夢と現実いったりきたり

舞台「瞑るおおかみ黒き鴨」の感想(というか、青木玄徳氏について)

2016年9月20日(火)マチネ@森ノ宮ピロティホール

天候:めっちゃ大雨(台風)でびびる

 

www.mononofu-stage.com

 

 前作「もののふ白き虎」が好評で気になっていたところに、その続編である「瞑るおおかみ黒き鴨」*1が上演される、ということで観てきました。歴史ものなので予習して臨みたかったんですが、観劇日をすっかり忘れていて、前作未鑑賞どころか出演者すら把握しないままに……。幕末~明治頭について詳しい人以外はある程度知識入れていった方がいいと思いました。人間が多い……。

 

 正直なところ、この作品について、理解できていない部分がかなりあります。だからまともに感想が言えません。もふとらがTSUTAYAでレンタルできるみたいなのでそれを見てから、このつむ鴨もDVDで見ようと思います(友人が「買う」って言ってたので)。色んなことを考えるのはそれからでいいかな。今はとりあえず青木玄徳という衝撃についてしか考えられない。

 

 青木玄徳という役者については元から知っていたし、映像でテニミュ2ndの跡部をやっているのも見たことがありました。彼がとても整った容姿をしていることも、もちろん理解していました。観劇前には「つねさまは外斜視っぽいワイドな目がいいね」*2とか、わかってる風に上から目線で申しておりました。ごめんなさい。何もわかってなかった。私は何もわかってなかった。まずOPで殺陣の前に首を鳴らすその仕草で「やべえ」と思いました(首が動く人が好きです*3)。見た目が完璧。あまりにも整いすぎた人間を見るとどうやら「こんな美しい人間が同じ次元に存在するはずがない」と脳が理解を拒むようです。青木さんが舞台上にいる間じゅう目はオートフォーカス状態で、ずっと見てしまうのに、理解ができない。こんなことは初めてです。美しいただそれだけでなく、まるで発光しているかのような、そんなオーラのある人。コウちゃん*4かよ!

 

 もちろん見た目だけに魅力を感じたわけではないので内容の話もします。作中、斎藤一は鬼の副長・土方からも「恐ろしい」と評される男ですが、青木さんの「全方位無敵感」がそこにすごくマッチしていて、「斎藤一めっちゃつよそう!!!」感がビンビンに伝わってくるのがすごかった。負けそうにないもん。さきちゃん*5もそりゃ気になるよね。あんな男が現れたら好きになるよね。わかるよ。対さきちゃんの斎藤、死ぬほどオラついてて死ぬほど好きです。そんな斎藤が地べたを這いつくばって半次郎に「無様だな」と言われるシーンや、島田*6希死念慮(のようなもの)を吐露するシーンは本当にぐっときた。何より一番「やられた!」と思ったのは、ラスト、客席からハケていく時の表情です。私はセンブロの下手寄りの席だったので運よく表情がよく見えたのですが、もう、「なんでそんな表情ができるの!?!」って叫び出したくなるものでした。最後の戦を終えて、憑き物が落ちたような、すべてを受け入れたような、とても穏やかなのにどこか泣き出しそうな微笑みが、スポットライトでありありと照らされていた。近くを通っていったのは一瞬の出来事だったのに、時が止まったみたいにずっと脳裏に焼き付いているこの感覚。

 

 終幕して、「はあどうしたらいいの私は」、みたいな気持ちになってるところに、カテコでふにゃっと笑いながら「北九州公演もあるのでお暇があれば是非」的なことを言われたら、普通なら「いや北九州まで気軽に飛べたら苦労せんわ」って突っ込んじゃうけど、「うん…行くね…」ってすんなりうっかり財布を開いちゃいそうになる。そんなのずるいでしょ。というか、カテコ全体的にふんわりしてたんですけど普段からあんな感じなんですか?

 

  私にはこの青木さんへの感情をうまく言葉にできません。つむ鴨で「うまいな」と思ったのは勝吾くんだし*7、キャラクター的にはどう考えても村田新八が好き(性癖)。でも観劇後にずっと考えちゃうのは青木玄徳さんと、青木さん演じる斎藤一のことなんですよ。恋かな? 一番近いのは「俺の衝撃*8」かもしれない。抜刀隊が心を戊辰戦争に置いてきたっていうなら、私は心を森ノ宮ピロティホールに置いてきたよ。なんとなく青木さんの出演舞台と私が観劇する舞台は被らない感じがするけれど、今後私の衝撃と相見えることはあるのでしょうか。パタリロ観に行きたいから関西公演どうにかしてやってくれないかな(傲慢な地方民)。

 

 

  久々に震えるくらいどきどきしました。

 

 

 

*1:略して「つむ鴨」ですが「もふとら」の語呂がよすぎて「もふとら」って呼んじゃう

*2:

*3:フィギュアスケートの髙橋大輔はめちゃくちゃ首が動くので好きです

*4:溺れるナイフ

*5:山川捨松さん、史実では大山巌と結婚するんですけど、大山の薩摩弁がキツすぎて何しゃべってるかわからず二人とも英語で会話したって話が面白くて好き

*6:ところで島田と斎藤の関係性が好きだし林田さんのお顔も好みです

*7:役柄自体も良かったし、勝吾くんの演技がすっごい良かった

*8:溺れるナイフ』17巻のコウちゃんの台詞

「仰げば尊し」第四話感想

前回のエントリで散々宣伝した「仰げば尊し」の第四話が昨日放送されました。

tsukko10.hatenadiary.jp

 

仰げば見てる時はTwitterで実況しながら見てて、週に一度の祭り気分なのですが、なんやかんやTLで仰げば見てる人、自分含め2人しかいなかった……。これからもマーケティング活動に勤しみます。1人でも多くの人が仰げば見てくれますように。謎のゆるいイラスト推しの公式グッズ以外はすべてが最高ですよ!?!

 

さて第四話です。今回は合宿回かつ副部長・井川(演:健太郎)回でした。ちょ~~~~~~かわいかった。井川は最初から不良たちに対して反感を持っている様子でしたが、それはそもそも「明宝の受験に失敗して美崎にいること」に燻りがあったから。更に「次失敗したらお前は負け犬だ」と父に言われる井川。合宿でも周りと一緒に楽しむことができず、近くに明宝がいることでコンプレックスが刺激されまくり、やる気が空回りする井川。抱きしめたい……。

 

そんな井川、中学の同級生で明宝に進学した小池とその友人らの喫煙現場を目撃してしまいます。「こんなんでびびってるからなめられんだよ」と喫煙を勧められ、その現場を写真に収められてしまう(未遂だけど)。いや、それ本当に友達?????井川きゅんの肺を汚そうとするやつ許したくない……。でも、煙草をくわえた数秒間の井川の表情は百点満点をあげたい良さでした。

 

喫煙疑惑が浮上した時、樋熊先生に「信じてる」と言われても、パート替え(蓮様と1st2ndを入れ替えられた)の一件に不満を抱えていた井川は、「先生は僕らのことを信じてない」「吹奏楽部を壊した」と先生を責める。それに対して裕人が「人のせいにするなんてだっせえな」と言うんですが、「先生が壊した」という台詞、以前蓮様も言ってたんですよね。もうその壁を乗り越えた蓮様たちと乗り越えられていない井川。これまで5人組+先生の関係性ばかり描かれてきたので、先輩後輩関係が見れて良い。

 

井川が、先生がなぜ自分たちのパートを入れ替えたのかを知り、自分たちをすごくよく見てくれていることも知り、先生のところへ戻ると、そこには明宝高校に対しなんとか井川の疑惑を晴らそうと頭を下げる先生と、それを見守っている5人組の姿が。井川に喫煙を強制されたと主張する生徒と話がしたい、という先生の懇願を受け入れず、走り出す明宝のバス。望みは絶たれたかと思った瞬間、バスの前にゆっくり立ちはだかる5人組!!!!ヘッドライトに照らされて影になった5人の後姿がめちゃくちゃかっこいい。裕人の「樋熊の……先生の話がまだ終わってねえだろ」という台詞は、彼らの成長が顕著に出ている。「先生」って呼んだーーーー!!!!!そしてその後、先生に「退きなさい」と言われてからの蓮様の「退いたら井川が悪者になっちゃうよ」。蓮様、井川のことを後輩としてちゃんと目にかけてくれていた……。感動。

 

結局、対外的には喫煙疑惑を晴らすことはできず、来週にも引っ張られるみたいですが、この一件を通じて井川は成長できたし、コンプレックスも解消された。部員全員の前で「木藤良先輩、席をかわってください」と頼んだこと、父親に「部活はやめない。負け犬にはならない」ときっぱり告げたことによく表れている。井川、プライド高いし、途中入部の不良(しかも国宝級に美しい顔面を持ち、音楽留学を考えるくらいには技術もある。ついでに英語も堪能)に1stを取られるの本当に嫌だったんだと思うんですよ。アツい……(正直「退いたら井川が悪者になっちゃうよ」あたりからちょっと惚れたでしょ、という感じ)。

 

第四話、触れてない部分(木部が不良組と仲良くなってる・寝起きドッキリ・高杢など)も含め最高でした。ということで、回を重ねるごとに最高になっていくドラマ「仰げば尊し」なんですが、なんとTBS公式で最新話絶賛無料配信中です!!!!!次回放送まで無料なので、とりあえず見ましょう。

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ちなみに来週は放送なしで、第五話は再来週放送です。よろしくお願いします。

 

 

 

日曜9時は「仰げば尊し」を見よう

 

八月ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私は、盆地の暑さに切れながら、日曜劇場「仰げば尊し」を見ています。

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あらすじを本当にざっくりと説明すると、「めちゃくちゃ弱い吹奏楽部の顧問になったなんかすごいおじいちゃんによって、色々あった不良たちが頑張るドラマ(実話)」です。なんか実況しながら見てるせいか、正直ストーリーが面白いのかどうかは私にはわからないんですが、俳優萌え的なものさしをもつ身としては、「仰げば尊し」が最高のドラマであるのは間違いないです。

 

偏った登場人物紹介

青島裕人(演:村上虹郎

不良グループのリーダー。木藤良、安保、高杢、桑田とバンドを組んでいたが、演奏中の乱闘で左手に怪我を負い、ギターが演奏できなくなる。それ以降、バンドは解散するという過去を持つ。 

めちゃくちゃ庇護欲を掻き立てられる子。いっつもシャツがぶかぶか。髪型はちょっと謎。不器用すぎるけど、たぶん、めちゃくちゃ優しい子。自分に遠慮してみんなやりたいことがやれてない、って責任感じてて、でも自分は前に進めなくて、って葛藤してそう。台詞量は多分多くはないけど、その代わり目でめっちゃ語りかけてくる。 きれいにカットしてないダイヤみたいな目をしてる・・・。あの目で見られたら「守ってあげなきゃ・・・」ってなるか、「めちゃくちゃにしたい」ってなるかのどっちかだと思う。後者が陣内先輩だったんじゃ、と思ってる。ただのムカつく後輩にあそこまで執着する理由がそれ以外に思いつかない。他に虹郎くんが不安定な少年役やってたら教えてください。見たい。

 

木藤良蓮(演:真剣佑)

不良グループの一員。全ての物事を客観的な目で見ている、冷静沈着な人間。しかし、樋熊と出会う事で、自分の気持ちを徐々に押し出すようになっていく。青島裕人とは幼なじみ。

美の化身。このドラマ、全体的に「不良とは・・・?」ってなりがちなんだけど、その最たる人物。品が良すぎる。先生に対して「おじいさん」って言う不良いる!?いた!!!美崎高校、絶対木藤良蓮ファンクラブあるでしょ!?蓮様にチケット代巻き上げられたい・・・。二話で陣内先輩に喧嘩吹っかけてたのとか最高だった。割と困り顔してる。裕人のことをめちゃくちゃ心配してるのはわかるけど、行動のほとんどが裕人中心なのすごくない?グループの中で一番えげつないのこの人だと思うし、なんなら若干メンヘラ説が出てる(私の中で)。

 

安保圭太(演:北村匠海

不良グループの一員。正直な性格で、ギター演奏が出来なくなった青島を気遣っている。

安保ちゃんめちゃくちゃかわいい。二話は安保ちゃんメイン回だったんですが、なんかめちゃくちゃ幼女みを感じた。桑田に諭されるところとか、めっちゃ幼女だった。素直な性格してるけど、その先のことまで考えが及んでないところとかが。

 

桑田勇治(演:佐野岳

不良グループの一員。おしゃれ番長的な存在。表面上は軽いが、実は熱いハートの持ち主。

二話で、安保ちゃんが「吹奏楽やりたい」って言い始めた時に「青島には言うな」って釘刺したり、節々でこの人の頭の良さが垣間見えるなという感じ。さのがくがこの役をもらったのはオールスター感謝祭での発言(とその時のファンからの熱い支持)によるものらしく、めっちゃドラマを感じる*1。結構走ったり飛んだりするシーンもあって、愛されてんなーと思う。二話の殴られ顔が最高*2!!!ところでgoogleで「佐野岳」って入れたら「ナダル」が二番目にサジェストされるのはよくないと思います。

 

高杢金也(演:太賀)

不良グループの一員。独特のスタイルかつおバカキャラを持った、ムードメーカー的存在。

高杢の存在がもう癒し。最初は高杢・桑田がバカキャラなのかなと思ってたけど、どうやら高杢は本物だった。高杢桑田コンビめっちゃかわいい。二話で高杢・桑田・安保が追っかけられるけど、この時に限っては高杢別に煙草吸ってないのに追いかけられてるし、屋上のシーンも割と無意味に殴られてた気がする。かわいそう・・・。父が高杢を見て「山岸やん!*3」って喜んでた。

 

井川宏達(演:健太郎)

吹奏楽部の副部長。パートはSax(多分アルサク?)。不良グループに対して結構反発的。もちもちしてる。もちもち。かわいい。公式サイトの顔写真はクリックすると笑顔の写真に切り替わるはずなのに、この子は口角が数ミリあがるだけのアハ体験みたいになっててかわいい。多分同じパートになった蓮様とひと悶着起こすと思うから期待。

 

木部郁夫(演:藤原薫

赤髪パーマの子。樋熊先生による挨拶運動により徐々に心を開き、入部。パートはホルン。髪色とか、単に警戒心が強くて相手になめられたくない的な強がりっぽくてかわいい。この子も割ともちもち。検索したらこの子「鈴木先生」に出てたのか・・・。つまり匠海とも共演してたのか・・・。このもちもちしてる子が匠海より年上っていうのが奇跡。

 

 

ドラマ見てほしい!って意気込んで書き始めた(タイトルだけその名残がある)けどただの感想になってしまいました。たぶんですけど、数年後にバリバリ活躍する俳優たちがいっぱい出てるはずなので、見ておいて損はないと思います。寺尾聰尾美としのりをはじめとしたおじちゃんたちもたいそうかわいいです。みんなで一緒に木藤良蓮の美しさに圧倒されましょう。

 

 

 

ロスモワを観た

 

舞台『K -Lost Small World-』7月30日(土)ソワレ@京都劇場

 

ロスモワを観てきました。 鉄は熱いうちに打て、この興奮が冷めないうちに勢いで書き残しておきます。

 

まずは本編の感想 

ここには盗まれて平気なものはなに一つなかった。

 

Kはアニメ一期と舞台(第二章)だけ見ているので本作のストーリーはほんのりとしか知りませんでしたが、ひたすらつらかった!!!!アニメ本編で何やら因縁のありそうだった二人、八田美咲と伏見猿比古の過去を描いたの今回のお話、猿比古に救いがなさすぎてどうにもなりません。猿比古のことを思って酒を煽って泣くことしか私にはできません。

 

つまらない街、つまらない生活に嫌気がさし、「隕石でも降ってきて全部滅びちゃえばいいのに」と同じように願っていた二人。八田は、頭の良い伏見を純粋に尊敬し、伏見は、そんな八田の素直な(言い方をかえれば無神経な)部分、自分の話をきらきらした瞳で聞いて褒めてくれるところに惹かれる。二人は、お互いがいれば世界を変えられるとすら信じていた。けれど、結局世界を変えることなど出来なかった。壊れてしまったのは二人で築き上げた、小さいけれど幸せな世界だった。二人の中身は何一つ変わっていないのに、伏見は八田がつまらないものになってしまったと失望し、八田は八田で、相棒だったはずの伏見が急に裏切った理由がわからず憤る。

 

ロスモワを観た人のほとんどが考えるだろう、二人の世界の崩壊は、どうやったら回避できたのだろう?という問い。私は、伏見が、父親(仁希)と何かしらの形で決着をつけなければならなかったのだと思う。けれど、伏見はそれをうまくできなかった。できないまま父親は死んでしまった。自分を追いつめていた父親の幽霊(を装った阿耶)はもう倒したのだと語る伏見に、アンナはこう問いかける。「本当に大丈夫?」と。吠舞羅を抜け、セプター4に加入した伏見は、八田の大事にしているもの――二人同じ位置にある吠舞羅の印――を見せつけるように焼き消し、怒った八田の顔を満足そうに見る。これは、伏見の大事なものを壊しては楽しんでいた自身の父親と全く同じ行動である。伏見仁希はまだ死んでなどいない。猿比古の中に息づき、猿比古の精神を蝕んでいる。伏見がまだ赤の能力を使えること、十束から八田への言葉、それから、あのラストシーンを見る限り、二人が(同じ王に仕えなかったとしても)和解する将来もあるんじゃないか?という希望が少しでも持てたことだけが救い。でもやっぱり伏見猿比古がつらすぎてつらい。設定が夢小説の主人公並みに盛られている。

 

最高でした。ありがとうGoRA。でもいい感じに物語に入り込んでるところ、スクリーンに「GoRA」って文字が燦然と輝いてOPが始まったときは真顔になったよ。ロスモワに関してはOPなくてよかったと思う……。

 

そして問題の第二幕

―アイドルKとは?―

 数年にわたる世界規模の戦争が終わり、陸軍将校で同盟国ドイツへ参与として赴任していた國常路大覚は荒廃した祖国へと戻ってきた。倒壊した建物、疲弊した国民。明日の食事さえままならず、希望はなく、淀んだ悲しみと無邪気な苦しみだけが国土を支配していた。日本はあまりに多くのモノを失いすぎたのだ。國常路は己が国を立て直すことを決意する。元々、日本の闇の社会で絶大な影響力を持つ國常路家の出だったが、戦後は積極的に政治、経済、教育の分野に関与し、その才覚によって多大な貢献をした。そうして日本において盤石の支配体制を築き上げていくのと同じ過程で國常路は新たな教育システムを立ち上げ、運用する。日本を導くカリスマを養成するためのシステム。人々はそのカリスマたちを「アイドル(偶像)」と呼んだ。これはもうひとつの『K』の物語── 

 

「アイドルK同時上演!」と発表された時には「いやアイドルてなんやねん意味わからんやろ」という感想しかなかったのだけど*1、このキャプションを読むと「ちょ、ちょっと面白そうやんか……」という気持ちになり、でもやっぱり本編が終わって休憩してる時には「いやこれどういう気持ちでアイドルK見ればいいわけ!?!」と混乱し――思い返してみればアイドルKにあまりにも翻弄されすぎている――そして今、実際にアイドルKを体感した私は、「吠舞羅芸能事務所の赤のアイドルキング・周防尊のファン」という設定でこれから生きていきたいと思っている。つまり最高でした。

 

前説は日南田顕久くんと松井勇歩くん。ゆーほくんが伏見の眼鏡にキス未遂をしたところで脳が壊れました。ゆーほくんには毎日深夜にしんたくんから電話がかかってくるそうです(かわいい)。

 

アイドルK、ここはジャニーズカウントダウンの会場なのでは?というくらいめちゃくちゃアイドルしてたし、曲もいいし*2、ライブ単体でもやってほしいレベルで最高だった。ドリライの時になぜか手足と唇が震えていたのだけど、今回も同じ現象が起こり、終いには自然と体全体でライブを楽しんでおり、「この震えは私の内部から沸き起こるRythem」と悟りました。地蔵派だと思ってたのに……!

それから、赤のアイドルキング尊さんが最高の最高の最高で、最初から最後まで尊さんしか目が追ってくれなかった。尊さんは踊ったりしないし、笑顔もふりまかないし、ほとんどステージの上で煙草を吸ってるだけなんだけど、時々煙草でリズムをとってたり、客席に向かって指でくいっとファンサをしてくれるの……新規だからまだ尊さんの単独ライブに行ったことないんだけれど、特効の中ポップアップで登場した尊さんが「燃やすぜ」って言ったらファンが「No blood! No bone! No ash!」って合唱するんだろうな(アイドルキング周防尊の新規ファンとしての感想)。真剣な話、通路の少し後ろくらいの席だったので結構キャストが通ったんですが、尊さんが来たときは硬直してしまって手拍子すらできなかった。まさなりくんが特別好き!というわけではないんですが、Kステで尊さんを演じてるときのまさなりくんの美しさはこの世の美の頂点だと思います。確実に劇場にいる人全員尊さんに抱かれてた。こんなとち狂った企画をしてくれた偉い人本当にありがとうございます。Kは狂ってるのK。

 

カテコできしたくさんの挨拶に思わずつっこみを入れたまさなりくんに対して「(尊さんじゃなくてただの)和田じゃん」というしんたくん、そんなしんたくんに対して「お前もただの安西じゃん」と返すまさなりくん、そんな二人に「楽屋でやれ」と治める植ちゃんの図もたいそうかわいかったです。

 

 

 余談

www.youtube.com

 

www.utamap.com

めっちゃ伏見猿比古っぽいなって思った曲です

 

 

 

 

*1:追記:アイドルKって公式でそういうパロディ?があるらしいですね・・・!のちに知りました

*2:八田曲はKAT-TUNのReal FaceっぽさがあるしキングのデュエットはKinKiっぽさがあった

はじめてのドリライ


ドリライへ行ってきた。周知のことだろうが、ドリライとはテニミュのコンサート、Dream Liveの略称である。

ドリーム、を冠するだけあって、本当に夢のような、最高の体験としか言いようがない。特別な空間で特別な時間を過ごした。興奮冷めやらぬ中、自宅へ向かう電車は暑く、そこで自分たちが汗をかいていることに気づく。まだ5月だというのに、まるで熱帯夜。血の巡りがすごい。

友人は「TSC入会しようかな」とぽつりと漏らす。わたしたちは、テニミュ3rdシーズンを追っていくことを決めていた。なんならそのずっと先もテニミュを追っていきたいという気持ちが芽生えていた。


正直言うと、序盤はあまり乗れなかった。理由はいくつかあって、ひとつめ、訳あって当日券を購入したので友人とはバラバラの席だったこと。ふたつめ、山吹出の新規なので曲もノリもきちんとわかっていないこと。そしてみっつめ、そもそも声をあげてはしゃぐタイプでもない。ただただ周りと合わせてペンライトの色を変え、曲に合わせて振るのに必死だった。しかし、徐々にそのあたりに慣れてくると、楽しむ余裕が出てくる。胸の位置でささやかに振っていたペンライトも、盛り上がりに合わせた感情豊かな振り方へと変わる。終盤にはもはやひたすらノリノリでラケットを振るオタクと化していた。

どんなにノリの悪い人間も、ドリライへ来ればラケットを振るほかないのだ。彼らの歌い踊る姿は、壮大に展開する曲も手伝って、まるで神話の物語のようである。もしくは宇宙の起源か。眩い光の中に秘められた神秘性、ドラマティックな物語、無限の可能性。この崇高さに対して、讃え崇め奉りたいと感じるのは至極普通の心の働きのように思う。あれは一種の宗教体験だった*1 。


そしてダメ押しはハイタッチ。何度か言っているが、わたしはこの手の接触が苦手だ。というか、明るいところで、美しい人たちが自分の顔を目にする、というのが本当につらい。のだが、ドリライの熱にやられて脳みそが処理落ちしている状態では、そんな自意識は捨て置かれるようだ。通路席だったので来るキャスト来るキャストとハイタッチがある。もはや一体誰とハイタッチしたのか思い出せない。財木くんと田中くんとは確実にしたので、終わってから友人に財木くんとの間接ハイタッチを施した。ハイタッチ時、キャストの手が湿っていたので、ああイケメンも手汗かくんだな、と妙にリアルな感想を抱いた。曲が終わると手足とくちびるの震えが止まらなかった*2



ということではじめてのドリライ、まじで最高に楽しかった。最近の流行りっぽく言うと#ドリライはいいぞ #テニミュはいいぞ 、というところだろうか。個人的には1stキャストの森山さんが出演していたのを見て、今の3rdの子たちが10年後のドリライにゲスト出演している姿を本当に見たいなと思ったのでした。テニミュ100周年まで生きたい。そこまで行ったらテニミュ専用劇場が全国に出来てそうだなぁ。最高!





*1:cf. 神秘体験 神秘体験 - Wikipedia

*2:誇張なしで、産まれたての子鹿の震え方をしていた

私情しかない劇場レビュー

2016年5月、シアターBRAVAが閉館してしまう。私は『ナミヤ雑貨店の奇蹟』でBRAVAともお別れである。

www.sponichi.co.jp

まあ、閉鎖は閉鎖でも「いったん」閉鎖、という形であり、(いつになるのかはわからないが)次にオープンする劇場にも期待を寄せている。しかし、思い入れのある劇場がなくなるのは少々寂しい。

 

 

ということで、というわけでもないけれど、関西の主な劇場を99%私情で紹介していこうと思います。「この劇場、初めて行くけどどんな感じだろう?」と検索して引っかかった方には申し訳ありません。音響とかその辺には何も触れていません。つまり何の参考にもなりません。

 

 

 

●シアターBRAVA!

theaterbrava.com

キャパ:1136席(1階:743席、2階:393席)

最寄駅:京橋、大阪城公園

私含め、周りでは「近くに行く度写真を撮りたくなる」と話題の劇場。あのロゴがそうさせるのでしょうか。個人的にはここでペダステを観たことから全てが始まったので、特に思い入れのある劇場です。割とアクセスが良いのでは? 周りにもいろいろあるので、ご飯なんかにも困らないのかな。大体天王寺で済ませるからわかりません。ちなみに、京橋の辺りは治安が悪いイメージがあるので観劇以外で殆ど散策しません。京橋から行く場合は片町口から出ましょう。ただただ好きな劇場です。

 

京都劇場

www.kyoto-gekijo.com

キャパ:941席(1階:693席、2階:248席)

最寄駅:京都駅

京都駅ビルにあるのでアクセスはとっても良いですし、劇場の中では家から一番近いので好きです。私の中では完全に「劇団四季の劇場」のイメージだったので、薄ミュがここで上演されると聞いたとき驚きました。ここでも無駄に写真を撮りたくなる。レッドカーペットのせいです。座席も真っ赤です。なんだかんだ薄ミュでしか行ったことないのですが、近いし雰囲気も好きなのでもっとここでやってほしいし薄ミュは京都劇場に戻ってきてほしい。勿論キャパとかもろもろの事情があるのはわかっていますが。

 

 

森ノ宮ピロティホール

森ノ宮ピロティホール

キャパ:1030席

最寄駅:森ノ宮(駅がきれい)

なんだか今年お世話になりそうな予感がする劇場。メサイア新シリーズはここでやっていくのかな? スタッフさんのトイレ捌きが鮮やかだったのが好印象です(トイレは大事)。ピロティという特性のためか全体的になだらかな傾斜がかかっていて、どの席でも割と見やすいと思います。すぐそばにキューズモールもあって、ご飯にも時間つぶしにも困りません。というかキューズモールの陰に隠れてひっそり建っている印象が強い。冬には入口の木にイルミネーションが施されます*1。ちなみに、階段で写真を撮ると劇団Patchごっこが出来ます。楽しいよ!

 

●メルパルクOSAKA

www.mielparque.jp

キャパ:1010席(1階:738席、2階:272席)

最寄駅:新大阪

正直新大阪は本当にメルパルク行く以外で降りたことがないです。「新幹線で通過する場所」から「メルパルクのある場所」になりました。Kステで初めて行ったんですがその時お尻が痛くなったのでちょっと苦手意識が拭えません。あとちょっと遠い・・・。駅からのアクセスは良いです。周りにもビルとかあってご飯の心配はいらないかな。

 

 

梅田芸術劇場

www.umegei.com

キャパ:メインホール1905席(1階:1077席、2階:420席、3階:408席)、シアター・ドラマシティ898席

最寄駅:大阪、梅田など

梅芸には何の罪もないのだけど梅田にあるので私は迷います。そもそも大阪駅で迷子になる・・・。その点ではアクセスは悪い。近くにNU茶屋町もあるし、というか梅田なので食べるのには全く困りません。メインホールはペダステで一回行ったけど1階席だったので2、3階からの眺めはわからないんですが、どんな眺めなんだろう・・・。なんとなくジャニーズが公演してるイメージが強くて、よその現場に来ちゃった感があって緊張する劇場。シアター・ドラマシティは地下にあるのですが入口で迷いました。

 

 

新神戸オリエンタル劇場

新神戸オリエンタル劇場

キャパ:639席(1階:472席、2階:84席、3階:83席)

最寄駅:新神戸

椅子がめちゃめちゃふかふかです。そしていい感じにおしゃれな雰囲気の劇場です。新神戸からすぐ着くのですが、まあ新神戸自体が遠い・・・。さらに定期も通らないので交通費もかかる。でも好きな劇場です。なんたって椅子がふかふかだから。観劇の際お尻が痛くなる問題が一切ありません。メサイア以外で行ったことがないので、今年からは疎遠になりそうな予感。

 

 

 

関西で公演する規模の若手俳優の舞台だとまあ大体この辺りの劇場でやってるんじゃないでしょうか。しかしこう見ると新神戸から森ノ宮ってかなりキャパ違うんですね。メサイア思い切ったなあ。

 

 

*1:追記:友人情報によると、ダイステの時(4月)もイルミネーションあったそうです。謎が深まる・・・