夢と現実いったりきたり

『メサイア 外伝-極夜 Polar night-』をみました

messiah-project.com

 

 

劇団鹿殺し「無休電車」を観終わり、会場であるサンケイホールブリーゼから新快速に乗り、映画館へ向かった。途中大雨が降っていたが、京都ではすでに小雨でほっとした。傘を持っていなかったからである。

 

17:30、駅で友人Rと合流。映画は19時開始。まずは席を取ってから優雅に晩ご飯にしよう、とチケットカウンターに向かった。そしてカウンターで画面を二度見する。

 

メサイア 外伝-極夜 Polar night-」18:15上映……???

 

2人で「え!?18:15!?マジで!?!」とあたふたしていると、チケットカウンターのお兄さんが「そうですね、メサイアは……18時の回ですね」と教えてくれた。カウンターのお兄さんが「メサイア」と口にしたのにややウケしつつ、引き換えた。

 

このとき、時間は17:50。残された時間は25分(予告篇を含めれば30分)。数分前までは「晩ごはんどうする?お蕎麦とか中華とか~」と話していた我々は、決意した。フードコートのうどんしかない。

 

これは映画に間に合うようにうどんをすする2人の物語――

 

思ったより並んでいたせいで、うどんを手にしたのは18:05。 天ぷらは時間的に食べられないだろうと、具のないうどんにねぎと天かすをトッピングした。そしてひたすらすする。うどんをすする。途中、Rが「うちら、何と戦ってるんやろ」とポツリと漏らした。そして18:13ごろ、うどんを平らげ、3番シアターへと急ぐ。

 

3番シアターに足を踏み入れると、私たち以外に数組の観客がまばらに着席していた。自分たちの席に腰をおろし、ホッと胸をなでおろしたのも束の間、例のCMが流れ始めた。

 

youtu.be

 

家たちがバンドを組み、中央の少年がひたすらイエーーー!と叫ぶ(おそらく”家”とかけている)CM。京都の映画館では必ず流れる名物CMである。このCMに間に合った我々は、確かな勝利を確信した。(BGM:「モノクロの花」Blu-BiLLioN

 

 

 まさか、時間間違えてるとは思いませんよね。そんなこんなで、なんとか上映に間に合った極夜を見てきました。今回もまた、整理がついておりません。一旦たたんでおきます。

 

 

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「メサイア」シリーズを完走しました

先日映画が公開された「メサイア」シリーズ。ドラマ「影青ノ章」から入り、それ以降+映画「漆黒ノ章」は見ていたんですけど、影青までの舞台は未見でした。それらをこの度完走しまして、主に紫微ノ章について少し感想を書いていきたいんですけど、その前に一つだけ言わせてください。

 

 

悠久からメサイアデビューする人もいらっしゃると思うんですけど、

 

前作「暁乃刻」を見る前に、「紫微ノ章」を見てください!!!

 

 

(時間とお金があればでいいのですが)「暁乃刻」は「紫微ノ章」の知識があった方が1億倍楽しめるし、「紫微ノ章」は「メサイア」に関する基礎知識さえあれば割と入っていきやすい内容なのではないかな? と思うので、個人的にはここから入るのをおすすめします。

 

あと、「鋼ノ章」を贔屓しているので、これもできれば見てほしいなあ……と思います。

 

と、いうことで、私のおすすめする「悠久乃刻」への最短ルートは、

 

原作小説で基礎知識をつける→舞台「紫微ノ章」→ドラマ「影青ノ章」*1→(舞台「翡翠ノ章」)→舞台「鋼ノ章」→映画「深紅ノ章」*2→舞台「暁乃刻」*3

 

これです。

 

翡翠ノ章」は「紫微ノ章」以前のメイン登場人物、珀と鋭利の卒業ミッションのため、できればシリーズ最初から通して見た方が面白いと思います。ただ、「翡翠ノ章」を踏まえて「鋼ノ章」を見るとより味わい深くなります。

 

 

さて、ここからは感想を書いていきます。たたんでおきます。

*1:レンタルできます

*2:レンタルできます

*3:配信中

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来月で2年だそうです

 

 

お題「ブログをはじめたきっかけ」

 

来月ではてなブログを開設して2年になるようです。 ちょうど「ブログをはじめたきっかけ」というお題が出たので、いい機会だし振り返ってみようかなあと。

 

元々、舞台の感想はnoteに書いていたんですが、noteって割と孤独というか、まさに「一人で自分のノートに感想書いてる」感じで、同じような使い方をしている人もなかなか見つけられませんでした。「もっと色んな人の感想、読みたいなあ」と思っていたところに、はてなブログの「若手俳優について」グループを見つけ、スター機能も面白いなと思い、いそいそと移ってきました。以上です。ブログはじめるのにそんなたいそうなきっかけも何もないですね。

 

ちなみにブログタイトル「夢と現実いったりきたり」は、ふぇのたすの曲「スピーカーボーイ*1の歌詞から拝借しています。

 

 

それにしても、はてなブログにしてから、自分の観た舞台でも色んな感想があるなとか、この舞台面白そうだなとか、この俳優さん気になるなとか、入ってくる情報量が増えて、なかなか面白いです。あと、インターネットで人とつながる楽しみも覚えました。色んな人の影響で、興味の幅も随分広がりました。人生が楽しいです。

 

若手俳優について」グループも、私が参加した時は参加ブログがまだ2桁だったと思うのですが、いまや250ものブログが参加していて、すごいなあ……と思いながらよく眺めています。そのうちに、舞台を観ること、俳優さんを応援すること、それらについて考えること……はもとより、それらを愛好する人たちの「私の好きなものは最高!」という感情に基づくエネルギーに触れることも楽しみの一つになってきたようです。好きな舞台や俳優さんについて、素敵なエントリーを書いている人たちを見ると、素敵だな、私もそうありたいなと……思ってはいるのですが、なかなか文章を書くのは難しいなあと痛感しています。最近は考えるのを放棄して「最高!」「うれしい!」を最大フォントで記しはじめました。精進します。

 

自己満足でしかない、更新も滞りがちなブログですが、日記が1日で途絶える自分にしては珍しく2年も続いているので、好きなものや素敵なものに出会える限り続けていけたらいいな、と思います。

 

 

 

 

引っ越しました

 

僕のハートは引っ越しできない~~

 

ということで、はてなブログに移る前に舞台の感想を載せていたnoteから移していなかった記事を全部はてなブログに移しました。noteの方は消しちゃいました。

 

 

tsukko10.hatenadiary.jp

tsukko10.hatenadiary.jp

tsukko10.hatenadiary.jp

tsukko10.hatenadiary.jp

 

以上4つです。大体2年前のものです。

 

自分で言うのもなんなんですが、すっごく一生懸命に感想を書いていて、めっちゃエモい。とにかく「舞台を観る」という行為自体が楽しくて、真剣に作品に向き合ってる感じがする。違うんですけど、「青春」っぽい青さと初々しさがあって(恥ずかしいんですけど)、手前味噌ですが気に入りました。発見した誤字脱字も、あえてそのままに載せてみました(直すのがめんどくさいとかではないです!!!)。

 

観劇や感想を書くスタンスを変えたつもりは一切ないんですが、なんとなくこの頃のフレッシュな気持ちに戻ってみずみずしい感想を書けるように頑張りたいなあと思いました。

 

 

 

 

薄ミュ黎明録備忘録(2015/06/13)

 

 
 

6月12日ソワレ、京都劇場、ミュージカル薄桜鬼黎明録を観てきました。

原田篇すっ飛ばしてなんで黎明録とか、キャストほぼ一新とか、色んな疑問や不安や不満を抱えたまま、だけど薄ミュの魅力ってキャストだけじゃなくて脚本や演出というところにもあると思うから、わたしはこの公演のチケットを手にした。劇場に入って席に着いてからも、ずっとドキドキしていた。いい意味でも悪い意味でも。結論から言えば、薄ミュは裏切らなかった。芹沢さんの生き様にわたしは泣いた。黎明録は井吹龍之介の成長と、新選組の新たな一歩を描いた物語だけど、その両方のキーマンは芹沢鴨だ。横暴でダーティな彼の振る舞いは新選組内でも煙たがられて、会津の方針もあって最後は仲間から斬られてしまう。だけどそれは彼の一面でしかない。本当にただの横暴者だったら龍之介を助けたりしない。他の隊士の弱さを見抜いて、やり方がどうであれ助言を与えたりしない。彼は自分の先が長くないことを知っていて、自分がいなくなっても新選組が立てるようにあんな振る舞いをしていたんだろう。聡明な人だから。だけどそんな彼の本当の姿をちゃんと理解していたのは一体何人いるんだろう。新八は彼を評価していたけれど、そこまで見抜いていたかは怪しい。やっぱり龍之介だけなんじゃないのかな。だから土方率いる新選組幹部たちが芹沢を斬ってしまったときわたしは悲しくて悔しくて仕方がなかった。でも芹沢はこうなることをある意味で望んでたんだろう。自分があの晩斬られることを知っていた。だから龍之介を宴の席に連れていかなかった。変若水を飲んだのは、本来なら芹沢暗殺という汚名を被る土方らに対して「狂った羅刹を斬った」という免罪符を与えたからなんじゃないかすら思う。

芹沢が死んだあと、龍之介が芹沢の亡霊と会話をするシーンは、現実に即して考えれば、「龍之介の幻覚」として片づけられてしまうけれど、わたしは本当に芹沢の亡霊が現れたんだと信じたい。薄桜鬼はファンタジーなんだから。どんな悲劇だろうと、ファンタジーである限り、最後には救いを求めたい。ずっと犬呼びだった芹沢が最後の最後に龍之介と呼ぶのは、「来るぞ」とわかっていたのに涙がこぼれた。その後龍之介は新選組を見届けて彼らのことを伝える決心をするけれど、その場面はずっと涙でぼやけっぱなしだった。

芹沢鴨という人間に心を奪われすぎて、彼の感想ばかりになってしまったのだけど、もちろん他にも見所はたくさんあった。黎明録ということで、曲はほとんど新規のものだったけれど、M1を聴いたときに「ああ、黎明録は大丈夫だ」と思った。とにかく素敵だったから。記憶力が毛ほどもないので、歌詞も曲も思い出せないけれど、とにかくM1はすごくよかった。それから、唯一(多分)新規じゃない、ヤイサ。新選組新選組になったときに流れる曲(一回目のヤイサではこれまでの歌詞とはガラリと変わっていて、早く歌詞を読みながら聴きたい)。新鮮だったのが、まず山崎パートから始まるところ(記憶があいまいなので間違ってるかも)。龍之介と真っ向からぶつかっていた山崎が、「井吹と出会えてよかった」「新選組のことを伝えてくれ」(ニュアンス)という台詞を残して、絞り出すように歌い始めるシーンは言葉がでなかった。しかもあれは山崎が死ぬシーン、で合ってる(敵の衣装的に)? ヤイサって本当に名曲だ。

総司が近藤土方から本当に大切に思われているけど、その結果子供扱いされていること、斎藤に負けたこと、人を斬ったことがないというハンデ、色んなことに悩んでいた姿とかも、胸に来るものがあった。総司って何気ない所作が見てて面白いんだよなあ。隊服が出来たとき、近藤には「はい、近藤さん♡」って手渡すのに土方が近づいてきたら一瞬土方をじっと見てつんと顔を背けるところとか。ごはんの歌の時のふてくされ加減とか。一番後ろで、一人で不機嫌そうにごはん食べてて、山南さんが近づいてきたら他のところに行っちゃう……みたいな。ごはんの歌のときの斎藤さんはかわいい。

今回三馬鹿は見せ場が多くない印象だったけど、細かい部分で三馬鹿のらしさが出てたと思う。多分、わたしのことを知ってる人からしたら意外だと思うけれど、わたしは平助が結構好きで。みんなと笑ってたいと願っている人。平助が一番ヒーロー気質だと思う。黎明録でも、おかしいと思うことに真っ直ぐに向かっていく姿がすっごいヒーロー! 左之さんは龍之介を槍でしばくところとか、千鶴に対しては絶対しないけど左之さんらしい行動が見られてわたしは嬉しい。槍の使い方めっちゃ上手かったし、ガタイも左之さんな東くん、まさかの同いか一個下かという年齢で、震えた……。新八は新八にしてはすらっとしすぎでは!? とビジュアル見たときに思ってたけど、声は秋人新八よりも男らしさが出てたかなあ。秋人新八、歌い始めると予想外のスウィートボイスだから……。新八ってバカだけどバカじゃなくて、アツくて仲間思いで曲がったことが嫌いな男というのが節々に見られてよかった。

ここまで絶賛しているけれど、もちろんいろんな部分でううん……と思うところはあった。歌は全体的にまだまだだったし(ヒデ方様は除く)、滑舌も不安だったし。一幕は正直歌が詰め込みすぎでは?と思わなくもなかった(歌が安定してなかったのも一因かも)。だけど感動したのは事実だし、このカンパニーがこれから成長してゆく姿を見たい、と思ったので、次作をお願いします。なにとぞ。

 

 

あとは箇条書きで、覚え書きをば。

・輝馬くんの山南さん、いちいち吐息がかっててなんかエロい。スタイルいい

新選組してる山南さん(涙)

・二幕の客席登場、下手側通路がマッキー、上手側通路が祥平

・通路側じゃなかったけどちょうどマッキーが止まる列で死

・カテコ?でよろける猪野くん

・八木邸に行った四人、「説明してくれるおじさんに、今薄桜鬼やってるみたいだから観に行ってみたら?」と言われる(あっちゃん談)

・挨拶を任された廉くん、話を〆られない

・パンフの表紙・裏表紙、端っこに千鶴の着物が!!!!!!!!!(大興奮)

・カテコで出てくるときの祥平くんは世界一かわいい

・ヒデ様に足を向けて寝られない

ブラステ再演みた(2015/4/25)

 

 

薄ミュで橋本祥平氏と出会い、どうしても板の上に立つ彼を観たくて、思い切ってチケットを譲ってもらった。

当日チケットを家に忘れ、大学から一時帰宅し慌ててIMPホールに向かったのだが、残念ながら開演時間に間に合わず、OPが終わるまで待機して入場、というかたちになった。一応「朝日奈家の兄弟がヒロインが家に来て1年記念サプライズパーティーの準備をする」という前提は頭に入れていたため、話にはすっと入れた。しかし、幕が上がるまでの緊張感とか、OPでのドキドキ感とか、そういう気持ち作りをもっとしたかった(走ってきたのと途中入場の罪悪感から別の意味でドキドキしていたけれど)。

ブラステ、色々感想はあるのだけれど、役者や役柄に関して特筆したいと思ったのは、琉生・風斗・祈織・棗の四人だ。

 

琉生について

きっかけはもちろん橋本祥平くんだったのだが、アニメ版ブラコンを数話みた時点で、わたしは琉生を一番推すことはないだろうと思っていた。不思議ちゃんとかふわふわとかフェミニンとか、そういう男性キャラはストライクゾーンの範囲から外れている。結果、ブラステで好きになったのは祈織や風斗や棗だった。しかし、贔屓目はあるにせよ、祥平くんの琉生は素晴らしかった。琉生はキャラクターの性格上、台詞もアクションも少ない。だが、ソファに座って装飾を作っているときの柔らかな笑み、他の兄弟たちが騒いでいるときのきょとんとした表情、顔の向け方や仕草のひとつひとつが間違いなく琉生だったと思う。また、琉生は独特のリズムとアクセントで話すのだが、その再現率も素晴らしかった。祥平くんは琉生をどれだけ研究したんだろう? 彼の並々ならぬ熱意が透けて見えた気がした。

琉生は、ヒロインを“守る”立場なので、ほとんどの時間、ソファに座ってパーティーの成功のために黙々と作業をしていた。ヒロインへの好意からか、周りが見えなくなっている他の兄弟たちと違い、彼はちゃんと周りが見えていたように思う。だからこそ、風斗が抱えるもやもやに気づいたのだろう。そして、祈織が買ってきた天使の輪っかを着けた琉生はまさに天使であった(あれ、誰が着けたんだっけ? GJと言わざるをえない)。

 

風斗について

風斗は家族に対して生意気で、ヒロインよりも年下で、現役アイドル。劇中ではめんどくさそうに雑誌を読んだり、苺をつまみ食いしたり、部屋に戻ってしまったり、中盤まではパーティーに対して非協力的な態度をとっていた。しかし、これは彼がヒロインのことをちゃんと考えているが故抱えたもやもやからきた行動なのである。彼は、ヒロインに対して「恋愛感情」を抱いている兄弟たちが、「家族」として彼女を大切に思っていることを示すパーティーを開くことへの白々しさやエゴのようなものを感じていたのではないだろうか。そして彼自身もヒロインを姉としてではなく、女性として見ているからこそ、パーティーへの積極的参加に複雑な気持ちを抱えていたのではないだろうか。加えて手際の悪い兄弟たちを見て、つい刺々しい言い方、誤解される言い方しかできなかったのではないか。彼は他の兄弟たちに「効率が悪い」と憎まれ口を叩いていたが、ある意味一番愚直で不器用なのは彼自身なのではないかなと思った。好きになったキャラクター。風斗ED見たいなあ。

祈織について

祈織に関しては、恐らく原作のファンだと、許せないという人もいるんだろうなとぼんやり思った(彼の病んでる部分が拡大解釈されて、ギャグ的に使われることが多かったため)。ブラステはコメディに分類されると思うので、祈織の立ち位置は正しかったと思う。ヒロインが痴漢に〜のシーンでコーンを構えたところ、ブレーカーが落ちたシーンで物凄い勢いで十字を切っていたところ、すごく面白かったし、キャラが立っていたと思う。もし祈織が本物の病み具合を発揮していたら成り立たなかったんじゃないだろうか。
EDのダンスで十字架を加えて踊ったり、さりげなくウインクしたり、集合写真でのポーズがすごく格好つけてたり、あそこまでキメられると笑ってしまいそうなものだが、普通にちゃんとかっこよかったから美慎くんはすごい。完全に写メでにこにーポーズしてる人のイメージだったのに……。 素敵でした。

 

棗について

わたしがブラステで一番やられたのは谷口さん演じる棗だった。棗は仕事の都合で皆よりあとからパーティーの準備に携わることになるのだが、誰もいない(本当は椿と梓がキッチンにいる)リビングにきょろきょろしながら入ってきた時点でずるい。ちょっとくたびれた感じが本当にグッとくる。昴にかまいたがる部分とか、三つ子で料理場に立つとき、しっかりしつつもやんちゃな部分が見え隠れする感じとか、好きになるしかないじゃないか、と思う。しかし、棗はずるい男だった。ヒロインへのプレゼントを、皆で買った分以外にも用意しているのは他の兄弟にも言えるのだが、侑介が自分のプレゼントをダシにヒロインの帰りを引き延ばすシーンで、実は、棗は鞄から自分のプレゼントを出すか悩んでいる。たぶん侑介と同じことを考えたのだろうが、結局侑介がなんとかしてくれて、内心ホッとしたに違いない。誤算だったのは侑介と用意していたプレゼントが被っていたことだ。棗EDでは、ヒロインの部屋を訪れた棗が、「用意してたけど、皆からのプレゼントと同じだからいらないよな」と始末が悪そうに微笑む。この笑顔がずるい。ヒロインがプレゼントを受け取ると、さらに「自分の会社が提携しているテーマパークのチケット」を渡す。ペアチケットを渡して一緒に行こうと誘うのかと思いきや、あの男、「社員とその同行者」しか行けないチケットをプレゼントしやがった! どう考えてもずるい。「好き」とか「付き合おう」と言わないままずるずる関係持っていくタイプと同じニオイがする。とりあえず、棗が、そして棗役の谷口さんがとてもとても最高だった。ずるい!

こんなところだろうか。棗に関しては本当にずるくてずるくて、何かのシーンで頬を膨らませていたところとか、わたしを始め女子の大好きな「大人の男の人がかわいい仕草をする」までぶっこんできたのにはもう怒りを覚えるほどに素敵だった。

他の兄弟に関しても、光役の才川くん(弱冠20歳!)はスマートに女言葉を操り、兄弟を焚き付けていたし、要役の小林さんは声がよかった。あっさりしてたので、エロさはあまり感じなかったけど、家族の中の要はあんな感じなのかなと。あまり舞台上にいなかった気がするので残念。右京さん役の未来弥さん、舞台の経験は浅いと聞いたけど、わたしが観に行ったとき声が枯れてて心配だった。右京さん、作中ですぐに携帯がかかってくるのだが、その時のくるっとUターンするのに毎回笑った。椿役の西島さんは、たぶん作中1、2を争う台詞量をあの特徴的な喋りで言うの疲れそうだなあと……。椿、かまってちゃんで落ち着いていられなくて、いらんことしいというキャラで、彼がいると舞台上が賑やかだった。対して、梓はあまりしゃべらなかったなという印象。椿のストッパー役というところ? 金井くんのシルエットが細くて細くて……二次元的なビジュアルだった。そして昴。彼の女性への耐性のなさというか、清く正しくバカって感じが愛おしい。昴のあの(言ってしまうと)童貞くささを絶妙に表現できるのすごい。あまり普段の畠くんを知らないのだが、彼自身も普段からそうなのか?と思ってしまうくらい。たぶん他の兄弟はそれぞれヒロインに個人的なプレゼントを用意してただろうに、用意してないあたりも昴は信用できる男だ。なんか昴の感想が長くなった。侑介については、ブラステの主軸だと思う。お使いを全て間違えるバカさとか、純情さとか、思わず応援したくなる。ソファで前後に揺れる(伝わらなさそう……)仕草とか侑介だー! と思った。そして雅臣、雅臣本当によかった。めちゃめちゃかわいかった。さすが小児科医って感じの笑顔(堺雅人みたい)。かわいかった。弥ちゃんを抱きかかえてるのとか天使画か? 弥は初演の時いなかったのでどうするのかなと思ったけど、違和感はなかった。よく通る声で、かわいいけどちょっとおませな弥、かわいかった。出演者みんなメロメロなのも頷ける。

 

長くなったけど、本編の感想はこんなものかな〜。楽しかったことが伝われば……。カテコで、畠くん、日本語不自由な人だ……! と気づき幸せな気持ちになりました。ダンスのときのファンサも凄まじかったな……。

 

最後に、これは舞台とは関係ないけれど、客席のマナーがちょっといただけなかったなと。飲み物のんだり、喋ったりが周りで目立ったので残念。

ペダステIH3日目ライビュみてきた(2015/3/30)

舞台弱虫ペダルインターハイ篇The WINNER

本当は生観劇したかったけど、チケットがとれず。大阪の当日券めちゃくちゃ少なかった……。ライビュはなんとかチケットとれたので、観てきた。

ライブビューイング自体初めてだったけど、コンサートとかだと割と盛り上がってペンライトやサイリウムを振ったりすると聞いていたので、ちゃんとアームリフレクター装備していった……が、とても静かだった。会場によってはすごい盛り上がっていたようなので、わたしのいた会場がおとなしかっただけかもしれない……。京都人ははんなりえ、ってことだろうか。

とりあえず、思ったことを以下羅列していこうと思う(完全に記憶頼りだし、一度しか観ていないし、実際とはかなり違ってるかもしれないことは先に言っておきます)。時系列もたぶんバラバラ

 

・舞台が始まる前に客席から歓声が上がって何かと思ったらまさかのわたるん先生。近くに先生いたらめっちゃ緊張して気が気でなくなりそうだ……。場内アナウンスが村井さんだったのでちゃんと聞きたかったのだけど、いかんせん会場内の音声なのでちょっと小さくて聞き取りづらかった……。

・舞台のはじめの方は、いつも通りこれまでの話をダイジェストで振り返り。このとき、キャラがひとりひとり出てくるけど、真波の登場が本っ当にかっこよかった(というか、登場だけじゃなく、今回の真波は本当にかっこよかった)。

・東堂巻島のラスクラ、短くても泣けるなあ。実はペダステはIH篇を一切観れてないのでラスクラがどう描かれてるのか知らないんだけど、ちょっとこれは早く観なきゃだ。ちょうど頂上にたどり着くところで照明がきて2人のシルエットになってて。そこの東堂が本当にいい! シルエットが美しい! きたむー、野獣覚醒で生で見たけど、本当に東堂尽八だ。あと顔が本当にきれいで、カテコとかできたむーのアップが抜かれると思わず見とれてしまう……。こんな美しい人間見たことないという気持ちになる……。

・ミヤ、よかったなー。本当にミヤが存在してた。登場シーンの後姿で1人芝居の時点でもううわーミヤだ!!という……。完全に山本くん、モッてた。彼、元Jr.でパズルライダーやってたことだけ前知識としていれてたけど、本当によかった!!

・ミヤのテーマソングなのか、呉南のテーマソングなのかはわからないけど、あのお太鼓みたいな音が好きだった。イビの拍手にSEついてたのも、好き。呉南の手綱とってるのってイビなんだよなーと改めて思った。

・去年のIH回想の演出もよかった。イビのカナちゃん云々の台詞、ミヤを思ってウルウルした。今回、原作一応読んでるのに涙腺にくることが多かった気がする。歳のせいかな……。原作読んだ時点では、呉南、好きでも嫌いでもない位置でしかなかったけど、すごい好きになった。

・原作はそうでもなかったけど、という意味では水田くんもそうかなあ。ペダステですごく愛おしく感じた。御堂筋に心酔して、次期エースって言葉を信じて真っ直ぐに追い付こう追い付こうって頑張ってるところに、呉南率いる集団に飲み込まれたときの絶望感たるや。彼には本当に次で活躍してほしいなあ……。

・カテコでみんなが整列するとき、きたむーとちゃんともがすれ違い様にローファイブかな、ハイタッチまではいかない位置で互いの手を握ってて、ああこの二人はまさに東堂と巻島だなとしみじみ思った。

・村井さんが4回目だったかな、のヒメヒメダンス前に最後ですよ、言いたいことあったら今のうちですよ、って呼びかけたとき、真っ先に前に出て台詞を披露したのはきたむーだった。こういう場面で目立ちに行くってとこがまず東堂らしいし、周りのキャストから「生粋の東堂だな」って言われてたの、玉ちゃんの後任、って形でペダステに入ってきたことを思うと、感慨深い。きたむー参入後からペダステを知ったわたしが言うのも変な話だけど、成長したんだなあ。カテコの挨拶聞いてても、彼はペダステに人生を大きく変えられた人間のひとりだと強く思う。

・友常くん、ちゃんと田所さんだったし、なんならカテコで号泣してる姿も田所さんだった。お気に入りなのは鳴子がデーハードヤドヤクライムの説明するときに前輪を持ってる表情です。めっちゃ田所さんの顔してた……。パズルライダーさんとその場面にでてこないキャラは大道具や小道具を動かしたりするんだけど、そのときに細かい演技してるからヨリの画のとき楽しかったなー。

・号泣する友常くんに「これ(前髪)触る?」という謎のフォロー入れたり、足元のカメラにみんなで群がってたときにナチュラルに投げキスしてたり、なんか場をふわっとさせたりしてたちゃんとも…………。

・みつさん、役者だった。キャストはみんな役者だからこういうのも変だけど、みつさんは頭ひとつもふたつも飛びぬけてたと思う。普段の御堂筋からキレた御堂筋への声音の変化はゾクゾクした。全力出し切って倒れた姿、原作で読んだとおりの御堂筋の姿だった。

・ペダステには女性キャストがいなくて、委員長が出てこない(植ちゃんが女装した形では一応出てるけど……)んで油断してたけど、ちゃんと真波が委員長に言及してて最高だった。真波は少女漫画力が高いなあ。

・真波が負けて、先輩たちのいるテントに戻ってくるシーン。いっぱい涙が出たので~っていうのが真波らしくて大好きな台詞だから舞台で聞けてよかった。先輩たちがひとりひとり真波に触れてテントを出ていくとき、最後の新開くんは真波の前髪を優しくくしゃっとして出ていく。それが本当にかっこよすぎて死ぬかと思った。新開隼人に対しては夢属性微妙にあるので、正直たまらんでした。漫画であったっけ?覚えてないや……。

・新曲かな?ちょっと把握できてないけど、曲がよかった。ちぎれていったキャラが歌うやつと、いま、青春!みたいなやつ。

・まさかのヒメヒメ4回。通常通り1回、締めにヒメヒメ踊ろうか、ってなって2回、そこで植ちゃんが間違えて3回、次はたーが間違えて(たぶん友常くんも微妙に間違えてたけど見逃されてた?)4回。植ちゃんが間違えたとき関西弁で誤ってたのと、1段上で踊れ!って言われたときに村井さんが「真波くん!」ってついていったのがかわいかった。

・先日ヒメヒメ間違えてトレンド入りした秋人は間違えるどころかめちゃくちゃいい笑顔で踊ってました

・龍くんがユキちゃんだけゼッケンがなくて……という話をカテコでしてからの、12番ゼッケンはとてもうれしかった。単純にユキちゃんにゼッケンが与えられたことへの喜びと、IHが終わって一区切りついたペダステの次回作への期待。

・カテコでは村井さんと植ちゃんが最初に出てきてから他キャストがでてきてたんだけど、そこで総北は村井さんを担ぎあげたり、エアーバンドやってたり、チーム感が強い印象だった。エアーバンドのときは京伏・箱学(下手側)と総北・呉南(上手側)の温度差が……。えいじさんは植ちゃんを抱き上げたりしてた。

・泉田が3年から声かけられたときの返事が「アブァ……!」みたいな感じで、「ペダステの泉田」ってキャラが確立されてるなあと思った

・本当に最後はけるとき、たしか新開泉田はペア?になってて、真波小野田のアップが抜かれてるときに「アブゥ!」って声と黄色い歓声が聞こえたのでたぶん新開泉田で事案があった?

 

ざっと思い出せるのはこんな感じかなあ……思い出したら追加するやも。キャストのひとこと挨拶聞いていても、人生を変える作品になったというキャスト、ペダステは青春だと喩えたキャスト、なんだかペダステが終わってしまうんじゃないかとまで思った。このままペダステが続くとしても、IHが終わったら3年生は引退だし、多くのキャストはペダステを去ってしまうこととなる。そのことを思うと、本当に悲しくて、喪失感すら感じる。長い長いインターハイの夏は青春だった。わたしはまだ青春の中にいたい。