夢と現実いったりきたり

ロスモワを観た

 

舞台『K -Lost Small World-』7月30日(土)ソワレ@京都劇場

 

ロスモワを観てきました。 鉄は熱いうちに打て、この興奮が冷めないうちに勢いで書き残しておきます。

 

まずは本編の感想 

ここには盗まれて平気なものはなに一つなかった。

 

Kはアニメ一期と舞台(第二章)だけ見ているので本作のストーリーはほんのりとしか知りませんでしたが、ひたすらつらかった!!!!アニメ本編で何やら因縁のありそうだった二人、八田美咲と伏見猿比古の過去を描いたの今回のお話、猿比古に救いがなさすぎてどうにもなりません。猿比古のことを思って酒を煽って泣くことしか私にはできません。

 

つまらない街、つまらない生活に嫌気がさし、「隕石でも降ってきて全部滅びちゃえばいいのに」と同じように願っていた二人。八田は、頭の良い伏見を純粋に尊敬し、伏見は、そんな八田の素直な(言い方をかえれば無神経な)部分、自分の話をきらきらした瞳で聞いて褒めてくれるところに惹かれる。二人は、お互いがいれば世界を変えられるとすら信じていた。けれど、結局世界を変えることなど出来なかった。壊れてしまったのは二人で築き上げた、小さいけれど幸せな世界だった。二人の中身は何一つ変わっていないのに、伏見は八田がつまらないものになってしまったと失望し、八田は八田で、相棒だったはずの伏見が急に裏切った理由がわからず憤る。

 

ロスモワを観た人のほとんどが考えるだろう、二人の世界の崩壊は、どうやったら回避できたのだろう?という問い。私は、伏見が、父親(仁希)と何かしらの形で決着をつけなければならなかったのだと思う。けれど、伏見はそれをうまくできなかった。できないまま父親は死んでしまった。自分を追いつめていた父親の幽霊(を装った阿耶)はもう倒したのだと語る伏見に、アンナはこう問いかける。「本当に大丈夫?」と。吠舞羅を抜け、セプター4に加入した伏見は、八田の大事にしているもの――二人同じ位置にある吠舞羅の印――を見せつけるように焼き消し、怒った八田の顔を満足そうに見る。これは、伏見の大事なものを壊しては楽しんでいた自身の父親と全く同じ行動である。伏見仁希はまだ死んでなどいない。猿比古の中に息づき、猿比古の精神を蝕んでいる。伏見がまだ赤の能力を使えること、十束から八田への言葉、それから、あのラストシーンを見る限り、二人が(同じ王に仕えなかったとしても)和解する将来もあるんじゃないか?という希望が少しでも持てたことだけが救い。でもやっぱり伏見猿比古がつらすぎてつらい。設定が夢小説の主人公並みに盛られている。

 

最高でした。ありがとうGoRA。でもいい感じに物語に入り込んでるところ、スクリーンに「GoRA」って文字が燦然と輝いてOPが始まったときは真顔になったよ。ロスモワに関してはOPなくてよかったと思う……。

 

そして問題の第二幕

―アイドルKとは?―

 数年にわたる世界規模の戦争が終わり、陸軍将校で同盟国ドイツへ参与として赴任していた國常路大覚は荒廃した祖国へと戻ってきた。倒壊した建物、疲弊した国民。明日の食事さえままならず、希望はなく、淀んだ悲しみと無邪気な苦しみだけが国土を支配していた。日本はあまりに多くのモノを失いすぎたのだ。國常路は己が国を立て直すことを決意する。元々、日本の闇の社会で絶大な影響力を持つ國常路家の出だったが、戦後は積極的に政治、経済、教育の分野に関与し、その才覚によって多大な貢献をした。そうして日本において盤石の支配体制を築き上げていくのと同じ過程で國常路は新たな教育システムを立ち上げ、運用する。日本を導くカリスマを養成するためのシステム。人々はそのカリスマたちを「アイドル(偶像)」と呼んだ。これはもうひとつの『K』の物語── 

 

「アイドルK同時上演!」と発表された時には「いやアイドルてなんやねん意味わからんやろ」という感想しかなかったのだけど*1、このキャプションを読むと「ちょ、ちょっと面白そうやんか……」という気持ちになり、でもやっぱり本編が終わって休憩してる時には「いやこれどういう気持ちでアイドルK見ればいいわけ!?!」と混乱し――思い返してみればアイドルKにあまりにも翻弄されすぎている――そして今、実際にアイドルKを体感した私は、「吠舞羅芸能事務所の赤のアイドルキング・周防尊のファン」という設定でこれから生きていきたいと思っている。つまり最高でした。

 

前説は日南田顕久くんと松井勇歩くん。ゆーほくんが伏見の眼鏡にキス未遂をしたところで脳が壊れました。ゆーほくんには毎日深夜にしんたくんから電話がかかってくるそうです(かわいい)。

 

アイドルK、ここはジャニーズカウントダウンの会場なのでは?というくらいめちゃくちゃアイドルしてたし、曲もいいし*2、ライブ単体でもやってほしいレベルで最高だった。ドリライの時になぜか手足と唇が震えていたのだけど、今回も同じ現象が起こり、終いには自然と体全体でライブを楽しんでおり、「この震えは私の内部から沸き起こるRythem」と悟りました。地蔵派だと思ってたのに……!

それから、赤のアイドルキング尊さんが最高の最高の最高で、最初から最後まで尊さんしか目が追ってくれなかった。尊さんは踊ったりしないし、笑顔もふりまかないし、ほとんどステージの上で煙草を吸ってるだけなんだけど、時々煙草でリズムをとってたり、客席に向かって指でくいっとファンサをしてくれるの……新規だからまだ尊さんの単独ライブに行ったことないんだけれど、特効の中ポップアップで登場した尊さんが「燃やすぜ」って言ったらファンが「No blood! No bone! No ash!」って合唱するんだろうな(アイドルキング周防尊の新規ファンとしての感想)。真剣な話、通路の少し後ろくらいの席だったので結構キャストが通ったんですが、尊さんが来たときは硬直してしまって手拍子すらできなかった。まさなりくんが特別好き!というわけではないんですが、Kステで尊さんを演じてるときのまさなりくんの美しさはこの世の美の頂点だと思います。確実に劇場にいる人全員尊さんに抱かれてた。こんなとち狂った企画をしてくれた偉い人本当にありがとうございます。Kは狂ってるのK。

 

カテコできしたくさんの挨拶に思わずつっこみを入れたまさなりくんに対して「(尊さんじゃなくてただの)和田じゃん」というしんたくん、そんなしんたくんに対して「お前もただの安西じゃん」と返すまさなりくん、そんな二人に「楽屋でやれ」と治める植ちゃんの図もたいそうかわいかったです。

 

 

 余談

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めっちゃ伏見猿比古っぽいなって思った曲です

 

 

 

 

*1:追記:アイドルKって公式でそういうパロディ?があるらしいですね・・・!のちに知りました

*2:八田曲はKAT-TUNのReal FaceっぽさがあるしキングのデュエットはKinKiっぽさがあった