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「PRODUCE X 101」キム・ソンヒョンへの不当な扱いに対する抗議運動についてのアーカイブ #MMO_김성현_위약금_철회해 

 

はじめに

 このエントリーは、PRODUCE X 101に出演していた練習生、キム・ソンヒョンのグループ(IN2IT)脱退および事務所退所における騒動と、ファンダムによるTwitterでの抗議運動についてのアーカイブです。

 キム・ソンヒョンやIN2IT、PRODUCE X 101を知らない方、そもそもK-POPにもアイドルにも興味がない方、そういう方にも今回の騒動について関心を寄せていただきたいと思い、ここに騒動の背景、経緯、現状を記します。

 

騒動の背景

 キム・ソンヒョンについては、手前味噌になるけれど、以前のエントリーをご参照ください。

tsukko10.hatenadiary.jp

 

 PRODUCE X 101終了後のソンヒョンは、Instagramへの数枚の写真の投稿、1度だけ開催されたインスタライブ、他の練習生のインスタライブへの出演、他の練習生のファンミーティングの観覧、その程度の動きしかありませんでした。さらに、彼の所属していたグループIN2ITのソンヒョン抜きでのカムバック発表、他メンバーによる「自分がマンネ*1」という発言(実際はソンヒョンがマンネ)から、ソンヒョンの脱退説が噂されていました。

 

 そして9月5日午後0時、IN2IT公式Twitterから下記発表がありました。

 

 ここで知らされたのは、ソンヒョンが個人的な事情によりグループ脱退を選択したということでした。

注:私は韓国語が読めないため、ファンによる英訳を読んでいます(今後の様々な記事に関しても同様)。そのため、細かなニュアンス等々は汲めていなかったり、受け止め違いがあるかもしれません。その場合はコメントやTwitterのリプライ等で教えていただけますと幸いです。

 

 この時点では、脱退説は本当だったのだな、どこか別の事務所に移籍する可能性もあるのかな、という程度の感想でした。

 

 しかし、同日、ソンヒョンのInstagramに長文が投稿されました。

((英訳は下記を参照

 

)) 

 

www.instagram.com

 

 

 彼の主張を要約すると、下記の通りです。

  • IN2ITを結成して2年間、携帯料金月5,000円以外は支払われていない。契約金も未払い。
  • IN2ITとしての活動が1年間なく、会社へ訴えると「少年24(IN2ITが結成されたサバイバル番組)」に投資しすぎたため、IN2ITには投資する余裕がないと言われ、活動できなかった。
  • ヘアメイク等もメンバーが自費で行っていた。
  • 「PRODUCE X 101」終了後、ファンミーティング実施を希望したが、会社から却下された。
  • Instagramの更新も会社から止められていた。
  • ソンヒョン自身が実質収入がない中、父親が病気のため仕事を続けられなくなってしまった。家計を助けるために安定した職に就こうと退所を申し入れたが、違約金3,500万円(CEO(おそらくMMOの)がCJと交渉して1,200万円に減額)を要求された。支払わなければ契約解除すらできない。

 

 ソンヒョンは、事務所の対応に不信感を抱いたこと、IN2ITとしてデビューしたことが自分にとって毒になった、とまで書いています。弱冠23歳、しかも月5,000円の携帯料金しか受け取っていないソンヒョンに、1,200万円なんて大金を支払えるはずがありません。これはまごうことなき搾取です。若い彼らの夢や希望をダシに無給で労働させたうえ、経済的な困窮を理由にその夢を諦める選択をすれば違約金を要求する(しかも、まともに活動をさせてこなかったにもかかわらず、です)。

 

今思えば、ソンヒョンが「PRODUCE X 101」に出演したのは、それが彼にとっての一縷の望みだったからでしょう。彼が活躍すればIN2ITが注目される。しかし、ソンヒョンは全く放送分量をもらえませんでした。メインラッパーの曲もラップ全カット。結局彼は途中で脱落しました。Mnet(「PRODUCE X 101」や「少年24」の制作会社)にとって「少年24」は黒歴史扱いだからという噂が囁かれていますが、定かでありません。

 

ソンヒョンは、私の知る限りでは、とても優しく、ファン想いで、素敵なアイドルです。アイドルでいることを一番願っているのは彼自身でしょう。それでも経済的な理由でその道を諦めるという苦しい決断をしたのです。しかし、事務所はそれすら許してくれない。これはソンヒョンとIN2IT、MMOだけの問題ではなく、K-POPのアイドルとその所属事務所、もっと言えば世界中の芸能事務所の問題として議論されるべきだと考えます。

 

このような実態を許してはならない、と生まれたのが今回のハッシュタグ「#MMO_김성현_위약금_철회해(MMOはキム・ソンヒョンへの違約金の撤回を)」による抗議運動です。インターネットは我々に戦う武器をくれました。タグをツイートおよびRTすることでトレンド入りさせれば、多くの人の目につくはず。そうすればMMOもこの問題について無視することができないはず。その想いで私たちは必死に運動を続けました。

 

経緯

 もしかすると他のツイートが先にあったのかもしれませんが、私は下記ツイートでこの運動のことを認知しました。

 

 

 孤独部屋(カカオトークでのファンの集いのようなもの)でこのハッシュタグをトレンド入りさせ、多くの人から今回のことを知ってもらおう、という発案がなされたようです。決行は夜8時から、画像や動画はなし、必ずタグの前後に10文字以上の文言を入れること、等々の注意事項とともに拡散されていました。

 

 最終的に韓国でのトレンド入り(他国でもトレンド入りの報告があったようです)を果たしました。添付は10位時点のスクリーンショットですが、私が見た限りでは最高9位までのぼっていたはずです。

 

f:id:tsukko10:20190906183620j:image

 

 正直、ソンヒョンやIN2ITのファンダムは大きいわけではありません。それでもここまで話題を呼ぶことができたのは、ネットニュースなどでこの騒動を知ったPRODUCE X 101の他の練習生のファンたちを中心に、K-POPアイドルをとりまく劣悪な環境の変化を望む人々が協力してくれてここまでのムーブメントとなったのだと理解しています。タグに添えられるコメント(私は日本語と英語くらいしか理解はできませんが)を読んでいて、この運動に参加していた数時間、私はずっと泣いていました。ソンヒョンはこの運動を見てくれたでしょうか。

 

そんな中、IN2IT公式Twitterから、MMOの声明が投稿されました。

 

안녕하세요. MMO 엔터테인먼트입니다.

Read: https://t.co/dfdP2CIosC

— IN2IT 인투잇 (@Official_IN2IT) September 5, 2019

 

 ソンヒョンの声明に対して全面的な否定をしたうえで、あくまで違約金を要求する姿勢を崩さないという声明でした。抗議運動で多くの人の関心を集めても、ソンヒョンを囲う問題は変わっていません。事務所はこの抗議運動も時を待てば沈静化するものだと思っているのかもしれませんが、私はこれを看過できません。繰り返すようですが、これはソンヒョンを取り巻く小さな問題ではありません。「確かに酷いけど、芸能事務所じゃよくある話」だと思っている人がいるなら、こんなことが常態化しているのが異常なのだと考え方を変えてほしいと思います。

 

搾取されていい人間は誰一人いません。私は私の大好きなエンターテイメントとそれにかかわる人々が、心から楽しんでエンターテイメントを作り上げられる環境が一刻も早く整うことを望みます。「もしかしたら自分もあの時彼/彼女への搾取に加担していたのか」と考える必要がなくなることを望んでいます。

 

私たちの戦いはまだ続いています。今このエントリーを書いている9月6日には、新しいハッシュタグ「#MMO_위약금_세부내역_공개해(MMOは違約金の詳細を公開せよ)」が発足し、抗議は続いています。正直な話、このような運動は、ものすごく疲れます。体力的にも精神的にも。だけど戦いを、歩みを止めてはいけない。ここで何もせずに見ていたら、絶対に後悔する。私はそう思います。

 

どうか、このエントリーを読んでいる数少ない方々、1つのツイートをRTするだけでも構いません。この問題に関心を寄せて、できれば力を貸してください。

 

 

*1:韓国語で末っ子の意味