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ある日目覚めたら、推しが「空想上のいきもの」になっていた――PRODUCE 101 JAPAN練習生、佐々木真生くんのこと(1)

 

 あなたは、推しが「空想上のいきもの」になったことがあるだろうか。わたしはある。つい1週間前の話だ。

 

 11月16日。少し早めに目が覚めたら、推しのTwitterの更新通知が来ていた。虫の知らせというやつか、何となく胸がざわめいた。慌てて通知を開くと、すでに当該ツイートは削除されていた。ついでにアカウントも。急いでInstagramにもアクセスしたが、時すでに遅し。そこにも、もう推しの姿はなかった。

 

 スクリーンショットを撮ってくれていたフォロワーのおかげで、最後のツイートの内容は確認できた。

 

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▲この投稿の前にアイコンを変えててかわいいと思いました

 

 彼らしいな、と思った。自然と涙を流しながらも、いや深夜3時に投稿して消すなよ、と少しだけ笑った。夜行性すぎるだろ。寝ろ。

 

 こうなることは何となく予想がついていた。そもそも、脱落が決定した第2回順位発表式の放送後、「SNS、やらなさそうだよね」と友人と話していたくらいだ*1。ファンダムの中でも、同じような印象を抱いていたひとは多かったんじゃないかと思う。それは彼の性格——といっても放送を見てわたしたちが勝手に想像しているものでしかないけれど——からみて、そんな感じがする、というぼんやりとした印象に加えて、脱落決定後の彼のコメントのこともあった。

 

 

 

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▲5:55~が佐々木真生くんのコメント

 

 「もうどこかで見てもらう機会はないかもしれないですけど、空想上のいきものとして、またかわいがってください」。これまで、自分のためには決して人前で泣かなかった子が、明らかに泣いたあとの顔でそう語っていた。最後まで賢くてやさしい子だな、と思った。今後彼が一般人として生きていくとしても、少なくとも、<日プの練習生として存在した「アイドルの佐々木真生」のことは勝手に愛してもいい>という免罪符をくれたんだ、と受け取ったからだ。

 

 だから、放送後すぐにTwitterInstagramのアカウントが開設されたときは、正直見間違いかと思った。

 

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▲bioがわけわかんないけどかわいいから許す

 

 嬉しさと同時に、あまり更新はしないんだろうな、と思っていたから、その後も他の練習生にリプライをしたり、Instagramのストーリーに投稿したりするのを見るたび、違和感はあった。だけど、もしかしてこれからもたびたび投稿してくれるつもりなのかも、と少しだけ期待をした。

 

 ▲オタク、完全に浮かれポンチである

 

 そんな折に、開設からたった1日でSNSを綺麗さっぱり消してしまったのだ。まさか宣言通り「空想上のいきもの」になってしまうなんて。最後まで彼なりの「アイドルの佐々木真生」を見せようとしてくれたこと、そしてそれがわたしの考えていた「アイドルの佐々木真生」像と完璧に合致していたこと。これだから好きになったんだよなあ、と納得する気持ちと、なんてたちが悪いんだ、と恨む気持ちが混在していて、今も胸のうちはしっちゃかめっちゃかだ。本当は、自分の言葉でファンに感謝を伝える場/ファンがメッセージを伝える場を設けてくれたこと自体がボーナスステージみたいなものだから、それだけでも感謝すべきなんだろうけど、わたしは欲張りだから、一度与えられたものを手放したくないと思ってしまう。身勝手だけど仕方がない。 それくらいは許してくれないと困る。

 

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 「永遠/一生/ずっと好き」なんて、ほとんどの場合はありえない、ということを、身をもって知っている。けれども、こんな風に、勝手に、永遠にされてしまったらどうしようもない。こんなの、呪いみたいなものだ。とびきり愛しくてかわいい呪い。そっちがその気なら、こっちはこっちで絶対に忘れてやらないからな。とはいえ記憶は薄れてしまうし情報は流れていってしまうから、せめてもの抵抗として、インターネットにアーカイブを残そうと思う。後追いで日プを見るひとのために。万が一、彼がふたたび表舞台にあらわれたときのために。そして何より、佐々木真生というアイドルが存在したことを、わたし自身が忘れないために。

 

もしも誰かが、何百万も何百万もある星のうち、たったひとつに咲いている花を愛していたら、その人は星空を見つめるだけで幸せになれる。〈ぼくの花が、あのどこかにある〉って思ってね。

——サン=テグジュペリ星の王子さま

 

 

11/22追記:思った以上にたくさんの方から読まれていたようで、はてなブログのトップに少しの間掲載されていました。なんでわたしがトップに連れていかれてるんだ、逆だよ!

*1:注:PRODUCE 101 JAPAN(通称・日プ)の応募条件は「事務所に所属していないこと」であり、もともと芸能活動をしていなかった子たちもたくさんいる。脱落後に芸能活動をするかどうかはわからない