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ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』感想

romeo-juliette.com

2/23(木)マチネ@梅田芸術劇場メインホール

ロミオ:古川、ジュリエット:木下、ティボルト:渡辺、ベンヴォ―リオ:馬場、マーキューシオ:平間、死:大貫

 

個人的には

 初の東宝ミュージカルということでいいのかな? いまいち「東宝ミュージカル」の定義がわかっていません。「東宝制作のミュージカル」のこと? 2015年版のRENTは観たんですが、あれは東宝ミュージカルなんでしょうか。わかんないや……まあ大事なことではないし別になんでもいいか。とりあえずロミジュリ観てきました。

 

 私が触れたことのあるロミジュリは、ディカプリオの映画版(1996年)のみ。現代*1版として色々設定を変えているものです。キャラクターとお話の筋はそれで大体知っていました。「ディカプリオめっちゃかっこいいけどロミオって顔以外にいいところある!? すべてのタイミングが悪い!!!」くらいに思ってそれきりだったんですけどね……。なんでチケットを取ったかというと、毎日のようにロミジュリ(特にティボルト)の話をしている人がいたのと、個人的にミュージカルづいていたのと、生協割引でB席が3,500円だったからです。取ってよかった。

 

 ところで今回のロミジュリは「過去でも現代でも未来でもない、私たちの生きている時代をも超越した地球上に生きる人たちの『ロミオ&ジュリエット』」*2。携帯電話が出てきたり、衣装や演出がだいぶ現代的だな~、でも「現代版」と言うにはキャラクターの考え方や制度や両家の確執なんかが古めかしすぎるな……文明は発達したけど文化はそのままなパラレルワールドかな……と思ったのは大体正解だったっぽいです。あー、パンフ写真をレスリー・キーに撮ってもらえるのめっちゃ羨ましい。そう、完全版のパンフを買いました。あんまり買う気なかったのにめちゃくちゃ欲しくなって買ってしまいました。ビジュアルブック正味最高では? 古川くんと渡辺さんのページで失神しました(美しすぎて)。

 

 

感想(主にマキュ)

 もうすでにダダ漏れていると思いますが、ロミジュリに予想の100倍くらいはまってしまってます。ストーリーもキャラクターも知ってるのになんでそんなに心揺さぶられるの、と思いました? 大体マーキューシオのせいです。観終わってからずっとマキュちゃんのことを考えて泣いてます。以下、マキュについての感想です。

 

 マーキューシオはもう出てきた瞬間から好きだな~~と思って(ああいうキマってる役はやっぱり好きになってしまう)、「憎しみ」でベンヴォーリオにナイフを取り上げられてたり、キャピュレットの女ひっかけにいくべ!って言ってる時の動き(手で女体のカーブを描いて腰を振る)がめっちゃ下品で最低だったり、「マブの女王」の恋の火遊びを~♪のあたりで歌詞に合わせて手でハート作ってたり*3、一幕の時点でめっちゃかわいい!!!!

 

 そして二幕でティボルトへの執着が見えた瞬間からマキュへの感情が「かわいい」から「つらい」に変りました。決闘のシーンで、マキュはティボルトに「お前は昔からずっと俺を蔑み憎んでいた」と声を荒げて挑んでいくものの、ロミオが割って入ったことでティボルトに刺されて死ぬ。幼少期のマキュとティボの間に何があったの!?!?!?!? このシーンの何がつらいって、マキュは前述の通りティボルトに激しい執着があるけれど、ティボルトにはそれが見えないところです。ティボルトが執着しているのはジュリエットであり、この日モンタギューのところに赴いたのもジュリエットを奪ったロミオを殺すためなんですよ。マキュのことも普通に蔑んで憎んでたとは思うんですけど、それは「モンタギュー側の人間だから」という理由以外なかったんじゃないかな……。

 

 そう思って決闘の冒頭でティボを煽るマキュ*4を振り返ると、ティボにめっちゃ構ってもらいたがってるように見えてくる。本当に何があったの??? マーキューシオのことを考えていて、ロミジュリって結構余白が多いお話なんだなと気が付きました。両家の確執の原因もわからないし、マーキューシオが「モンタギュー家」ではないのにモンタギューについててめちゃくちゃ反キャピュレットなこととか*5、マーキューシオとティボルトの確執とか、ティボルトとキャピュレット夫人の関係とか……「ここはどうなってるんだろう」「なんでこうなってるんだろう」と考え始めると止まらない。物語で示された要素をつなぎ合わせて自分勝手に解釈していくのがめちゃくちゃ楽しい……。マキュのこと考えすぎてつらいから、カテコで笑顔なマキュちゃんを見るだけで泣けてくる。

 

感想(マキュ以外)

 ベンヴォーリオ、好きです。付き合いたいです。一見仲間想いの好青年だけどニートな上にめっちゃ浮気しそうなベンヴォーリオめちゃくちゃ好きです……というのは置いといて、彼は若い登場人物の中で唯一生き残るんですよね。元々はキャピュレットへの憎しみをもっていたんですけど、事件によって憎しみ合うことの無意味さに一番に気が付くのは彼です。マキュティボの死、ロミオの追放、それでもなおお互いを憎しみ合う両家に「せめて(マーキューシオとティボルトが死んだ)今日だけは」と訴えかける様子とか、「もう残ってるのは俺とロミオだけだ、俺たちはなんでも打ち明けてきた」とロミオにジュリエットの死*6を伝えにマントヴァまで行ったのに、取り乱したロミオ(ジュリエットのことしか頭にない……)に突き飛ばされて「クソッ!」って吐き捨てて去る様子とか……。ロミオ/ジュリエット、マーキューシオ/ティボルト、が両家で対になっている中、キャピュレットにはベンヴォーリオの対がいないんですよね。だから彼が生き残って……(つらくなってきた)。やっぱり結婚してくれベンヴォーリオ。

 

 個人的にめちゃくちゃ気になったのは「死」。両家の争いの場面では必ずそっと立ってるんですよ。最初は三階に佇んでいて、黒いからカラスみたいで不気味、と思ってたらいつの間にか二階、地上、と降りてきていて。しかもその動きが特別強調されることもなく、本当に自然と、ぬらぬらと迫ってくるのが薄気味悪くてどきどきしました。二階から地上への降り方が個人的に好きです。「死」の動きを追うと結構面白そうなんですが、そっちに集中してるとメインのストーリーがいつの間にか展開しちゃう。複数回観るならチャレンジしたかったなあ。ラスト、両家が手を取り合うと「死」がめちゃくちゃ苦しみ出して死んでしまうんですけど、そこを見ようと思うと目線を上にしないといけなくて……地上の人々の動きも見たいし「死」も見たいし……って結構大変だった。ロミオと「死」の舞踏は超たぎりました。数年後の三浦くんに「死」やってほしいよ~~。ところでロミジュリ初夜で「死」が上半身裸になってなぜ!?と思ったんですが、あれってロミオが脱ぐから「死」も脱いだんでしょうか。そうすると上半身裸で舞ってたのは初夜のメタファーということになってしまい……まあいいです!

 

 私は今まで「Wキャスト」ってなんのためにあるんだろう……スケジュールとか体力の問題かな? と思っていたんですが、なんとなくわかった気がします。今回はひと公演だけなのでWキャストが観られないんですが、めちゃくちゃ小野マキュの解釈も観てみたい。同じキャラクターを二人の役者が演じると解釈がめちゃくちゃ広がりそうです。

 

 こんなにロミジュリで心かき乱されると思ってなかった。次またやってくれたらいいな~。円盤出してほしいな~。

 

 

*1:1996年当時の「現代」なので今観るとだいぶ古いけど

*2:パンフより

*3:しかも多分人差し指と中指でつくるタイプのハート

*4:「いつからロミオのこと好きになったんですかあ~~~?」最高

*5:これについては「反キャピュレットというより反ティボルトなのでは」という仮説を立てました

*6:んではいない