗い、という対比にめちゃくちゃ具合が悪くなってしまった。公演を見ていて、立海に信頼や仲間意識がない、なんて決して思わないんだけど、この場面を観ていると、真田くんってほんとに1人で背負ってないか!?と心配になる。

 

あと「おねんね」って言うのがたまらなくかわいいと思います。剣太郎の女の子とチュー♡インマイハートで最終的にちょっとだけ投げキスする真田くんも本当にたまんない。真田くんが好きです。

 

他感想

  • テニミュは光の使い方が印象的だなあと思っていたけれど、今回は光よりも闇の使い方がすごい印象的だった。1st・2ndがどうなってたかわからないけど、三浦さんの演出だからかな?私が一番うわー!と思ったのが立海が舞台前方で横並びしてるときにすっと後ろが暗くなったところ。あとはあんまり具体的に覚えてないけど、全体的にすごい怖いな……と思いながら観てた。ここまでこんな暗闇の使い方してたっけ?!大好きです……。

 

  • 不二先輩の曲の演出もめちゃくちゃ好き。みんな静止している中、ひとり踊っている不二(手塚は動いてたけどあれは不二の記憶の中の手塚なので実質動いてるのは不二だけ)。不二先輩の心象風景を覗ける、楽しくて怖い、そして独特の美しさのあるシーン。「ラケットを置く」というのもツボだった。不二が初めて「勝ち」にこだわる重要なシーンなんですけど、これが楓馬くんにカチッとハマっててすっごい良かった。跡部のアリアのラストも好きなので、もしかしたら周りが静止する中ひとり動いてるのが好きなだけかもしれません。時かけ好きだし。

 

  • 改めて、やっぱり群舞が好きだと思った。基本同じ振りだからこそ各キャラクターの個性がにじみ出てくるのがわかりやすい。フォーメーションによってキャラクターの関係性までわかるし、トータルとして見たときに美しいバランスになるようにつくられていてウオ~~~!と声をあげたくなる……。ラブ……。青学の群舞でせーちゃんの動きがはつらつときらきらとしていて本当にかわいかった。光の菊丸だ……。

 

  • 「幸村の磔ベッドはキリストのオマージュ」みたいな感想を聞いていたのもあって、幸村が星空に向かって歩んでいく(それを真田が見つめる)ところ、ヴィア・ドロローサかよ……ゴルゴタの丘に向かうのかよ……というツッコミをしてしまったんですけど、そんなキリスト教寄りの解釈でいいのかな……「神の子」だしいいのか?

 

  • にちかちゃんのことをもはやにちかちゃんと呼べない。にちか様もしくはにちかさんと呼ばなきゃいけない気がする。ぐんぐんかっこよくなる!パンフ読んでて結構みんな「にちかはかっこいい」って言及してて、わかるー!ってなった。無敵感がすごい。

 

  • 赤也のヘイ!ジーニアス!って煽ってる曲でのおしりをふる振りがめっちゃかわいい。というか赤也の動きが全部かわいい。すごい危険なプレーするけど動きがかわいいからゆるしちゃう。客降りで近くにきてまじまじ見たけどまえりゅは顔もかわいい……。

 

  • ジャッカルめっちゃやさしくていいやつ!!!好き!!!

 

  • 病室で仁王が手品で花を出してあげて、柳生がその花を机に置いてあげるのがかわいいと思う

 

  • 桃と海堂のダブルスのアツさ!!!ジョナの桃、本当に本当にかっこいいな~~と思う。ブーメラン打ったときの海堂、あまりにも美しいので彫刻と見まごう。

 

  • 柳vs乾、わざと当時と同じ戦況にもっていくって発想もそれを実行できるのも両方変態的で「もう好きにしてくれや」という気持ちになってしまった。あと柳が歌ってるところ?の裏でもデデデッデデデデッ(試合のあのBGM)っていうのが鳴ってるのに気づいてそっちが気になってしまった。

 

  • かなめくんが踊ってるのを見ると、リリイベのときにゆうごくんが「(ダンスは誰に頼ったか?に関して、みんながゆうごくん!と答えたのに対して)レイジがダンスやってたからな~、おれはかなめくん専門だからね」って言ってたのを思い出すようになってしまった……。

 

  •  前アナが田鶴くん、後アナがマキちゃんで、ふたりとも素とキャラの声に差があって切り替わるところでみんなフフ……ってなってた。マキちゃんお誕生日おめでとう。

 

 

 おわりに

 

立海、想像以上に楽しんでしまいました。大楽ライビュで、真田くんを大画面ドアップで観れることが何よりも楽しみでしかたがない!!!単純にお顔も好みなので……。青9のみんなも着実にレベルアップしていて、うれしい限りです。

個人的には、舞台をみるのが6月末ぶりだったので、舞台終わりに夜更かしして延々作品のことを考えて感想を言い続けるこの時間が大好きだな~~と余計に実感しました。数時間に数千円かけるなんて贅沢!と言われたりするけど、自分の場合観劇後にずーっと作品のことを考えて楽しめるから逆にコスパのいい娯楽なんじゃないか?と思いはじめました(回数観る人は別かもしれないですけど、私は大体1回2回くらいなので)。

 

あーそれにしてもテニミュってなんでこんなに面白いんだろうな……。曲中台詞が聞き取りやすくなったらもっと愛せる気がする。これは私の耳の問題かもしれないのでヒアリング能力を向上させようと思います。

 

 

 

 

『メサイア 外伝-極夜 Polar night-』をみました

messiah-project.com

 

 

劇団鹿殺し「無休電車」を観終わり、会場であるサンケイホールブリーゼから新快速に乗り、映画館へ向かった。途中大雨が降っていたが、京都ではすでに小雨でほっとした。傘を持っていなかったからである。

 

17:30、駅で友人Rと合流。映画は19時開始。まずは席を取ってから優雅に晩ご飯にしよう、とチケットカウンターに向かった。そしてカウンターで画面を二度見する。

 

メサイア 外伝-極夜 Polar night-」18:15上映……???

 

2人で「え!?18:15!?マジで!?!」とあたふたしていると、チケットカウンターのお兄さんが「そうですね、メサイアは……18時の回ですね」と教えてくれた。カウンターのお兄さんが「メサイア」と口にしたのにややウケしつつ、引き換えた。

 

このとき、時間は17:50。残された時間は25分(予告篇を含めれば30分)。数分前までは「晩ごはんどうする?お蕎麦とか中華とか~」と話していた我々は、決意した。フードコートのうどんしかない。

 

これは映画に間に合うようにうどんをすする2人の物語――

 

思ったより並んでいたせいで、うどんを手にしたのは18:05。 天ぷらは時間的に食べられないだろうと、具のないうどんにねぎと天かすをトッピングした。そしてひたすらすする。うどんをすする。途中、Rが「うちら、何と戦ってるんやろ」とポツリと漏らした。そして18:13ごろ、うどんを平らげ、3番シアターへと急ぐ。

 

3番シアターに足を踏み入れると、私たち以外に数組の観客がまばらに着席していた。自分たちの席に腰をおろし、ホッと胸をなでおろしたのも束の間、例のCMが流れ始めた。

 

youtu.be

 

家たちがバンドを組み、中央の少年がひたすらイエーーー!と叫ぶ(おそらく”家”とかけている)CM。京都の映画館では必ず流れる名物CMである。このCMに間に合った我々は、確かな勝利を確信した。(BGM:「モノクロの花」Blu-BiLLioN

 

 

 まさか、時間間違えてるとは思いませんよね。そんなこんなで、なんとか上映に間に合った極夜を見てきました。今回もまた、整理がついておりません。一旦たたんでおきます。

 

 

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「メサイア」シリーズを完走しました

先日映画が公開された「メサイア」シリーズ。ドラマ「影青ノ章」から入り、それ以降+映画「漆黒ノ章」は見ていたんですけど、影青までの舞台は未見でした。それらをこの度完走しまして、主に紫微ノ章について少し感想を書いていきたいんですけど、その前に一つだけ言わせてください。

 

 

悠久からメサイアデビューする人もいらっしゃると思うんですけど、

 

前作「暁乃刻」を見る前に、「紫微ノ章」を見てください!!!

 

 

(時間とお金があればでいいのですが)「暁乃刻」は「紫微ノ章」の知識があった方が1億倍楽しめるし、「紫微ノ章」は「メサイア」に関する基礎知識さえあれば割と入っていきやすい内容なのではないかな? と思うので、個人的にはここから入るのをおすすめします。

 

あと、「鋼ノ章」を贔屓しているので、これもできれば見てほしいなあ……と思います。

 

と、いうことで、私のおすすめする「悠久乃刻」への最短ルートは、

 

原作小説で基礎知識をつける→舞台「紫微ノ章」→ドラマ「影青ノ章」*1→(舞台「翡翠ノ章」)→舞台「鋼ノ章」→映画「深紅ノ章」*2→舞台「暁乃刻」*3

 

これです。

 

翡翠ノ章」は「紫微ノ章」以前のメイン登場人物、珀と鋭利の卒業ミッションのため、できればシリーズ最初から通して見た方が面白いと思います。ただ、「翡翠ノ章」を踏まえて「鋼ノ章」を見るとより味わい深くなります。

 

 

さて、ここからは感想を書いていきます。たたんでおきます。

*1:レンタルできます

*2:レンタルできます

*3:配信中

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来月で2年だそうです

 

 

お題「ブログをはじめたきっかけ」

 

来月ではてなブログを開設して2年になるようです。 ちょうど「ブログをはじめたきっかけ」というお題が出たので、いい機会だし振り返ってみようかなあと。

 

元々、舞台の感想はnoteに書いていたんですが、noteって割と孤独というか、まさに「一人で自分のノートに感想書いてる」感じで、同じような使い方をしている人もなかなか見つけられませんでした。「もっと色んな人の感想、読みたいなあ」と思っていたところに、はてなブログの「若手俳優について」グループを見つけ、スター機能も面白いなと思い、いそいそと移ってきました。以上です。ブログはじめるのにそんなたいそうなきっかけも何もないですね。

 

ちなみにブログタイトル「夢と現実いったりきたり」は、ふぇのたすの曲「スピーカーボーイ*1の歌詞から拝借しています。

 

 

それにしても、はてなブログにしてから、自分の観た舞台でも色んな感想があるなとか、この舞台面白そうだなとか、この俳優さん気になるなとか、入ってくる情報量が増えて、なかなか面白いです。あと、インターネットで人とつながる楽しみも覚えました。色んな人の影響で、興味の幅も随分広がりました。人生が楽しいです。

 

若手俳優について」グループも、私が参加した時は参加ブログがまだ2桁だったと思うのですが、いまや250ものブログが参加していて、すごいなあ……と思いながらよく眺めています。そのうちに、舞台を観ること、俳優さんを応援すること、それらについて考えること……はもとより、それらを愛好する人たちの「私の好きなものは最高!」という感情に基づくエネルギーに触れることも楽しみの一つになってきたようです。好きな舞台や俳優さんについて、素敵なエントリーを書いている人たちを見ると、素敵だな、私もそうありたいなと……思ってはいるのですが、なかなか文章を書くのは難しいなあと痛感しています。最近は考えるのを放棄して「最高!」「うれしい!」を最大フォントで記しはじめました。精進します。

 

自己満足でしかない、更新も滞りがちなブログですが、日記が1日で途絶える自分にしては珍しく2年も続いているので、好きなものや素敵なものに出会える限り続けていけたらいいな、と思います。

 

 

 

 

引っ越しました

 

僕のハートは引っ越しできない~~

 

ということで、はてなブログに移る前に舞台の感想を載せていたnoteから移していなかった記事を全部はてなブログに移しました。noteの方は消しちゃいました。

 

 

tsukko10.hatenadiary.jp

tsukko10.hatenadiary.jp

tsukko10.hatenadiary.jp

tsukko10.hatenadiary.jp

 

以上4つです。大体2年前のものです。

 

自分で言うのもなんなんですが、すっごく一生懸命に感想を書いていて、めっちゃエモい。とにかく「舞台を観る」という行為自体が楽しくて、真剣に作品に向き合ってる感じがする。違うんですけど、「青春」っぽい青さと初々しさがあって(恥ずかしいんですけど)、手前味噌ですが気に入りました。発見した誤字脱字も、あえてそのままに載せてみました(直すのがめんどくさいとかではないです!!!)。

 

観劇や感想を書くスタンスを変えたつもりは一切ないんですが、なんとなくこの頃のフレッシュな気持ちに戻ってみずみずしい感想を書けるように頑張りたいなあと思いました。

 

 

 

 

薄ミュ黎明録備忘録(2015/06/13)

 

 
 

6月12日ソワレ、京都劇場、ミュージカル薄桜鬼黎明録を観てきました。

原田篇すっ飛ばしてなんで黎明録とか、キャストほぼ一新とか、色んな疑問や不安や不満を抱えたまま、だけど薄ミュの魅力ってキャストだけじゃなくて脚本や演出というところにもあると思うから、わたしはこの公演のチケットを手にした。劇場に入って席に着いてからも、ずっとドキドキしていた。いい意味でも悪い意味でも。結論から言えば、薄ミュは裏切らなかった。芹沢さんの生き様にわたしは泣いた。黎明録は井吹龍之介の成長と、新選組の新たな一歩を描いた物語だけど、その両方のキーマンは芹沢鴨だ。横暴でダーティな彼の振る舞いは新選組内でも煙たがられて、会津の方針もあって最後は仲間から斬られてしまう。だけどそれは彼の一面でしかない。本当にただの横暴者だったら龍之介を助けたりしない。他の隊士の弱さを見抜いて、やり方がどうであれ助言を与えたりしない。彼は自分の先が長くないことを知っていて、自分がいなくなっても新選組が立てるようにあんな振る舞いをしていたんだろう。聡明な人だから。だけどそんな彼の本当の姿をちゃんと理解していたのは一体何人いるんだろう。新八は彼を評価していたけれど、そこまで見抜いていたかは怪しい。やっぱり龍之介だけなんじゃないのかな。だから土方率いる新選組幹部たちが芹沢を斬ってしまったときわたしは悲しくて悔しくて仕方がなかった。でも芹沢はこうなることをある意味で望んでたんだろう。自分があの晩斬られることを知っていた。だから龍之介を宴の席に連れていかなかった。変若水を飲んだのは、本来なら芹沢暗殺という汚名を被る土方らに対して「狂った羅刹を斬った」という免罪符を与えたからなんじゃないかすら思う。

芹沢が死んだあと、龍之介が芹沢の亡霊と会話をするシーンは、現実に即して考えれば、「龍之介の幻覚」として片づけられてしまうけれど、わたしは本当に芹沢の亡霊が現れたんだと信じたい。薄桜鬼はファンタジーなんだから。どんな悲劇だろうと、ファンタジーである限り、最後には救いを求めたい。ずっと犬呼びだった芹沢が最後の最後に龍之介と呼ぶのは、「来るぞ」とわかっていたのに涙がこぼれた。その後龍之介は新選組を見届けて彼らのことを伝える決心をするけれど、その場面はずっと涙でぼやけっぱなしだった。

芹沢鴨という人間に心を奪われすぎて、彼の感想ばかりになってしまったのだけど、もちろん他にも見所はたくさんあった。黎明録ということで、曲はほとんど新規のものだったけれど、M1を聴いたときに「ああ、黎明録は大丈夫だ」と思った。とにかく素敵だったから。記憶力が毛ほどもないので、歌詞も曲も思い出せないけれど、とにかくM1はすごくよかった。それから、唯一(多分)新規じゃない、ヤイサ。新選組新選組になったときに流れる曲(一回目のヤイサではこれまでの歌詞とはガラリと変わっていて、早く歌詞を読みながら聴きたい)。新鮮だったのが、まず山崎パートから始まるところ(記憶があいまいなので間違ってるかも)。龍之介と真っ向からぶつかっていた山崎が、「井吹と出会えてよかった」「新選組のことを伝えてくれ」(ニュアンス)という台詞を残して、絞り出すように歌い始めるシーンは言葉がでなかった。しかもあれは山崎が死ぬシーン、で合ってる(敵の衣装的に)? ヤイサって本当に名曲だ。

総司が近藤土方から本当に大切に思われているけど、その結果子供扱いされていること、斎藤に負けたこと、人を斬ったことがないというハンデ、色んなことに悩んでいた姿とかも、胸に来るものがあった。総司って何気ない所作が見てて面白いんだよなあ。隊服が出来たとき、近藤には「はい、近藤さん♡」って手渡すのに土方が近づいてきたら一瞬土方をじっと見てつんと顔を背けるところとか。ごはんの歌の時のふてくされ加減とか。一番後ろで、一人で不機嫌そうにごはん食べてて、山南さんが近づいてきたら他のところに行っちゃう……みたいな。ごはんの歌のときの斎藤さんはかわいい。

今回三馬鹿は見せ場が多くない印象だったけど、細かい部分で三馬鹿のらしさが出てたと思う。多分、わたしのことを知ってる人からしたら意外だと思うけれど、わたしは平助が結構好きで。みんなと笑ってたいと願っている人。平助が一番ヒーロー気質だと思う。黎明録でも、おかしいと思うことに真っ直ぐに向かっていく姿がすっごいヒーロー! 左之さんは龍之介を槍でしばくところとか、千鶴に対しては絶対しないけど左之さんらしい行動が見られてわたしは嬉しい。槍の使い方めっちゃ上手かったし、ガタイも左之さんな東くん、まさかの同いか一個下かという年齢で、震えた……。新八は新八にしてはすらっとしすぎでは!? とビジュアル見たときに思ってたけど、声は秋人新八よりも男らしさが出てたかなあ。秋人新八、歌い始めると予想外のスウィートボイスだから……。新八ってバカだけどバカじゃなくて、アツくて仲間思いで曲がったことが嫌いな男というのが節々に見られてよかった。

ここまで絶賛しているけれど、もちろんいろんな部分でううん……と思うところはあった。歌は全体的にまだまだだったし(ヒデ方様は除く)、滑舌も不安だったし。一幕は正直歌が詰め込みすぎでは?と思わなくもなかった(歌が安定してなかったのも一因かも)。だけど感動したのは事実だし、このカンパニーがこれから成長してゆく姿を見たい、と思ったので、次作をお願いします。なにとぞ。

 

 

あとは箇条書きで、覚え書きをば。

・輝馬くんの山南さん、いちいち吐息がかっててなんかエロい。スタイルいい

新選組してる山南さん(涙)

・二幕の客席登場、下手側通路がマッキー、上手側通路が祥平

・通路側じゃなかったけどちょうどマッキーが止まる列で死

・カテコ?でよろける猪野くん

・八木邸に行った四人、「説明してくれるおじさんに、今薄桜鬼やってるみたいだから観に行ってみたら?」と言われる(あっちゃん談)

・挨拶を任された廉くん、話を〆られない

・パンフの表紙・裏表紙、端っこに千鶴の着物が!!!!!!!!!(大興奮)

・カテコで出てくるときの祥平くんは世界一かわいい

・ヒデ様に足を向けて寝られない

ブラステ再演みた(2015/4/25)

 

 

薄ミュで橋本祥平氏と出会い、どうしても板の上に立つ彼を観たくて、思い切ってチケットを譲ってもらった。

当日チケットを家に忘れ、大学から一時帰宅し慌ててIMPホールに向かったのだが、残念ながら開演時間に間に合わず、OPが終わるまで待機して入場、というかたちになった。一応「朝日奈家の兄弟がヒロインが家に来て1年記念サプライズパーティーの準備をする」という前提は頭に入れていたため、話にはすっと入れた。しかし、幕が上がるまでの緊張感とか、OPでのドキドキ感とか、そういう気持ち作りをもっとしたかった(走ってきたのと途中入場の罪悪感から別の意味でドキドキしていたけれど)。

ブラステ、色々感想はあるのだけれど、役者や役柄に関して特筆したいと思ったのは、琉生・風斗・祈織・棗の四人だ。

 

琉生について

きっかけはもちろん橋本祥平くんだったのだが、アニメ版ブラコンを数話みた時点で、わたしは琉生を一番推すことはないだろうと思っていた。不思議ちゃんとかふわふわとかフェミニンとか、そういう男性キャラはストライクゾーンの範囲から外れている。結果、ブラステで好きになったのは祈織や風斗や棗だった。しかし、贔屓目はあるにせよ、祥平くんの琉生は素晴らしかった。琉生はキャラクターの性格上、台詞もアクションも少ない。だが、ソファに座って装飾を作っているときの柔らかな笑み、他の兄弟たちが騒いでいるときのきょとんとした表情、顔の向け方や仕草のひとつひとつが間違いなく琉生だったと思う。また、琉生は独特のリズムとアクセントで話すのだが、その再現率も素晴らしかった。祥平くんは琉生をどれだけ研究したんだろう? 彼の並々ならぬ熱意が透けて見えた気がした。

琉生は、ヒロインを“守る”立場なので、ほとんどの時間、ソファに座ってパーティーの成功のために黙々と作業をしていた。ヒロインへの好意からか、周りが見えなくなっている他の兄弟たちと違い、彼はちゃんと周りが見えていたように思う。だからこそ、風斗が抱えるもやもやに気づいたのだろう。そして、祈織が買ってきた天使の輪っかを着けた琉生はまさに天使であった(あれ、誰が着けたんだっけ? GJと言わざるをえない)。

 

風斗について

風斗は家族に対して生意気で、ヒロインよりも年下で、現役アイドル。劇中ではめんどくさそうに雑誌を読んだり、苺をつまみ食いしたり、部屋に戻ってしまったり、中盤まではパーティーに対して非協力的な態度をとっていた。しかし、これは彼がヒロインのことをちゃんと考えているが故抱えたもやもやからきた行動なのである。彼は、ヒロインに対して「恋愛感情」を抱いている兄弟たちが、「家族」として彼女を大切に思っていることを示すパーティーを開くことへの白々しさやエゴのようなものを感じていたのではないだろうか。そして彼自身もヒロインを姉としてではなく、女性として見ているからこそ、パーティーへの積極的参加に複雑な気持ちを抱えていたのではないだろうか。加えて手際の悪い兄弟たちを見て、つい刺々しい言い方、誤解される言い方しかできなかったのではないか。彼は他の兄弟たちに「効率が悪い」と憎まれ口を叩いていたが、ある意味一番愚直で不器用なのは彼自身なのではないかなと思った。好きになったキャラクター。風斗ED見たいなあ。

祈織について

祈織に関しては、恐らく原作のファンだと、許せないという人もいるんだろうなとぼんやり思った(彼の病んでる部分が拡大解釈されて、ギャグ的に使われることが多かったため)。ブラステはコメディに分類されると思うので、祈織の立ち位置は正しかったと思う。ヒロインが痴漢に〜のシーンでコーンを構えたところ、ブレーカーが落ちたシーンで物凄い勢いで十字を切っていたところ、すごく面白かったし、キャラが立っていたと思う。もし祈織が本物の病み具合を発揮していたら成り立たなかったんじゃないだろうか。
EDのダンスで十字架を加えて踊ったり、さりげなくウインクしたり、集合写真でのポーズがすごく格好つけてたり、あそこまでキメられると笑ってしまいそうなものだが、普通にちゃんとかっこよかったから美慎くんはすごい。完全に写メでにこにーポーズしてる人のイメージだったのに……。 素敵でした。

 

棗について

わたしがブラステで一番やられたのは谷口さん演じる棗だった。棗は仕事の都合で皆よりあとからパーティーの準備に携わることになるのだが、誰もいない(本当は椿と梓がキッチンにいる)リビングにきょろきょろしながら入ってきた時点でずるい。ちょっとくたびれた感じが本当にグッとくる。昴にかまいたがる部分とか、三つ子で料理場に立つとき、しっかりしつつもやんちゃな部分が見え隠れする感じとか、好きになるしかないじゃないか、と思う。しかし、棗はずるい男だった。ヒロインへのプレゼントを、皆で買った分以外にも用意しているのは他の兄弟にも言えるのだが、侑介が自分のプレゼントをダシにヒロインの帰りを引き延ばすシーンで、実は、棗は鞄から自分のプレゼントを出すか悩んでいる。たぶん侑介と同じことを考えたのだろうが、結局侑介がなんとかしてくれて、内心ホッとしたに違いない。誤算だったのは侑介と用意していたプレゼントが被っていたことだ。棗EDでは、ヒロインの部屋を訪れた棗が、「用意してたけど、皆からのプレゼントと同じだからいらないよな」と始末が悪そうに微笑む。この笑顔がずるい。ヒロインがプレゼントを受け取ると、さらに「自分の会社が提携しているテーマパークのチケット」を渡す。ペアチケットを渡して一緒に行こうと誘うのかと思いきや、あの男、「社員とその同行者」しか行けないチケットをプレゼントしやがった! どう考えてもずるい。「好き」とか「付き合おう」と言わないままずるずる関係持っていくタイプと同じニオイがする。とりあえず、棗が、そして棗役の谷口さんがとてもとても最高だった。ずるい!

こんなところだろうか。棗に関しては本当にずるくてずるくて、何かのシーンで頬を膨らませていたところとか、わたしを始め女子の大好きな「大人の男の人がかわいい仕草をする」までぶっこんできたのにはもう怒りを覚えるほどに素敵だった。

他の兄弟に関しても、光役の才川くん(弱冠20歳!)はスマートに女言葉を操り、兄弟を焚き付けていたし、要役の小林さんは声がよかった。あっさりしてたので、エロさはあまり感じなかったけど、家族の中の要はあんな感じなのかなと。あまり舞台上にいなかった気がするので残念。右京さん役の未来弥さん、舞台の経験は浅いと聞いたけど、わたしが観に行ったとき声が枯れてて心配だった。右京さん、作中ですぐに携帯がかかってくるのだが、その時のくるっとUターンするのに毎回笑った。椿役の西島さんは、たぶん作中1、2を争う台詞量をあの特徴的な喋りで言うの疲れそうだなあと……。椿、かまってちゃんで落ち着いていられなくて、いらんことしいというキャラで、彼がいると舞台上が賑やかだった。対して、梓はあまりしゃべらなかったなという印象。椿のストッパー役というところ? 金井くんのシルエットが細くて細くて……二次元的なビジュアルだった。そして昴。彼の女性への耐性のなさというか、清く正しくバカって感じが愛おしい。昴のあの(言ってしまうと)童貞くささを絶妙に表現できるのすごい。あまり普段の畠くんを知らないのだが、彼自身も普段からそうなのか?と思ってしまうくらい。たぶん他の兄弟はそれぞれヒロインに個人的なプレゼントを用意してただろうに、用意してないあたりも昴は信用できる男だ。なんか昴の感想が長くなった。侑介については、ブラステの主軸だと思う。お使いを全て間違えるバカさとか、純情さとか、思わず応援したくなる。ソファで前後に揺れる(伝わらなさそう……)仕草とか侑介だー! と思った。そして雅臣、雅臣本当によかった。めちゃめちゃかわいかった。さすが小児科医って感じの笑顔(堺雅人みたい)。かわいかった。弥ちゃんを抱きかかえてるのとか天使画か? 弥は初演の時いなかったのでどうするのかなと思ったけど、違和感はなかった。よく通る声で、かわいいけどちょっとおませな弥、かわいかった。出演者みんなメロメロなのも頷ける。

 

長くなったけど、本編の感想はこんなものかな〜。楽しかったことが伝われば……。カテコで、畠くん、日本語不自由な人だ……! と気づき幸せな気持ちになりました。ダンスのときのファンサも凄まじかったな……。

 

最後に、これは舞台とは関係ないけれど、客席のマナーがちょっといただけなかったなと。飲み物のんだり、喋ったりが周りで目立ったので残念。