夢と現実いったりきたり

ロスモワを観た

 

舞台『K -Lost Small World-』7月30日(土)ソワレ@京都劇場

 

ロスモワを観てきました。 鉄は熱いうちに打て、この興奮が冷めないうちに勢いで書き残しておきます。

 

まずは本編の感想 

ここには盗まれて平気なものはなに一つなかった。

 

Kはアニメ一期と舞台(第二章)だけ見ているので本作のストーリーはほんのりとしか知りませんでしたが、ひたすらつらかった!!!!アニメ本編で何やら因縁のありそうだった二人、八田美咲と伏見猿比古の過去を描いたの今回のお話、猿比古に救いがなさすぎてどうにもなりません。猿比古のことを思って酒を煽って泣くことしか私にはできません。

 

つまらない街、つまらない生活に嫌気がさし、「隕石でも降ってきて全部滅びちゃえばいいのに」と同じように願っていた二人。八田は、頭の良い伏見を純粋に尊敬し、伏見は、そんな八田の素直な(言い方をかえれば無神経な)部分、自分の話をきらきらした瞳で聞いて褒めてくれるところに惹かれる。二人は、お互いがいれば世界を変えられるとすら信じていた。けれど、結局世界を変えることなど出来なかった。壊れてしまったのは二人で築き上げた、小さいけれど幸せな世界だった。二人の中身は何一つ変わっていないのに、伏見は八田がつまらないものになってしまったと失望し、八田は八田で、相棒だったはずの伏見が急に裏切った理由がわからず憤る。

 

ロスモワを観た人のほとんどが考えるだろう、二人の世界の崩壊は、どうやったら回避できたのだろう?という問い。私は、伏見が、父親(仁希)と何かしらの形で決着をつけなければならなかったのだと思う。けれど、伏見はそれをうまくできなかった。できないまま父親は死んでしまった。自分を追いつめていた父親の幽霊(を装った阿耶)はもう倒したのだと語る伏見に、アンナはこう問いかける。「本当に大丈夫?」と。吠舞羅を抜け、セプター4に加入した伏見は、八田の大事にしているもの――二人同じ位置にある吠舞羅の印――を見せつけるように焼き消し、怒った八田の顔を満足そうに見る。これは、伏見の大事なものを壊しては楽しんでいた自身の父親と全く同じ行動である。伏見仁希はまだ死んでなどいない。猿比古の中に息づき、猿比古の精神を蝕んでいる。伏見がまだ赤の能力を使えること、十束から八田への言葉、それから、あのラストシーンを見る限り、二人が(同じ王に仕えなかったとしても)和解する将来もあるんじゃないか?という希望が少しでも持てたことだけが救い。でもやっぱり伏見猿比古がつらすぎてつらい。設定が夢小説の主人公並みに盛られている。

 

最高でした。ありがとうGoRA。でもいい感じに物語に入り込んでるところ、スクリーンに「GoRA」って文字が燦然と輝いてOPが始まったときは真顔になったよ。ロスモワに関してはOPなくてよかったと思う……。

 

そして問題の第二幕

―アイドルKとは?―

 数年にわたる世界規模の戦争が終わり、陸軍将校で同盟国ドイツへ参与として赴任していた國常路大覚は荒廃した祖国へと戻ってきた。倒壊した建物、疲弊した国民。明日の食事さえままならず、希望はなく、淀んだ悲しみと無邪気な苦しみだけが国土を支配していた。日本はあまりに多くのモノを失いすぎたのだ。國常路は己が国を立て直すことを決意する。元々、日本の闇の社会で絶大な影響力を持つ國常路家の出だったが、戦後は積極的に政治、経済、教育の分野に関与し、その才覚によって多大な貢献をした。そうして日本において盤石の支配体制を築き上げていくのと同じ過程で國常路は新たな教育システムを立ち上げ、運用する。日本を導くカリスマを養成するためのシステム。人々はそのカリスマたちを「アイドル(偶像)」と呼んだ。これはもうひとつの『K』の物語── 

 

「アイドルK同時上演!」と発表された時には「いやアイドルてなんやねん意味わからんやろ」という感想しかなかったのだけど*1、このキャプションを読むと「ちょ、ちょっと面白そうやんか……」という気持ちになり、でもやっぱり本編が終わって休憩してる時には「いやこれどういう気持ちでアイドルK見ればいいわけ!?!」と混乱し――思い返してみればアイドルKにあまりにも翻弄されすぎている――そして今、実際にアイドルKを体感した私は、「吠舞羅芸能事務所の赤のアイドルキング・周防尊のファン」という設定でこれから生きていきたいと思っている。つまり最高でした。

 

前説は日南田顕久くんと松井勇歩くん。ゆーほくんが伏見の眼鏡にキス未遂をしたところで脳が壊れました。ゆーほくんには毎日深夜にしんたくんから電話がかかってくるそうです(かわいい)。

 

アイドルK、ここはジャニーズカウントダウンの会場なのでは?というくらいめちゃくちゃアイドルしてたし、曲もいいし*2、ライブ単体でもやってほしいレベルで最高だった。ドリライの時になぜか手足と唇が震えていたのだけど、今回も同じ現象が起こり、終いには自然と体全体でライブを楽しんでおり、「この震えは私の内部から沸き起こるRythem」と悟りました。地蔵派だと思ってたのに……!

それから、赤のアイドルキング尊さんが最高の最高の最高で、最初から最後まで尊さんしか目が追ってくれなかった。尊さんは踊ったりしないし、笑顔もふりまかないし、ほとんどステージの上で煙草を吸ってるだけなんだけど、時々煙草でリズムをとってたり、客席に向かって指でくいっとファンサをしてくれるの……新規だからまだ尊さんの単独ライブに行ったことないんだけれど、特効の中ポップアップで登場した尊さんが「燃やすぜ」って言ったらファンが「No blood! No bone! No ash!」って合唱するんだろうな(アイドルキング周防尊の新規ファンとしての感想)。真剣な話、通路の少し後ろくらいの席だったので結構キャストが通ったんですが、尊さんが来たときは硬直してしまって手拍子すらできなかった。まさなりくんが特別好き!というわけではないんですが、Kステで尊さんを演じてるときのまさなりくんの美しさはこの世の美の頂点だと思います。確実に劇場にいる人全員尊さんに抱かれてた。こんなとち狂った企画をしてくれた偉い人本当にありがとうございます。Kは狂ってるのK。

 

カテコできしたくさんの挨拶に思わずつっこみを入れたまさなりくんに対して「(尊さんじゃなくてただの)和田じゃん」というしんたくん、そんなしんたくんに対して「お前もただの安西じゃん」と返すまさなりくん、そんな二人に「楽屋でやれ」と治める植ちゃんの図もたいそうかわいかったです。

 

 

 余談

www.youtube.com

 

www.utamap.com

めっちゃ伏見猿比古っぽいなって思った曲です

 

 

 

 

*1:追記:アイドルKって公式でそういうパロディ?があるらしいですね・・・!のちに知りました

*2:八田曲はKAT-TUNのReal FaceっぽさがあるしキングのデュエットはKinKiっぽさがあった

はじめてのドリライ


ドリライへ行ってきた。周知のことだろうが、ドリライとはテニミュのコンサート、Dream Liveの略称である。

ドリーム、を冠するだけあって、本当に夢のような、最高の体験としか言いようがない。特別な空間で特別な時間を過ごした。興奮冷めやらぬ中、自宅へ向かう電車は暑く、そこで自分たちが汗をかいていることに気づく。まだ5月だというのに、まるで熱帯夜。血の巡りがすごい。

友人は「TSC入会しようかな」とぽつりと漏らす。わたしたちは、テニミュ3rdシーズンを追っていくことを決めていた。なんならそのずっと先もテニミュを追っていきたいという気持ちが芽生えていた。


正直言うと、序盤はあまり乗れなかった。理由はいくつかあって、ひとつめ、訳あって当日券を購入したので友人とはバラバラの席だったこと。ふたつめ、山吹出の新規なので曲もノリもきちんとわかっていないこと。そしてみっつめ、そもそも声をあげてはしゃぐタイプでもない。ただただ周りと合わせてペンライトの色を変え、曲に合わせて振るのに必死だった。しかし、徐々にそのあたりに慣れてくると、楽しむ余裕が出てくる。胸の位置でささやかに振っていたペンライトも、盛り上がりに合わせた感情豊かな振り方へと変わる。終盤にはもはやひたすらノリノリでラケットを振るオタクと化していた。

どんなにノリの悪い人間も、ドリライへ来ればラケットを振るほかないのだ。彼らの歌い踊る姿は、壮大に展開する曲も手伝って、まるで神話の物語のようである。もしくは宇宙の起源か。眩い光の中に秘められた神秘性、ドラマティックな物語、無限の可能性。この崇高さに対して、讃え崇め奉りたいと感じるのは至極普通の心の働きのように思う。あれは一種の宗教体験だった*1 。


そしてダメ押しはハイタッチ。何度か言っているが、わたしはこの手の接触が苦手だ。というか、明るいところで、美しい人たちが自分の顔を目にする、というのが本当につらい。のだが、ドリライの熱にやられて脳みそが処理落ちしている状態では、そんな自意識は捨て置かれるようだ。通路席だったので来るキャスト来るキャストとハイタッチがある。もはや一体誰とハイタッチしたのか思い出せない。財木くんと田中くんとは確実にしたので、終わってから友人に財木くんとの間接ハイタッチを施した。ハイタッチ時、キャストの手が湿っていたので、ああイケメンも手汗かくんだな、と妙にリアルな感想を抱いた。曲が終わると手足とくちびるの震えが止まらなかった*2



ということではじめてのドリライ、まじで最高に楽しかった。最近の流行りっぽく言うと#ドリライはいいぞ #テニミュはいいぞ 、というところだろうか。個人的には1stキャストの森山さんが出演していたのを見て、今の3rdの子たちが10年後のドリライにゲスト出演している姿を本当に見たいなと思ったのでした。テニミュ100周年まで生きたい。そこまで行ったらテニミュ専用劇場が全国に出来てそうだなぁ。最高!





*1:cf. 神秘体験 神秘体験 - Wikipedia

*2:誇張なしで、産まれたての子鹿の震え方をしていた

私情しかない劇場レビュー

2016年5月、シアターBRAVAが閉館してしまう。私は『ナミヤ雑貨店の奇蹟』でBRAVAともお別れである。

www.sponichi.co.jp

まあ、閉鎖は閉鎖でも「いったん」閉鎖、という形であり、(いつになるのかはわからないが)次にオープンする劇場にも期待を寄せている。しかし、思い入れのある劇場がなくなるのは少々寂しい。

 

 

ということで、というわけでもないけれど、関西の主な劇場を99%私情で紹介していこうと思います。「この劇場、初めて行くけどどんな感じだろう?」と検索して引っかかった方には申し訳ありません。音響とかその辺には何も触れていません。つまり何の参考にもなりません。

 

 

 

●シアターBRAVA!

theaterbrava.com

キャパ:1136席(1階:743席、2階:393席)

最寄駅:京橋、大阪城公園

私含め、周りでは「近くに行く度写真を撮りたくなる」と話題の劇場。あのロゴがそうさせるのでしょうか。個人的にはここでペダステを観たことから全てが始まったので、特に思い入れのある劇場です。割とアクセスが良いのでは? 周りにもいろいろあるので、ご飯なんかにも困らないのかな。大体天王寺で済ませるからわかりません。ちなみに、京橋の辺りは治安が悪いイメージがあるので観劇以外で殆ど散策しません。京橋から行く場合は片町口から出ましょう。ただただ好きな劇場です。

 

京都劇場

www.kyoto-gekijo.com

キャパ:941席(1階:693席、2階:248席)

最寄駅:京都駅

京都駅ビルにあるのでアクセスはとっても良いですし、劇場の中では家から一番近いので好きです。私の中では完全に「劇団四季の劇場」のイメージだったので、薄ミュがここで上演されると聞いたとき驚きました。ここでも無駄に写真を撮りたくなる。レッドカーペットのせいです。座席も真っ赤です。なんだかんだ薄ミュでしか行ったことないのですが、近いし雰囲気も好きなのでもっとここでやってほしいし薄ミュは京都劇場に戻ってきてほしい。勿論キャパとかもろもろの事情があるのはわかっていますが。

 

 

森ノ宮ピロティホール

森ノ宮ピロティホール

キャパ:1030席

最寄駅:森ノ宮(駅がきれい)

なんだか今年お世話になりそうな予感がする劇場。メサイア新シリーズはここでやっていくのかな? スタッフさんのトイレ捌きが鮮やかだったのが好印象です(トイレは大事)。ピロティという特性のためか全体的になだらかな傾斜がかかっていて、どの席でも割と見やすいと思います。すぐそばにキューズモールもあって、ご飯にも時間つぶしにも困りません。というかキューズモールの陰に隠れてひっそり建っている印象が強い。冬には入口の木にイルミネーションが施されます*1。ちなみに、階段で写真を撮ると劇団Patchごっこが出来ます。楽しいよ!

 

●メルパルクOSAKA

www.mielparque.jp

キャパ:1010席(1階:738席、2階:272席)

最寄駅:新大阪

正直新大阪は本当にメルパルク行く以外で降りたことがないです。「新幹線で通過する場所」から「メルパルクのある場所」になりました。Kステで初めて行ったんですがその時お尻が痛くなったのでちょっと苦手意識が拭えません。あとちょっと遠い・・・。駅からのアクセスは良いです。周りにもビルとかあってご飯の心配はいらないかな。

 

 

梅田芸術劇場

www.umegei.com

キャパ:メインホール1905席(1階:1077席、2階:420席、3階:408席)、シアター・ドラマシティ898席

最寄駅:大阪、梅田など

梅芸には何の罪もないのだけど梅田にあるので私は迷います。そもそも大阪駅で迷子になる・・・。その点ではアクセスは悪い。近くにNU茶屋町もあるし、というか梅田なので食べるのには全く困りません。メインホールはペダステで一回行ったけど1階席だったので2、3階からの眺めはわからないんですが、どんな眺めなんだろう・・・。なんとなくジャニーズが公演してるイメージが強くて、よその現場に来ちゃった感があって緊張する劇場。シアター・ドラマシティは地下にあるのですが入口で迷いました。

 

 

新神戸オリエンタル劇場

新神戸オリエンタル劇場

キャパ:639席(1階:472席、2階:84席、3階:83席)

最寄駅:新神戸

椅子がめちゃめちゃふかふかです。そしていい感じにおしゃれな雰囲気の劇場です。新神戸からすぐ着くのですが、まあ新神戸自体が遠い・・・。さらに定期も通らないので交通費もかかる。でも好きな劇場です。なんたって椅子がふかふかだから。観劇の際お尻が痛くなる問題が一切ありません。メサイア以外で行ったことがないので、今年からは疎遠になりそうな予感。

 

 

 

関西で公演する規模の若手俳優の舞台だとまあ大体この辺りの劇場でやってるんじゃないでしょうか。しかしこう見ると新神戸から森ノ宮ってかなりキャパ違うんですね。メサイア思い切ったなあ。

 

 

*1:追記:友人情報によると、ダイステの時(4月)もイルミネーションあったそうです。謎が深まる・・・

ハイステ再演

f:id:tsukko10:20160414095829j:image
2016.04.13 ソワレ @シアターBRAVA


ハイステ再演を観てきました。再演ということで、初演とどう変わってるんだろう?というのがやっぱり一番にあって。ただ、正直初演を事細かに覚えているわけではないので、どこがどう変わって〜という話は自信を持ってはできないのですが・・・。

まず、わかりやすく変わっていたのはライブカメラ。漫画のコマのようにスクリーンに表情を映し出す演出は初演でもありましたが、前撮り映像だったんですよね。再演では一部を除いてリアルタイムの映像が! どこから撮ってるんだろう? 練習試合では武田先生が撮る記録映像用ビデオカメラと連動してました。少しでも立ち位置がズレると困る演出なので、やる方は大変だなぁと思いました。

それから、レーザーが追加されていました。開演前からスモークで満ちていたのでもしや?と思っていたら、バリバリレーザー使用してました。演出とレーザーが組み合わさって、余計舞台の奥行きというか立体感が増した感じがするし、単純にレーザーが飛んでるとアガる。
もちろん他にも色々変わってたんだろうなあとは思うのですが、私にはわからなかったのでこの辺で。

再演、本当に良くて。今回は一階席のほぼセンターから観たので、映像とお芝居のシンクロ加減が本当に良く伝わってきました(初演は二階席から観ていたので)。舞台という限られたスペースが、プロジェクションマッピングを取り入れることで拡張されているのだなあと。私の浅い観劇経験から言えば、ハイステは所謂2.5次元舞台の中でも2次元に寄った舞台だと思っていて。OPでもそうだし、箇所箇所の演出でもそうですが、ハイステではあくまで物語が漫画の世界で展開されていることをずっと示してくる。一方で、たとえば及川の客降りだったり、縁下の客席煽りだったり、こちら側とあちら側が地続きだと錯覚させるようなこともやっている。結果、体感として、漫画が3次元に起こされている、というより、我々観客が2次元に飛び込むという方がしっくりくるというか。それから、もう根拠も何もないけど、舞台のもつ力や可能性を信じさせてくれる作品だなって思います。

とか、まあ色々思ったし、色々考えたけど、観劇後ほとんど「たつなりくんに合法的に缶ジュースをおごりたい」しか言えなくなりました*1。どうすればいいですか?



ニッチな感想
・青城のモデル感(特に国見役の有澤くん)。登場するたびに「メンズノンノじゃん」と思った
・花巻役の成大くんの眼光の良さ
・坂ノ下商店でスタメン発表のとき、田中が影山の口に肉まんをつっこむ
・OPで縁下が壁を壊すみたいな演出で泣きそうになるキモオタis我
・最後の得点のときに烏野全員が舞台中央に寄るところでセンター縁下のエモさ
・多分初演よりキャラ同士の絡みが多い(そしてそれに呼応するような隣のお姉様方の嬌声)
・シンクロする花巻松川の動き
・カテコ挨拶は内田さん「休演日に造幣局桜の通り抜けに行ったらめっちゃ綺麗だった」(舞台関係ない!とつっこまれる)
・祥平くん、確実にお芝居が上手くなっていってる・・・涙

追記
・練習試合後に縁下が即下手にハケてて「???」と思っていたらモップで掃除し出してこの子はもう!!!と思った
・ジャージもらうところで田中が縁下を攻撃した結果、ジャージの入っていた段ボールが壊れる
・情緒不安定な武田先生
・武田先生役の内田さんの素の声と話し方が好き
・及川の「元気に王様やってる?」のトーンがたぶん初演とがらっと変わって低くなってた





*1:初演でも言ってました

3月の記録

 

 

さて4月です。4月というと椎名林檎の『ギブス』が自動再生される脳みそです。さすが3月は去る、というだけあって、教習バイト教習バイトで慌ただしく過ぎ去ってしまいました。この1カ月全くエントリを書けずじまいだったので、3月に観た舞台の感想を記そうと思います。どうぞ。

 

 

3月2日 『ETERNAL CHIKAMATSU』

@シアター・ドラマシティ

www.umegei.com

 

わたくし大学では国文学を専攻しておりまして、授業で人形浄瑠璃なども少々嗜んでおります。なんちゃってですけど。『ETERNAL CHIKAMATSU』は近松門左衛門の『心中天網島』を題材にしたお話で、チケットも普通にとれるし~という感じで観てきました。パンフレットに(すごく個人的なことで)衝撃を受けたり 、私の中でのおさん像と若干違ったりはしましたが概ね良かったです。演出が本当に素敵でした。そして中村七之助が本当ーーーーーに美しい!女形の方の所作ってあんなにも美しいものなのか。余談ですが中島歩くんは『フェードル』でも松田凌と恋愛してたな・・・と思いました。

私の近くに恐らく七之助ファンのおばさま方がいらしたのですが、歌舞伎役者のファンって本当にパッション溢れてるなあと思いました。この間テレビで大衆演劇の特集を見ていて思ったんですけど、将来はお金持ちのマダムになって自分の趣味につぎ込みたい。数十年後何にハマってるんだろう!?テニミュ10thシーズンとか追っかけてたらちょっと面白いな。テニミュは100年以上続いて伝統芸能になってほしい。

 

 

 

3月27日 シアターシュリンプ第2回公演『ガールズビジネスサテライト』

森ノ宮ピロティホール

www.theater-shrimp.com

【シアターシュリンプとは】スターダスト芸能三部のアイドル、私立恵比寿中学の舞台。エビ中は昔にちょっとハマっていた時期がありました。今は全然追ってないので新曲とか新メンバーのことはあまりわかってないし、このシアターシュリンプというプロジェクトも初めて知ったのですが、スタダ狂いの友人Yを軽く誘ってみたところ釣れたので行きました。若手俳優が出る舞台観劇に行くと大抵周りが女性なんですが、今回はその逆でした。トイレめっちゃ空いてるし、喫煙所で大量にたむろしてるし、あー女子ドル現場だ、と思いました。そんな肩身の狭い中、C列ドセンを引き当ててしまって戦々恐々。普段もこの運発揮してほしいところですね。

一言で言うと、とあるファミレスで起こるドタバタコメディ。でも各登場人物からすればその全てが真剣で、悲劇的状況だったりする。チャップリンの言葉で「人生はクローズアップで見れば悲劇。ロングショットで見れば喜劇」というものがありますが、何となくその言葉を思い出す舞台でした。ぁぃぁぃ(廣田あいか)が印象的でした。全然違うんだけど『道』のジェルソミーナを重ねて観ました。あとは彩花(安本彩花)の男装が本当に最高にかわいかった。日本の宝。デス電所の浅見さんもかわいかったです。

友人Yは舞台楽しいね!と言ってくれたし、テニミュにも興味があるらしいので連れていきたいと思います。彼女は観劇後、某エビダンの現場へ颯爽と向かっていきました。スターダストに搾取されるのもまた人生ですね。

 

 

 

3月27日 舞台『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~ライブビューイング

www.marv.jp

前回のイレギュラーにそんなに入れ込めなかったこともあって、チケットをとるモチベーションがなく見送っていたのですが、なんかやっぱりペダステを見届けたい気持ちがむくむくと湧き上がってきたのでライビュに行ってきました。ペダステって演者的にめちゃくちゃ体力を使う舞台だと思うんですが、観る分にも精神的にどっと疲れるというか、気力のいる舞台です。イレギュラーは完全にそこが問題で疲れてしまったんですよね。今回もちょくちょく集中力が途切れてしまって・・・でも好きなエピソード*1、好きなキャラ*2のおかげで何とかなりました。ライビュなのも大きかったかもしれないです。個人的には100点!いや200点あげる!!と言いたい部分と、もう疲れたから休憩させて!という部分の落差が激しかったかなあ。チーム二人が倒れ込むところと杉元が優勝できなかったことを知るシーンでは割と本気でちょっと泣きました。今泉に声をかけられた時の表情だけで山本一慶は天才だって確信しました。鯨井くん、顔も身体もつよくて本当によかったです、好きです。ナミヤでも見られるので楽しみ。

 ところで「植ちゃんのアイシャドウめっちゃ綺麗」ってペダステを観たらいつも思います。ハイライトの入れ方とか、グラデとか、めっちゃ綺麗ですよね。

 

 

 短いですけどこんなところでしょうか。とりあえず4月はハイステ再演が控えていますのでそこに向けて調整に入っていこうと思います。今回も私は達成くんのブロマイドを買ってしまうのか。

 

*1:合宿、ウェルカムレース

*2:手嶋、杉元

テニミュをみている

 

最近はもっぱらテニミュを見ています。先日3rd山吹を見てから、友人に借りたDVDだったり前にWOWOWで放映されたものだったり、少しずつ。2ndの不動峰・ルド吹・氷帝は見ました。

 

感想はもう「最高」の二文字に尽きる。これまで見てなかったのが不思議なくらい最高です。教習行ったりバイト行ったりしている中でも、常に「テニミュが見たい・・・」と言っています。中毒患者のようだ。下品な言い方をすれば、テニミュはもはや合法ドラッグですね・・・。

 

歌も演技もダンスも(時々上手い人はいても)全体としてレベルが高いとは言えないんだろうな、というのは素人目にもわかります。でもそんなの全部すっ飛ばして最高なんですよね。観客を楽しませる夢の世界です。ディズニーランドに負けてません。本当に最高の総合エンタメ作品だと思います。見るだけで楽しいし、きらきらしてるたくさんの男の子たちに声援を送ることをめちゃくちゃ肯定してくれる。

 

軋むテニスシューズの 音を覚えていてね
弾んたテニスボールの ラリーを覚えておいてね
試合が終わった後も 人生は続いて行くよ 

滲む悔し涙の きらめき忘れないで
決まった勝利のポーズ 瞳に焼き付けておいてね
今後の俺たち全員 この日を忘れはしないよ

 『頑張れ 負けるな 必ず勝て』の歌詞、俳優たちのことを考えながら聴くとめちゃくちゃ沁みるんですよね。三ツ矢雄二よ・・・。

 

 

ところで、情報として知ってはいたのですが、見てみると本当に知ってる子ばっかり出てるな~と驚きます(2ndの話)。まさしく若手俳優の登竜門。みんな初々しくて最高にかわいい・・・。

 

 

 

テニミュ、全人類に見てほしい。日本に生まれてよかった。東京オリンピックテニミュやんないかなー。クールジャパンっつって。

 

 

公開する前に 読み返してみたら、このエントリ、「テニミュは最高」の一言でおさまる・・・。

 

The calling

2月20日(土)HEP HALL


劇団パッチ4期生お披露目公演『Four contacts』企画パートの感想は既に書いたので、芝居パートの感想を。


しかし梅田はあまり行かないので迷います。さすがウメダンジョン。HEP HALLに入ると、ユニバーサルシティを彷彿とさせるセット*1が。真ん中には大きな4!


ちっぽけな街の4人の少年たちは、高校の卒業を間近に控えていた。
もうすぐそれぞれの道を行くが、自分たちの友情は永遠だと信じていた。
しかし遠い夏休みの思い出が、固い絆で結ばれた彼らの未来に影を落とす。
高校生最後の日々を謳歌する彼らの身に、やがて事件は巻き起こる!
青春・友情・UFO!呼び掛ける声を追い求め、目指せファーストコンタクト!
ストーリーはこちら。(公式HPより)

このあらすじを読んで想像していたストーリーと全然違いました。幕が開けると(幕ないけど)荒廃しきった世界が広がっておりまして、食糧も十分になく、ラジオから流れるニュースによれば地球の人口が激減しているとのこと。(「えっ・・・世紀末・・・?」という戸惑い)なぜこうなったのか?をタケルが回想する、という構成です。

タケル・トオル・ユウヒ・ダイゴの4人が軽音楽部*2に所属していて、その演奏を聴いた先生(山浦さん)が「ブライアン・エプスタイン*3になった気分」「演奏は上手い下手じゃなくて、大事なのは心」的なことを伝えたのが、山浦さんから4人への温かいメッセージと思うとちょっと嬉しくなりました。

ボーカルのユウヒが実家のとんかつ屋を継ぐから辞める!と宣言したのをきっかけに、4人の平和な日常が崩壊し始めるわけですが、ここから中盤にかけて、ユウヒの精神状態がヤバい。ユウヒがバンドを辞める理由は、実は「地球が危機に瀕していると伝える声が聞こえる」というものだったのですが、誰にも信じてもらえない。更には、トオルやダイゴが実は宇宙人なのではないか?という猜疑心から、暴走してしまう。暴走の結果、父親を亡くしてしまう・・・という目も当てられない状況に。「嘘じゃないんだ、信じてくれ」と訴えかけたり、信じてもらえなくてカッとなってしまったり、そのことに気づいてすぐ謝ったり、感情の忙しいこと。演じるぶんにはわかりやすいっちゃわかりやすい役柄ですが、体力消耗が激しそう(注目:ゆうひくんの汗の量)。

結局、ユウヒが言っていたことは全部本当で、オリオン座のベテルギウス超新星爆発し、ガンマ線が降り注いでなんやらかんやらで地球に紫外線が降り注ぎ、冒頭の世紀末状態に陥るわけです。ユウヒが聞いた「声」は、実は宇宙人向けの放送だったのですが、なぜそれが人間のユウヒに聞こえたのかは劇中で明かされません。なんでだろう・・・。

ユウヒに宇宙人と疑われたトオルは、本当に宇宙人だったうえに、なんと地球に来てからまだ数年しか経っていなかったことがわかります。回想で小五の夏に4人で先生の尾行をした思い出が語られるのですが、そのときにトオルは一言も喋ってないんですね(気になったので覚えてます)。それはトオルが植え付けた偽の記憶だったから。少しズレた言動*4も、宇宙人だったからでした。トオルは、超新星爆発が起こる前に、「一緒に地球外に逃げよう」とタケルに持ちかけます。なぜタケルなのかというと「小さいから」「いいやつだから」。タケルが腰を抜かして後ずさりしているのに、キラキラした顔で「一緒に逃げよう」とせまるトオル、タケルの「自分だけじゃなくてみんなを助けなければ」という考え方にいまいち共感できないトオル、やっぱりちょっとおかしくて最高だなと思いました。*5でも、なんやかんやで1人で逃げずに地球に残って環境に適応できず弱るトオル、愛おしい。

ユウヒに疑われた人その②のダイゴは、高校卒業後はニューヨークに行くとか言ってて、メガネだしニヒルとか称されてるから勉強できるキャラかと思いきや授業中がっつり寝ているという。昔と性格がガラッと変わったから宇宙人が入れ替わってるんだと言われたり(ユウヒに)、殴られて入院したり(ユウヒに)、割と災難な目にあっている人。病院で「自分は宇宙人だ。一緒に逃げよう」とタケルに持ちかけ、拒否されると「冗談だよ、人は変わるもんなんだよ」と遠い目をするんですが、なんやかんやで本当に宇宙人でした。しかも父親が宇宙の偉い人だった(ボンボン!!!)おかげで、上と掛け合って地球を救ってくれる救世主。おいしいところもっていく。

トオル、ダイゴの両方に「一緒に逃げよう」と持ちかけられるタケルくん、モテモテだな。彼女のみっちゃん*6に振られるのですが、みっちゃんも多分宇宙人だったんでしょうね。宇宙人に好かれる男、タケル。「いいやつ」と評される彼ですが、周りがエキセントリックすぎる感はあります。明言されてはないですが、実質タケルが主人公だと思います。


演技力に関しては、もちろん発展途上だとは思いますが、想像よりよかったです。キャラ的なものもあると思うんですが、ユウヒとタケルが言い合いをして叫ぶ場面が多くて、足し算の印象が強かったので、これからうまく引き算が出来ていけばいいな・・・などと思いました(余談ですが、情緒不安定になったユウヒ、兄と激似でまともに見られませんでした)。

4人の色んな格好が見られるのも良かったです。学ラン、半袖半パンの小五、リーゼント、セーラー服、病院服、とんかつ屋・・・特にゆうひくんとだいごくんはいっぱい衣装替えがあって大変だな!と。リーゼントのときの2人、輝いていた・・・。殴られ役お疲れ様です。納谷くんは納谷くんで、回し蹴りしたり、50人と戦うの本当大変そうだな〜と思いました。

細かい部分で気に入ったのは、「近所の引きこもりが山の模型をつくりだした」という『未知との遭遇』ネタっぽい台詞ですね。SFってあまり見ないジャンルなのですが『未知との遭遇』は見たことがあって。もしかしたら他にも色々SFネタが散りばめられてたのかもしれない。おさびし山はムーミンですよね?


そして何より山浦さんがめちゃくちゃ良かった・・・。他のお芝居も見てみたい!と思いました。素敵です(余談ですがお隣のお姉さんが山浦さんが好きっぽい反応を示していました)。山浦さん、インタビューで半分あてがき、という話をされていたのですが、タケルの主人公気質とか、ダイゴのおいしいところもってく感じとか、なんかめっちゃわかるな・・・と思いました。全体的に世紀末感を漂わせながらも最後は友情で世界が救われる*7という明るい終わり方になっていて、船出の公演にはふさわしいし、山浦さんには頭上がらんな・・・などと思いました。ありがとうございます。


一度しか見られなかったのがちょっと残念。面白かったです。




*1:ユニバーサルシティ駅からUSJまでの間にあるお店の看板の感じ

*2:先生曰く「けいおん!!楽部」

*3:ビートルズのマネージャー

*4:絡んできた不良のリーゼントをみて「ハンチング」とか言う。ちなみに不良はゆうひくんとだいごくん

*5:惜しむらくは舞台中央の低い位置でのお芝居だったので席的にあんまり見えなかったことですね・・・。

*6:ハダカデバネズミ似

*7:セカイ系、オタクだからテンション上がる